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花留多唄【ち】チューリップ

 幼稚園のとき、私は『ゆり組』でした。でも『チューリップ組』が無性に羨ましかったのです。
 今思えば百合のほうが好きなんですけれど、当時はよく花壇で目にしていたチューリップの可愛らしさしか知らなかったのでしょう。幼稚園の花壇で百合は見かけたことがなかったなぁ。
 
 育てやすいのか、それとも親しみやすいのか、花壇に植えられることが多いチューリップ。幼い頃は特に夢中になりました。小さいお子さんにも人気のある花ですね。あの花弁の形や色とりどりの色が可愛らしいし、絵にも描きやすいからでしょうか。

 その花言葉も『希望』『前進』『正直』『美しい瞳』など子どもたちの愛らしさに負けず劣らず素敵なものが多いです。

 スケッチブックとクレヨンを渡して、「お花を描いて」ってお願いしたらチューリップを描くお子さんって多いと思います。
 小さな子が両手を合わせて花の形を作ったような、そんな形の花。地面からすっと伸びた茎が凛々しくもあり、鮮やかな色は鮮烈であり、それなのにあの花の形で一気に柔らかいイメージになるから不思議。

 ちなみに『黒いチューリップ』というタイトルのデュマの小説や東城和実の漫画があり、北条司著『シティーハンター』という漫画の中にも黒いチューリップが登場します。
『思いやり』『崇高美』『名声』『神秘』なんて花言葉が似合う物語ばかりです。

文字札:小さき子の夢

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