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voices -LIVE FUN!!- SHHis特集

FUN INTERVIEW

(取材・文:蜷川)
※このインタビューは 2024 年 5 月 20 日に行ったものです。

それでは、まず最初に自己紹介をお願いします。

ふかぐん:皆さん初めまして。ふかぐんと申します。普段はパンダをやらせていただいております。シャニマス自体は事前登録のガシャからやっていて、アイマス全体としては 10 年ぐらい前に 765 プロのアニメを見たのが始めるきっかけでした。
ただ、音楽自体は別の媒体などで聴いていて、アイドルマスターというコンテンツのことはそれより前から認知はしていました。

だんろだんろです。シャニマスは僕も事前登録の頃からやっていまして、当時は果穂が可愛いなという思いでプレイを始めました。
当時はイルミネの pSSR を選択して始める人が多かったですが、僕は pSR の果穂を選んで W.I.N.G に何度も挑んだのは今でもよく覚えています。
そのまま放クラ 5 人、他ユニットへとだんだんと読み進めていってドはまりしました。その後に追加実装された黛冬優子 W.I.N.G に人生を変えられたので、以降一生冬優子にはついていっています。

☆SHHis への入り口

3周年のタイミングで追加された SHHis ですが、最初に抱いていた印象はどのようなものでしたか?

ふかぐん:まず SHHis 追加の発表が 2nd ライブのお知らせのタイミングで、『OH MY GOD』のあのイントロが流れて「なんだこのイントロは!?」となっていました。
追加ユニットが来ること自体は作中のコミュでもほのめかされていたので、既定路線のようなところはあったのですが、グレフェスの観点から3 人ユニット+ 2 人ユニットができてしまうため、2 人ユニットは来ないだろうと予想をしていました。
なので、まずはそのユニット人数・編成から驚かされました
私としては 2ndライブ が初めて現地に行ったアイマスライブだったということもありまして、ユニット追加の瞬間に立ち会ったということも自分の中では大きいです。
だんろ:僕はその発表の時に曲よりも先にイベントコミュ『明るい部屋』を彷彿とさせる天井社長のセリフや映像が流れた際の盛り上がりが忘れられませんね。
あの映像の中ではづきの関係者のようなシルエットが見えたときが個人的に一番アツかったです。
シャニマスはやはりコミュが魅力的で僕自身もすごく好きなので、SHHis に関しては、これまで 3 年間でシャニマス全体で積み上げてきたものを巻き込んだアイドルのコミュが始まるんだと思い、感動しました。
実際その期待を裏切らず 2 年ぐらいかけてじっくりと描いてくれましたからね(笑)。
ふかぐん:確かに!アイドル側で「七草」という苗字を見たいときの驚きは、本当に「これ……これどういうこと!?」って感じでしたね。
だんろ:あれはもう発狂した~~!!『明るい部屋』ではづきさんにこれまで以上にフォーカスを当てて描いた後でしたからねぇ。
ふかぐん:ライブ会場で「はづきじゃないんだ」みたいなことを言っている人もいて「『明るい部屋』読んでないのかい!読んでくれっ!」って思いがあったのを思い出しました。
だんろ:それぞれプロデュースしたときの第一印象としては、にちかがプロデューサーのお眼鏡にかなっていなかったことに一番びっくりしまして、逆にこれまでの 23 人はみんなシャニ P がアイドルとして輝けると確信した「特別」な存在だったんだなと痛感しました。
だから、ごく一般人であるにちかがどこまで羽ばたいていけるのかということに興味を持ったのと、ユニットとしてはにちかがあまりに美琴に憧れすぎている上に実力差も大きすぎて、よくこの 2 人を組ませたなとシャニ P の正気を疑いましたね。空中分解するリスクが高いなぁって。
ふかぐん:実際本当に 2 人の関係は綱渡りといいますか、組んでどうにかなるだろうと思っていたであろう関係が、うまくいかないことの方が多く描かれていたのかなとは思います。
だんろ:崩壊リスクは高いけれど、それでもその 2 人がうまくかみ合ったときの出力が高いのでそこに賭けたのかなのかなとは思いますね。
ふかぐん:今でこそ関係は落ち着いてきたように思いますが、もっと「なかよシーズ」を見させてくれって願っています。
他には、ビジュアル面だと、美琴さんに対してにちかが地味めで、さらににちかがフェス衣装になったときに髪伸びてる!?ってなりましたね。
だんろ:僕めちゃくちゃロングの子が好きなので、フェス衣装の方のにちかがビジュアル的に一番先に好きになっちゃったんですよね(笑)。
懐かしいな~~。
ふかぐん:もちろん髪型が変わることはシャニマスではそれまでも多くあったのですが、髪の長さを変えてくるのは意外でした。

