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【個人事業主編】続く孤独。しかし僕は気づくとリーダーになっていた(前編)

○前書き
起業を機にいままでの自分の人生を振り返ってみようと思って、経験してきた伝記的なものを作ろうと思いました。起業に至るまでの五年間奮闘した完全な自己満足のノンフィクションドキュメンタリーです。無職からの這い上がりの過程を誰かの希望になれば。

2017年から現在の2020年12月現在まで個人事業主を続けています。
今回から個人事業主編です。2018年年始の頃からの話です。前回のページ。

個人事業主として生きていく。

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2017年末から僕は本格的に一人で生きていくことを決めます。
しかし、対面のコミュニケーション、そして仕事への不安は払拭し切れていません。なので、実際に企業やお客さんと対面し、提供から対価をいただくまでの工程を想像できませんでした。

どうにか一人で完結できる仕事はないかと探した結果、同人制作にたどり着きます。そして2016年から一人で制作した3DCG作品「夏姉」を完成させ、次に音声作品の制作に移っていきます。

音声作品に可能性を感じ、本格的に制作を開始する。

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いまではASMRなど音声コンテンツが一般化され、音声作品が人気になりました。そして僕のように音声作品を作り始める人たちが大量に増え、競争が激化しましたが、そのおかげで音声作品を作るライターや声優、イラストレーターの需要が高まり、彼ら彼女らの制作物の価値が跳ね上がりました。

なので、より個人でも食べていける可能性が増えていい傾向だと思います。
クリエイターの方々には今現在も、そして今後もお世話になると思うので。

僕は彼らのお陰で勝ち上がる機会を得る事ができました。

話を戻しますが、僕は2017年から始めた音声作品の制作を本格的に開始していきます。音声作品は当時、制作しているサークルの人たちはその道一本で生活をしている人はほとんどいなかったと思います。副業や趣味でささやかに作っていたような印象です。

(いまではyoutubeも音声ジャンルが盛り上がっているので、youtuber、vtuberなど音声コンテンツも出すことにより、youtube収益や音声コンテンツの販売で生計が建てられている人もいると思います。良い時代になりました。)

僕は他のサークルがささやかに作っている中、一気に制作ペースをあげていきます。生きるのに必死だったのです。

趣味の範囲で作っていた人たちに対する葛藤

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僕は趣味でいままで音声を出していたと思われる人たちを気にせず、"お金"のためにガンガン作品を出していきました。

趣味で作っていた人たちはお金はあまり気にせず、自分の作品を世に出し楽しんでもらえればと思っていた人が多かったと思います。

そうして自分のコンテンツを楽しんでくれた人達や、一緒に制作した仲間達と制作を楽しむといった喜びがあったと思います。

僕はTwitter上で、趣味として楽しんでいる人たちのツイートを見るたびにすこし胸が痛みました。僕が大量に作品を出すことによって、趣味で楽しんでいる人たちの場を今後駆逐してしまうんじゃないかと悪い予感がしたからです。

実際、僕の制作スピードは異様だったと思います。他のサークルは数ヶ月に一本出すぐらいだったのに対し、僕はチーム戦で動いていたのでひと月に多い時は二、三本出していました。事業として動いていたのです。

僕は平和だった畑にいきなりずかずかと入り込み、重機を振り回し畑を荒らしまくる感覚になりました。でも勢いは止めるわけにはいかないので、なんとか趣味で作っている人たちとも共存できないかと勝手に思っていました。

しかし、僕の勝手な楽観的予測は外れ、悪い予感は当たってしまいます。
その内容は2019年から2020年の記事で書きます。

音声作品に同人作品の売り上げを全額賭けていく。

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2018年の1月の通帳の残高を見てみたのですが、当時の貯蓄額が1万円を切っていました。先月まで50万近く貯蓄は溜まっていたのですが、どうやら一ヶ月で50万ほぼ全額外注費として賭けていたようです。

正直ギャンブルに近い感覚だったと思います。謎の高揚感があり、昂りを感じていたので。僕はギャンブルは全くしませんが、事業がギャンブルだとしたらギャンブルジャンキーです。

当時、僕は早くも一世一代の大きい賭けに出ていました。
成果はまだ少しずつゆっくりと出てきた感じでしたが、成果を起爆させたかったのです。

負けることは考えていませんでした。負けることはイコール全財産の喪失です。しかし、実家に暮らしているし、全額失ったとしても僕はお金に対して依存心はあまりありませんでした。

そして、何作品も同時に制作し、どんどんお金をクリエイターにお支払いしていきました。当時の全体の作品の出品数ですが、おそらく長編作品を一ヶ月に何本も出していたのは珍しかったと思います。(数分単位の規模が小さめの作品をほぼ毎日出している方はいましたが)

クリエイターにお金をお支払いするたびに、培ってきた資産が減っていく。商売としてはごく普通の先払い後もらいの過程ですが、いくらお金に依存心がない僕でも、残高がガンガン減っていくのを目で追うのは辛いものがありました。

そして残高が残り2,3万円になった時、支払いがラストのライターさんへのお支払いの金額が足りるかどうか不安になっていたのを思い出します。なんとかお支払いした後の残高は、8000円ほどでした。(足りなかったら親から借りる予定だった)

僕は不安な心を抱えましたが、その後すぐにペイした金額はそのまま売り上げとして返ってきて、そしてプラスとして利益も得る事ができました。僕は賭けに勝ったのです。その後も引き続きお金を賭けていくことを続けていきます。

お金や物の価値の感性は親の感性を受け継ぐ事が多いと思う。

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僕は安物買いの銭失いという言葉の意味を子供の頃から共感していました。
とは言っても子供時代のお小遣いはたかが知れているので、どうしても安物を手に入れざるを得ず、多くの失敗をしてきましたが。

しかし、僕の父親は良いものは高い金額を出しても買う。という思考の人でした。でも、普段の食料品は少しでも安いスーパーで買う人です。

僕は子供の頃、車は安全を第一に考え頑丈な高級外車をぽんと買うのに対して、買い物はスーパーを選び、少しでも安い金額で出しているスーパーで買い物をするといった徹底ぶりに疑問を感じていました。

父親に尋ねると、「良いものは高い金額を払ってでも買うのが良い」と返ってきました。普段は浪費をせず節約し、本当に必要なものがあればどんとお金を掛けるといった考え方だと思います。

僕は自然とその物の価値についての考え方を受け継いだと思います。その思考は事業にも役立ちました。

外注するクリエイターも人によって金額が違っています。簡単に話すと、経験値や制作物の品質によって金額が変わっていきます。(もちろんケースバイケースですがあくまで一例として書きました)

僕は品質重視で、良いものを作り出してくれるクリエイターを選んできました。そうするとやはりお金は嵩みます。しかし、良いものを作りたいという思いが強かったので、自然と外注費は高くなっていきましたが、結果的にいい決断だったと思います。

(今はまだ駆け出しの声優でも、当時ある程度成果を出せた事もあり業界の発展のためと恩返しも兼ねて積極採用をしていますが、その話はまた後日書きます)

長くなったので続きは後編で書きます。







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