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【映画感想文】君たちはどう生きるか ジブリファンの50代が観たレビュー

ジブリ最高傑作のひとつ

スタジオジブリにとって、製作委員会方式を採らない初のインディーズ作品となった「君たちはどう生きるか」。

生粋のジブリ好きである妻と観てきました。

僕は長年「大人の都合等考慮しないワガママに作った宮崎駿監督作品を観てみたい」と思っていたため、その意味では念願叶った作品ということになりました。

実はこの間、近所の床屋さんで、切ってくれたお兄さんから「すごく良かった。前情報を仕入れずに観て欲しい」という、何よりも信頼できる有用な情報を得ていたので、その通り、ネットの評価等は一切事前に見ずに行ってきました。

僕の感想は「すごく良かった。もしかしたらジブリの最高傑作」

本当に、ずっと面白いと思いながら観ていました。

「例えば「オウムの大王」について、人物の背景が充分に描かれていないため行動原理が唐突に感じる」等の「崖の上のポニョ」等にも多く見られたスクリプト上の明確な不備はあったものの、宮崎駿監督作品に共通して感じる「背景描写や伏線回収等よりもアニメーションとしての演出効果の方を優先する」という、若干の難解さの魅力とのトレードオフ、というところもあるのかな、という気がしました。

鑑賞中は「家族(継母)との相剋と、それを乗り越える過程を、宮崎監督得意の異世界ファンタジーで表現している」と観ていたのですが、帰宅してしばらく経って、それよりもっと深淵なテーマ性(おそらく、宮崎駿監督の「創作」に対する考え方全般がテーマ)を持った作品であるような気がしてきました。

このように、いかようにも深読みができる余白があるのも、宮崎駿監督作品の魅力と言えるかもしれません。

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