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花留多唄【ゆ】ユキノシタ

 別名を虎耳草(コジソウ)ともいうユキノシタですが、私は見たことがありません。調べてみたら、北海道には咲かないようです。

 けれど、名前は知っています。何故かというと、安房直子さんの童話に登場するからなんです。『月夜のテーブルかけ』という作品には『ゆきのした』というホテルを経営するタヌキが出てきます。
 幼い頃はユキノシタという花がどんなものか想像するしかなかったのですが、白くて繊細なロマンでした。はっきりわからないほうが憧れという靄に包まれて美しく見えるもの。

 けれど、大人になって写真を見たとき、想像通りに可愛らしい花を咲かせていることがなんとも嬉しく思えました。花言葉は『愛情』『博愛』『恋心』『好感』など可憐なもの。

 ところが『軽口』『無駄』なんてものもあるんですよね。なんだか白い妖精が飛んでいるようにも見える花ですけれど、ちょっと憎まれ口をたたく生意気な妖精なのかもしれません。

文字札:夢に見ようか白い花

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