vs名古屋グランパス@豊スタ 4/29

早くも序盤の天王山として相見えることとなった両者の対決です。
しかも2連戦で、初戦は大雨の中での戦いとなりそうです。
ここでどういう結果が出るのか、仮に2連勝を飾ったところでリーグ優勝が早々に決まるという話では全くありませんが、絶対に負けないという姿勢は見せつつ、気負うことなく平常心で臨んでほしいと思います。

本日のスタメン

本日のスタメンは以下の通りです。

4-3-3
前3枚は鉄板の布陣となりました。

悠が前節広島戦で負傷し、今節はメンバー外となっています。

おそらく2戦目も間に合わないのではないかと思いますので、CFとしてダミアンが名古屋守備陣に嫌な印象をどれだけ与えられるか、そして得点を数字で残せるかは大きなタスクとなると考えられます。

三笘に関しては名古屋相馬とのライバル関係っぽいものがクローズアップされがちですが、圧倒的な差を見せつけるプレーを期待したいです。

攻撃面でどれくらい仕事ができるのかも大事ですが、簡単なロストをしない、ネガトラでサボらないという課題も克服した上でシンプルに上回ってもらいたいと思います。

4-3-3
今節のひとつのポイントになると言っても過言ではないでしょう。

怜央、そしてシミッチが帰ってきました。

怜央はIHとしての復帰となります。おそらく、三笘、ノボリとのコンビネーションも計算できると思いますし、左SB、両ウイングで仮にトラブルがあったとしてもそのままスライドできるというポリバレンシーがあるのは皆さんご存知の通りです。

何が原因でしばらく離脱していたのか分かりませんが、この大事な試合で泰斗を差し置いて戻ってきたということは明確に課されたタスクがあるのだと思います。

守備強度の高さもさることながら、そもそも被シュート数が少ない相手ということで、ロングレンジ、ドリブルで果敢に攻め込む姿を見たいです。

そしてシミッチは古巣対戦となります。

シミッチもここ2試合離脱していた理由はわかりませんが、期待することはただひとつ。恩返し弾を決めて欲しいと思います。

4-3-3
メンバーは最近固定気味ですが、広島戦から時間が空きました。

そこで期待できるのは、休養たっぷりなので視来の上下動と左サイドのコンビネーション確認です。

一方でやや不安なのが、休養たっぷり取った後のジェジエウがやや不安定なプレーを見せがちということです。

両サイドの相馬、マテウスの速さもありますし、C大阪から移籍してきた柿谷が輝きを取り戻しつつあるところで、個とコンビネーションにどう対応するかが大事となります。

基本個でやられなければやられることはありませんが、個に引っ張られすぎてどこかが空きがちになるので、広い視野を持ってまずは先制点は絶対やらせない、仮にやられても受けるのではなく強気でいくという姿勢をいせて欲しいと思います。

GK
GKは引き続きソンリョンです。

両ウイングのカットインに対して時間を与えるとファーにもニアにも撃ち抜かれる技術があるので、強気の飛び出しでコースを消して打たせないというプレーも選択肢としてあると良いと思います。

あとはセットプレーのこぼれ球から放つ稲垣のミドルに対しては、守備としてマンツーマンにさせるかは分かりませんが、パンチングなどの対応ははっきり遠くへ飛ばせるようにしたいところです。

ベンチ
悠が負傷でベンチ外となりました。

なのでダミアンのバックアップは知念くんです。福岡戦でも見せた雨の中でもどっしりと構え、肉弾戦で負けないという姿を見たいですね。

また、橘田が最近メンバー外が続いていますが、代わりに小塚が継続してベンチメンバーに選ばれています。

僚太なき今、大きく違うアイデアを見せられる選手の1人だと思います。

今はまだ対策のしづらい選手であることは間違い無いので、途中出場の際には活躍を期待したいと思います。

名古屋側
フィッカデンティがオンサイト検査で判断保留ということで、コーチが監督代行となったようです。

試合の流れ

立ち上がりは、その脅威さを理解されているシミッチに対して厳しく寄せられますが、特に慌てることなくチーム全体でボールを握る時間を確保します。

すると前半3分、後ろでブロックを敷く名古屋の前への寄せが甘くなったところを三笘が稲垣の股を通してダミアンに当て、落としを怜央が素早く反応し低く鋭いシュートで先制。早速起用に答える怜央でした。

そして2点目の追加点も早々に訪れます。ソンリョンからの見事な右サイドへのフィードから、ノボリ、アキさんへと伝わり、狙い澄ましたクロスに中央でダミアンが合わせました。ほぼここまで自由にやりたいことをやれている川崎に対して、解説の寿人さんからも矛が強固だというお褒めのコメントを頂きました。

