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第1話 群衆神アダマス 闇に包まれた地下神殿に終わりはなく、ただ一つのかがり火が照らす薄明かりの先まで、御影石の床が続いている。床に刻まれた大きな円に沿って、瞳孔を開いた17人の子供たちが横たわる。足は円の外側に、頭が円心のかがり火に向いている。供物である。死んではいないが身動きもしない。それぞれ、喉元に毒鳥の尾羽根が差し込まれている。老いた神官は煙を上げる振り香炉を持ち、神々の言葉――只人には発音できぬ音と、旋律を伴った唄にも似た言葉――を低く呟きながら、供物の間を縫っ