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第6回 成長につながる人件費とは?

おはようございます、深見です。
今日は経営を考えるうえで「人件費」をどのように考えるべきか、考えていきたいと思います。
これはいわゆる給料に直結する問題でもあり、若干センシティブですが、良い機会なので考えましょう。
【今日のまとめ】
①中小企業は業績が上がると人件費(給料)が上がる仕組みを作ろう
②年功序列給与は思考停止につながる
③自分の給料を自分で決めれるくらい、経営に参加する従業員を育てたい

①業績が上がると人件費(給料)が上がる仕組みを作ろう

皆さんが働いている会社では給料はどのように決められていますか?
私が勤めていた会社では、
「職級に応じた基本テーブルに前年の人事評価を反映し・・・・」
のような形で、透明性が高いような、全く不透明なような決め方となっていました。
一言でいうと、まあ成りで給与は上がるんだなといった感触でした。

大企業では、給与決定スキームの公平性が担保されていることが第1重要事項だと思いますので上記のようになることは致し方ないのかもしれません。

しかし、私は組織が比較的小さい中小企業においては、社員の自己成長力を高めるためにも、透明性の高い業績が上がった分だけ給料が上がる仕組みを作ることで、企業の成長につながると考えています。

具体的に言うと
「固定費のXX%を人件費に充てる」
というルールを運用することです。

損益分岐点の回で説明しましたが、
●変動費→材料費や外注費
●固定費→人件費や家賃
●売上ー変動費=限界利益=固定費+利益
となっています。

人件費を「固定費のXX%」と決めることは、
●限界利益が上がれば給料が上がる
●限界利益が下がれば給料が下がる
ことを意味しています。

企業において限界利益を上げる方法は、
●売り上げを上げる→受注量を増やす、単価を上げる
●変動費を減らす→材料費を下げる、生産性(単位時間当たりの価値提供量)を増やす、外注費を下げる
ことです。

それぞれの限界利益を上げる手法は、従業員一人一人が取り組めることであり、その取り組んだ結果が給料UPにつながるとやる気が上がります。

また、企業にとっては結果的に売上・利益の拡大につながります。

このような良いサイクルを一人一人を見て作り出せるのは中小企業の強みだと私は信じています。

そのためにも、従業員との日々のコミュニケーション、情報共有が必要になるということです。

②年功序列給与と定期昇給は思考停止につながる

日本においては、非常にポピュラーである、年功序列給与と定期昇給は、従業員の思考停止につながると考えていて、存在に危機感を抱いています。

まず、年功序列給与です。
読んで字のごとく、
年功→勤続年数の長さ
序列→順番に
という意味です。
これは旧来型の大企業にとっては都合の良い仕組みです。
なぜなら、
従業員一人一人の能力を見て評価する必要がないからです。

一人一人の働きぶりを見て、評価をすることは非常に大変です。
合理的かつ妥当な成果判断基準を従業員と合意できる会社は日本には少ないと思います。
また、従業員の能力と将来的な期待値に対してどのような給与付けをするかは、ある意味不公平になりえます。
その不公平を是とする日本企業も少ないと思います。

ある意味上記のような企業自体が人財と評価に対する思考停止の状態の中で、働いていると、やはり従業員自体も思考停止に陥ってしまいます。
その結果、会社に来てネットサーフィンや社内散歩ばかりしている人が生まれてしまいます。

もちろん、この背景には、労働基準法上の課題や終身雇用を前提として新卒一括採用、また日本における大企業に対する異常なほど規範を求める姿勢など、外部環境の問題があります。

そのような外部環境に左右されづらい、中小企業こそ、真に従業員がやる気高く働ける給与設定ができると思っています。

③自分の給料を自分で決めれるくらい、経営に参加する従業員を育てたい

最後に、私は「自分の給料を自分で決められる会社」を作っていきたいと思っています。

自分の給料を自分で決めるためには、
●給料の相場観
●自社の経営状況
●自分が生み出せる利益額
をしっかりと理解しないと決められません。

そのうえで、自分で決めた給料の妥当性を社長と合意する交渉力が必要です。

そんな社員と成長する事業を作りたいと思っています。


皆さん最後まで読んでいただきありがとうございます。
今回の論点は、自分自身でも詰めの甘い部分があると思っていますが、
●成果の分だけ報われる仕組み
●従業員が経営観を持つ
ことができれば、中小企業はまだまだ発展の余地があると思っています。
今回の考えは、下記2冊の本に大きく影響を受けています。
どちらの本も非常に良い本ですので是非ご一読ください。
それでは今日からもよい人生を!!


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