ひきこもり歴13年から今にいたるまで⑬
このコップを壁に投げつけて割ることができたなら、世界は変わるだろうか。
現状が少しでも揺らぐだろうか。
空っぽの透明なグラスを握りしめる。
握りしめたのはいいけれど、その次がない。
その部屋にはいつだって次がない。
私しかいない部屋の中で時間は行き場を無くしていた。
そっと手の力をゆるめ、グラスを元あった場所に置く。
世界は変わらない。
自分はもっと変わらない。
私は自分がグラスを割らないことを知ってしまっていた。
いっそ壊れることができたなら、狂うことが出来たなら楽に