vs横浜FC@ニッパツ 6/2

ACL中断前の最後のリーグ戦となりました。

A代表およびU-24世代の日本代表招集のため、谷口、視来(A代表)、碧、三笘、怜央(U-24)が不在となり、大きくメンバーを代えて臨む一戦となります。

今後のACLを見越して、そしてリーグの過密日程を乗り越えていくうえで、これまでに試合に絡むこと時間の少なかった選手、絡むことのできなかった選手たちのレベルアップが期待される試合の相手は、3試合前に顔を合わせた横浜FCです。

チーム状況の良い相手とは言えませんが、ここ数試合川崎として難しい内容の試合が続いていることと、前回対戦ではクレーべに失点を許していることもあり、難しい試合になることが予想されます。

その予想に反して、代表組のいない中でもクオリティの高い内容で勝ち切ることが期待される1戦です。

本日のスタメン

4-3-3
前節鹿島戦で後半アディッショナルタイムからの出場ながら主役となった悠を先発起用です。途中交代での怖さは言わずもがなですが、つい3試合前に顔を合わせた横浜FCに対して試合を優位に進められるような活躍を期待したいです。

また、左には竜也が入ります。同じく決勝点に結びついた三笘にはない切り返しからの右足でのクロスでのアシスト、そして自らの得点も期待したいと思います。

4-3-3
ここ数試合で中盤に優位性を持たせていた碧・怜央コンビが不在の中、先発に名前を連ねたのは泰斗と橘田です。

特に泰斗はなかなか数字という結果が残せていない現況で、五輪組がいないこの横浜FC戦で試合を決定づけるようなプレーを期待したいところです。

4-3-3
2CBは先生とジェジエウというところで全く不安はありませんが、視来が不在で右SBの先発を務めるのはイサカ・ゼインとなりました。

昨シーズン一度も出番がない中、トレーニングやトレーニングマッチで経験と自信を深めてきたのは間違いないと思います。特に、YouTubeの公式チャンネルで見られるパス練習では明らかに技術力は上がっているのが見て取れます。それを試合の中で出してチームの力になれるか、活躍を見守りたいと思います。

GK
今日も今日とてソンリョンです。前節鹿島戦での勝利は攻めては悠、守っては上田綺世との1対1を勝ち越したソンリョンのおかげと言っても過言ではありません。前回の対戦ではクレーべにヘディング弾を献上しましたが、2CBと共に安定感のある守備で無失点を勝ち取ってもらいたいと思います。

ベンチ
唯一のDF登録として神谷くんがベンチに名前を連ねました。やまむーの復帰が間に合っていたらベンチ登録があったのかどうかは分かりませんが、早々に試合を決めてベンチを温めるだけでなく試合で活躍する姿を見せてもらいたいと思います。

本日の流れ

彰悟不在の中、副キャプテンの泰斗を差し置いてゲームキャプテンはノボリが務めます。

キックオフは、悠からシミッチ、そしてゼインへとボールが渡り、リーグ戦初出場初先発の緊張を解く気の使った入り方を見せてくれました。

川崎は最終ラインからの縦パスを起点に、調子を上げてきた竜也のいる左サイドから形を作っていく一方で、横浜FCは両サイドバックの裏を狙うようなボールを積極的に使ってきます。

最終ラインのジェジエウから最前線の悠に送ったボールをワンタッチで逸らし、流れたボールに左から走り込んできた竜也が押し込み今季初得点、と思いきやVARチェックの結果オフサイド判定となります。

今節、先発の座を掴んだ泰斗が縦パスを受けてターンをして前を向いたり、前線と最終ラインの間でリンクマンとして良い役割をこなしています。

右SBのゼインを含め、右サイドでも徐々に形を作ろうとする時間帯が増えてきた37分、ジェジエウが相手の前線へのボールをカットして自ら持ち上がると、右に開いたアキさんにボールを預け、早いタイミングで入れたクロスボールがクリアミスになると、転がったボールを冷静に悠が押し込んで先制に成功し、焦れた試合の流れに一息つかせます。

その後、横浜FCが川崎に蹴らせたボールを後方からビルドアップしようとするもミスが出てピンチを迎えますが、悠は追加点を奪えず前半を折り返します。

後半がしばらく進みいつものようにボールを保持される時間帯を迎える。意識的に持たせているというよりは、選手間の良い距離感が保てずにセカンドボールの回収で後手を踏んでしまう感じ。

しかし、今日の試合ではそれを耐える力と押し返す力が光りました。66分、押し込まれた後のソンリョンのフィードを相手が跳ね返しそびれたボールが泰斗の元へ。それを胸トラでコントロール直後アウトにかかったボールを逆サイドの竜也へ展開。竜也がこれをファーへクロスを送り、詰めていた悠が押し込んで追加点の見事なカウンターでした。
(DAZN実況野村さんの、長谷川シュー!、いや、ファ!パ!が印象的でした。)

前回の試合で点を取られているクレーべに加え、伊藤翔と中村俊輔入りますが、追加点を良い時間帯と流れの中で奪えたので、少し落ち着けて試合を進めることが出来ていました。

その後は、俊輔が川崎DFの裏へ通すパスをテレビ画面外からソンリョンが飛び出してきてクリアしたり、悠に代わって入ったダミアンがGKへジョガムイトフライングプレスをかましたり、ダミアンが1vs1を決め損ねたり、アキさんがシュートを車屋先生に邪魔されて地団駄踏んだり、やっぱり1試合に1回はダミアンがオーバーヘッドチャレンジをしたりと見どころが沢山ありました。

