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バンコクでベスパ 不具合の原因は

3年目に入った私のベスパ。
前回の記事の続きになりますが、不具合の原因が判明した話。

渋滞にハマってエンジンが高温になり、ラジエーターのファンが回りだすとエンジンが止まる、という謎の持病を抱えたまま、私は日頃の通勤をこなしていましたが、この症状が出ることがその後も3回もありました。
その3回はいずれも帰宅途中で、いつも自宅まであとわずかという所。
それぞれの話を書き始めると終わらないので割愛しますが、前回と以下同文的なお話で、その都度ベスパのディーラーに行ってチェックをしてもらったのですが、トラブルは解消しませんでした。

さすがに嫌気がさしてきて、私は本気で乗り換えを検討しました。
納車から2年ちょっと、機嫌よく走ってくれている時のベスパは本当に良い相棒で、休みの日に郊外に出かけた思い出も積み重なって愛着が湧いていたのに、なんともやるせない思いでした。

「もっと詳しくチェックしてみないと本当の原因がわからないので、しばらくバイクを預からせてもらって良いですか?」

いつものベスパのディーラーのスタッフが流石に申し訳なさそうに言いました。
「わかりました。この際徹底的に調べてください」

私は愛車の検査入院を了承し、代車を用意してもらえるのかと聞くと、それはできないとのこと。
「・・・日本のバイク屋だったら代車を用意してくれそうなもんだけど」
そう思いましたがここはタイ。
私は翌日からの電車とバスの通勤を覚悟したのでした。

2日後、ディーラーの担当者から電話がありました。

「エンジンが停まってしまう原因がわかりました。エンジンにガソリンを送り込む燃料ポンプが不良だったようで、ガソリンを送る圧力が十分ではありませんでした。これは製造元にクレームが出来るので、私達は製造元のベトナムのベスパにクレームをしました。おそらくそれが認められるまで2週間ほどかかるので、もうしばらく待って頂けますか」

そうなると私は待つしか選択肢はありません。
そんな不具合を抱えたままこれまでよく走っていたな、と思いました。
せっかくなのでその燃料ポンプを交換して今度こそ安心して走れるようになて欲しいと願う気持ちだけでした。

それからさらに2週間が過ぎました。
ディーラーからはまだ連絡はありません。
しびれを切らした私は担当者に連絡をしました。

担当者:「クレームは承認されて、交換部品がこちらに届くのを待っているところです」
私:「それはいつ届くのですか?」
担当者:「大体2週間後だと思いますが、わかりません」

なんとものんびりした話ですが、ベスパの交換部品は製造元のベトナムの工場からタイに送られてくるらしいので、これまた私は待つ以外の選択肢はありません。

気がつけば私のベスパをディーラーに預けてひと月が過ぎていました。

その間、私は高架電車BTSと路線バスを乗り継いでの通勤生活を強いられていました。
満員の電車に揺られながら「レンタルでバイクを借りようかな・・・」と思ったり、渋滞にハマって動かないバスの車内で「ベスパが帰ってきたらそのまま売り払って、ホンダかヤマハのビックスクーターに乗り換えようか・・・」とか、いろんな思いが頭をよぎりました。

それからまた1週間後、ようやくディーラーから修理完了の連絡が入りました。

久しぶりに再会した私のベスパ。
長い入院生活から帰還したベスパは、病気療養後の人じゃないので当然ですが、見た目は以前と変わらない姿でした。

キーを差し込みエンジン始動。
もちろん問題なくいつものように静かで小気味よい排気音が私の耳に届きます。

やっぱりコイツじゃないと駄目だな・・・
売り払うという考えは、一瞬で消え去りました。
明日からまた宜しくな!
そう思いながら久しぶりベスパに跨り自宅へと向かったのでした。

燃料ポンプ交換した直後の走行距離は26,535キロ





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