シンクロニシティ相撲

 虎伏山と熊野龍の因果は根源たる集合的無意識下より来るものである。両者に頻発する偶然は、一般的な因果律を超越した非因果的連関の原理による偶然、即ちシンクロニシティであると解釈される。

 故に、心理学者はユングの超心理学を再考せざるを得なくなった。特にパウリ=ユング書簡は慎重に顧みられなければならない。近年の研究ではレックス・スタンフォードによるPMIR理論、及び適合行動理論が共時性理論を補完しうる蓋然性が高い。

 今回のケースにおいて、ESPとPKが明瞭に同時的かつ複合的に発生している。詳細は以下の報告を参照されたい。

 1999年10月23日、日本大相撲の力士である虎伏山(当時27)と熊野龍(当時28)は、過去に十数回、時空を越えて取り組みを行ったと証言した。双方とも、各々が所属する相撲部屋の稽古場に設置されていた鉄砲柱を利用したてっぽう行為中に、古代出雲大社に転移し神前相撲を行った述べている。この現象は10月に限られ――

【続く】

#逆噴射プラクティス #逆噴射小説大賞

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