しかし、名古屋もカウンターには鋭さがあります。柿谷が中央で受け、川崎の左サイドをマテウスを縦に走らせますが、フィニッシュまで持ち込むことはできません。この時、後ろから追いかけた彰悟さんは絶対DOGSO貰わないマンを披露していましたね。(主審は荒木さんでした。)

迎えた前半23分、碧のアウトスイングの右CKをニアでシミッチが逸らし、浮いたボールをダミアンが高い打点で押し込み3点目。

名古屋も流れを変えようと、飲水タイム空けに山崎に代わって長澤が、宮原に代わって成瀬が入ります。
中盤の枚数を増やしたことで川崎の中盤に対するスペースを狭くしつつ、基本は長澤が川崎IHの間やIHとCFの間でフリーで受けてビルドアップに関与することで、川崎陣地でボールを持つ時間を増やします。

ただ、ボールを持たせてはいるものの大きな脅威は特になく、奪い返せば三笘が左サイドを突破し、クロスはダミアンが惜しくも合わせられず、さらにダミアンのペナルティエリア外からの枠内に飛んだミドルシュートはランゲラックの好セーブで阻まれますが、ダミアンを中心にチャンスを作ります。

前半終了間際、カウンターからチャンスを迎えますが、人数が揃っていないこともあり、カウンターのカウンターと時間帯も考慮してキープしたまま前半が終了。

ハーフタイムで両チームとも選手交代はなし。
後半開始直後、柿谷との競り合いでシミッチがこめかみから流血。名古屋がボールを持てるようになって来ている状況で、一人少ない時間帯で失点は絶対に避けたいところ。

長澤がボールを引き出しと相馬、吉田を使おうと横への揺さぶりもかけてきますが、視来、ジェジエウ、戻ってきてくれる中盤、アキさんにより負けません。

アキさんに楔のパスを入れようとしたところからカウンターを受け、左サイドを低い位置からマテウスが突破をかけ、寄せてきた谷口と裏をカバーするジェジエウの間を通すパスから柿谷が決定機を迎えますが、ソンリョンが左手に当てビッグセーブ。

方や川崎も、名古屋のビルドアップを稲垣のところで奪い、怜央のスルーパスからアキさんが抜け出しシュートまで持って行くが、ランゲラックがしっかりセーブ。中を見る余裕があれば中でもよかったかもしれません。

今後は名古屋が、相馬からの攻撃は潰されますが、視来が繋ごうとしたと時間をかけたところを奪い、長澤がボックス内でシュートまで持ち込みますが、ジェジエウがブロック。

やられたらやりかえさんとばかりに縦に早い攻撃を繰り出します。彰悟のクサビをアキさんが受け、右に流れた三笘がヒールで中央に落としますが、アキさんのはミートせず。

さらに左サイドでノボリのスルーに抜け出した三笘が中に折り返し、ダミアンが決定機を迎えますがこれは枠外。ハットトリックとはなりません。

名古屋は飲水タイムで相馬を前田に交代で、マテウスが左へ。川崎も三笘に代わり泰斗がイン。怜央が左のウイングへ。さらに、怜央に代わって大弥、ダミアンに代わって知念が入ります。

交代で入った大弥が仕事を果たします。ランゲラックのパスをノボリがカットして泰斗に繋ぎ、ボックスの左に侵入した大弥が逆足でサイドネットに突き刺すシュートを放ち、試合を完全に決定づける4点目。

その後、名古屋は米本に代わってGX10、マテウスに代わって学を投入も戦況は大きく変わらず。

川崎も小塚、塚川投入で守備を固めて試合終了。久しぶりのクリーンシートを達成しました。

今節のポイント

今節のポイントとして、①タスク遂行②課題のCK③鬼さんのコーチング、に触れたいと思います。

①タスク遂行
今節対名古屋では強力なウインガーに対して、少なくとも先制点を与えずに試合を進められるかというところで、まず先制点をかなり早い時間で取れたこと、そして追加点も間髪入れずに取れたことは守備陣の安定感を増す一つの要因になったと思います。

そういう意味では、復帰してすぐに結果を残した怜央や2点を取ったダミアンは試合の流れを見ても素晴らしい出来だったと思います。

欲を言えばダミアンはハットトリックを達成できるシーンもあったので、そこで決めていればもっと楽な展開に持って行けたと思いますが、シンプルに点を奪うという仕事を果たしたというところは花マルな出来だと思います。