そして最後残り一分のところで、ノボリに代えて神谷くんがプロ初出場。浮いたボールをヘディングで跳ね返したところでタイムアップとなり、2-0で勝利を掴みました。

本日のポイント

本日のポイントは、①初出場組の課題②リンクマン泰斗③CB車屋先生、の3点です。

①初出場組の課題
今節、ゼインと神谷くんがリーグ戦プロ初出場となりました。

神谷くんはラストワンプレーのところで投入で、なんとか最後ヘディングでボールを触ることが出来たので、それはそれで良かったかなと思いました。

ただ、試合展開として前後半合わせてもあと数点取って早めに神谷くんを投入できる展開を想定していたところで少し難しい内容となり、あのタイミングで投入するしかなかったという現状からはまだ計算できる存在ではないということを示唆していると思います。

また、先発出場を果たしたゼインは、前にベクトルが向いた時は視来のように鋭い出足でインターセプトをしたり、相手陣地深いところまで潜って攻撃参加をしていた印象があります。

ただ攻撃参加をした後、ボールをもらえなかった時のポジションの取り直しが遅かったり、プレーの切り替えや守備面では課題が沢山あった、というよりも視来のバックアップとして計算するのはまだ難しいというのが率直な感想です。

特に後半、苦し紛れなのか何か意図を持っていたのかは定かではありませんが、結果的に中央に放り込んだ雑なパスはDAZN解説の福田さんも思わず「雑でしたね」という評価でした。

二人とも伸びしろと言えば聞こえは良いですが、まだ課題は多くありそうで、今年2年目で爪痕をしっかり残し、遅くとも3年目では主力として活躍する姿を見せて欲しいと思います。

②リンクマン泰斗
2点目は泰斗についてです。

今節の横浜FC戦では試合を通して好調なプレーを見せていた一人だと思います。

特に2点目に繋がった泰斗から竜也へのパスは、ボールの回転やスピードなどが絶妙で、技術の高さを示したワンプレーだったと思います。(再現性があるかと言われると微妙ですが。。)

また、シミッチやCBからの早い縦パスをライン間の狭いところで受けてターンをして前を向くというプレーが効いていて、ビルドアップから入った攻撃のスイッチを繋ぐという役目を果たしていました。

「狭いところで受けてターン」というのは泰斗が得意とするプレーの一つだと思いますが、一方でそこから試合を決めるパスを出せるか、シュートを決められるかが課題と思われます。

この試合でも前半から数多くシュートチャンスがありましたが、残念ながら得点に結びつくことはありませんでした。

というのも、地を這うようなミドルを決めたと思えば、それより簡単そうなシュートを枠外に飛ばすことも多々あります。(そう意味では、悠のような選手なのかもしれません)

ただ、それを決められるか決められないかで脇坂泰斗という選手の怖さに対する相手選手・チームからの認識度が大きく変わってきてしまいます。

現在の4−3−3システムのIHだと、ゴール前に切り込んでくる両ウイング(特に左の三笘)にラストパスをという場面ももちろんありますが、自身がフィニッシュに関わる回数がかなり多いという印象です。

もう一段怖い選手に、そして今後も守田と並びA代表に選ばれるような選手になるためには自ら点を取っていける選手になる必要があると思います。

フィニッシュの精度をより意識して、後半戦には得点ランキングでのし上がっていけるような得点力のある泰斗が見られることを期待しています。

③CB車屋先生
最後3点目は車屋先生です。

今シーズン活躍の場をCBに移した車屋先生ですが、その活躍たるやバックアッパーとしてではもったいない存在となっています。

具体的なプレーはこれまでの観戦記でも触れている通りですが、1つは最終ラインからの縦パスです。

横浜FC戦でも精度の高い早い縦パスを何本も打ち込んでいて、後方から攻撃のスイッチを入れていました。

特に左利きの車屋先生が左CBをやる利点が、左足で左サイドにはもちろんですが、体の向きを少し変えるだけで右ウイングに長いボールを配給できるのが強みの一つだと思います。

また2つ目に、最終ラインからのドリブルがあります。

これまでに見られていた厳しい場面でもパスを入れようとして、それをカットされて低い位置でカウンターを受けるという状況に対して、一つの解決策として受けてが塞がれていて自分が持ち上がれるのならば持ち上がってしまおうというプレーが増えたと思います。

右CBのジェジエウは最近では1試合で1回くらいはズンズンと持ち上がる場面があり、SNS上でもサポが湧き上がる場面です。(我が家では、行った行った行った!と盛り上がります。)

車屋先生においても例外ではなく、もともと左SBでドリブルで仕掛けるというプレーをやっていましたし、ドリブルそのものにもスピードがあるので、手詰まった時の打開策として有効な選択肢を与えてくれています。

それで相手が寄せざるを得ないのであればどこか受けてが空きますし、寄せてこないのであればいけるところまで行ってシュートで終わるというところが選択肢として入ってきます。

このようなプレーで車屋先生がチームの力になっていることは間違いありませんが、素晴らしいプレーを見せていたこの横浜FC戦では試合終盤、アキさんのシュートチャンスを潰して地団駄を踏ませたというところに全て持っていかれてしまったところは否めませんでした。

以上です。

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