またスコアで見ると、クリーンシートで試合を終わらせることができ、続く二連戦目でつけ入るスキをこの試合で露呈しなかったことはとても大きな成果だと思います。

守備対応、裏を返せば攻撃対応でもあるのですが、右SBの視来は特にこの試合戦術を意識して望んだのではないかと想像されます。

試合後のスタッツを見ても、最近ではサイド中央満遍なく、或いは右サイドに偏ったピッチの使い方が印象的ですが、この試合は久しぶりに左サイドに大きく偏りがありました。

一つは視来がいつもと比較してあまり高い位置を取らず、前への推進力を示さなかったことと、アキさんが左サイドまで出張する時間が長かったことにあると思います。

視来がリスクをかけて上がらないことで、相馬に与えられるスペースを狭くしておいて、仮に前を向かれても最初の距離感が近いのでスピードに乗った状態での対峙にならない、マークがついている状態なので頭を動かさないといけないので次のプレーまでに時間がかかり川崎の戻る時間を稼ぐといったことがうまくはまっていたのかなという印象です。

前述した通り、リスクをかけないで良くなったのは得点をとってくれた怜央とダミアンのおかげではあり、攻めながら名古屋の右サイドを同時に見るのはかなり難しいタスクだと思います。
それでも試合を通して、相馬、相馬に預けたら絶対にオーバーラップしてくる吉田、そして後半途中から左へ代わったマテウスというストロングポイントを試合を通じて消した対応は素晴らしかったと思います。

きっと視来にとってはストレスが溜まる試合になったと思いますが、鬼さんは試合後下記のようにコメントしています。

後半は3点リードしているところもあったが、ボールを持たれている時間帯もあり、改善できるところはまだまだある。
(川崎フロンターレ公式HP ゲーム記録 第22節vs.名古屋グランパスより)

残念ながら鬼さんは満足されていないようなので、どういうタスクになるのかは分かりませんが、続く2連戦目も活躍してほしいと思います。

②課題のCK
今節はCKからダミアンが得点をあげました。

振り返ると昨季、名古屋ホーム戦でも憲剛のCKからジェジエウが2本沈めているので、相性が良い相手なのかもしれません。

ちょうど前節のサンフレッチェ広島戦の観戦記で下記のように触れていました。

ニアに蹴り込んで逸らして合わせる、GKが出れないペナスポットあたりに落とす、GKの届かない軌道でファーを狙う、などなど。
(vsサンフレッチェ広島戦@等々力 4/18 『今節のポイント②不発気味のCK』より)

相手の守備の守り方もあるのでしょうが、最近ニアで逸らすやり方をあまり見ないなと思っていましたが、この試合ではシミッチがニアで逸らしたところダミアンがヘッドで押し込んでいます。

正直セットプレーでなくても流れから得点を奪えているので、この名古屋戦に向けた準備は他の試合で試すことなくずっと温めていたのかもしれません。

1試合目でCKから得点を奪ったことで、名古屋側には嫌な印象を植え付けることができたと思います。

そうなると揺さぶりのしがいがあるので、次の試合ではジェジエウ、彰悟、シミッチあたりが得点を奪えると面白いですね。

③鬼さんのコーチング
DAZN観戦をしていて、鬼さんのコーチングがよく聞こえてきました。

一つは、SNSやネットニュース界隈でも取り上げられている通り、後半名古屋のスローインでの再会時に、知念君に対して米本の背中から行け、そっちじゃない!というコーチング。

それ以外にも、前半左サイドで怜央が後ろ向きに持った際に、下げない下げないというコーチング。

大弥にも立ち位置に関したコーチングもありました。

1番印象に残ったのは、前半にあった『丁寧にやり続けよう丁寧に』というコーチングです。

言葉通り、試合を通して丁寧にやり切った結果が0−4というスコアになったんじゃないかと思います。

あとは後半右サイドをフリーランした視来に対してもナイスという言葉をかけていましたし、選手には見られているということへの緊張感だけでなく信頼感にも繋がるのではないでしょうか。

観客が入って声出し出来なのは残念ですが、こういうコロナだからこその部分を引き続き楽しんでいきたいと思います。

その他、
・ワッキーチョイスにも取り上げられたノボリからスローインを受けたいダミアンの『ノッボーリ!ノッボーリ!ノッボーリ!』
・ソンリョンのスーパーフィードやスイーパータスク
・アキさんの左サイドへの長期出張
・三笘へのスルーパスが長くなった際の『あー、ごめん!』と謝るノボリ
・シュートを枠外に外し、シュート練習待ったなしの碧
などなど、この試合は他にも見所が沢山ありましたが、今回は触れずに心の中にしまっておきたいと思います。

名古屋との連戦を2戦合計で考えると、まだ前半を0−4で折り返したに過ぎません。

残り後半の90分を臨むにあたっては、前半90分のことは忘れて圧倒し、2連勝を掴んでもらいたいと思います。

以上です。

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