次に、ライブでのパフォーマンスも印象的な SHHis ですが、それぞれのアイドル個人についてそれぞれどんな印象がありますか?

だんろ:にちかはとにかく美琴を追いかけているところも含めて自分自身に徹底的に厳しいストイックな子で、アイドルを始めて間もないながらとんでもない成長を遂げているとは思います。
SHHis の「じゃない方」と評価されることもありますが、他ユニットのアイドルと比べると明らかににちかの方がレベルが高い描写が実際多くあります。
SHHis のパフォーマンス面での違いとしては、美琴が割と落ち着いた声なのに対して、にちかが明るくきらびやかな印象があるので、宝石もモチーフとしている SHHis を引っ張っていく存在としてはにちかが適所なところがあるのは無二なところだと考えていますね。
一方で美琴は幼少期からの徹底的な鍛錬による、ある種機械ともいえるパフォーマンスができることがよく描かれていて、『セヴン#ス』で改めてにちかが美琴のパフォーマンスの旨さを実感するシーンは印象的でした。
ただ、芸術家というよりかは職人肌のような気質だと思っていて、自分が必要な技術を身に着けることへの執着はすごいですが、自分にとって必要と思わないことに対しては本当に無頓着なのがまさに美琴、と思わせてくれる側面ですかね。
ふかぐん:だんろさんが全部しゃべっちゃったな……。にちかは笑顔が可愛くて……。美琴はキレがあって……。
もう少しちゃんと喋ると、リアルライブの方での最初のパフォーマンスが 3rd 福岡だったんですけど、特にその DAY1 の方の紫月さん(七草にちか役紫月杏朱彩さん)がもう画面越しで観るだけでわかるレベルでバチバチに緊張していて、山根さん(緋田美琴役山根綺さん)と見比べた際にキャリアの違いもあって本当ににちかと美琴みたいだなって思ったんですよ。
意図せずしてそういう再現になっていたのかなとは思うのですが、リアルとシンクロしている部分はあるなと感じましたね。
コミュだけでなく、リアルのパフォーマンスでも美琴は美琴らしさ、にちかはにちからしさの表現をすごく苦心されているということも各種媒体で見受けられるので、細かい表情管理の部分からどうステージを作り上げていくのかということへの追及心はシャニマスの中でも特に強い方なのかなと思います。
あとは、昔はにちかの美琴に対する独占欲みたいなものを感じたのですが、最近はあまりそうじゃないのかな、美琴さんは私のところに帰ってきてくれるみたいな余裕みたいなものが感じられるのもパフォーマンス面での成長も含めて、にちかの成長の結果なんじゃないかなと想像しています。

SHHis 楽曲の魅力や「こういうときに聴きたい」といったシーンがありましたら教えてください。

ふかぐん:日常的な話からいくと『OH MY GOD』を一時期目覚ましソングにしていまして、たいていの人は目覚ましソングにするとその曲は嫌いになるんですけど、イントロが流れ始めて「Yeah」のところで一緒に起きるっていうのですごく重宝していましたね。
だんろ(笑)おもろ。
ふかぐん:まあそれはそれとして……、放クラみたいにいきなりフルスロットルってわけではなくて低いところから徐々にテンションを上げていく曲が多いので、気合を入れるときとかギアを入れたいときに聴くことが多いですね。
普段の仕事のときとかで気合入れるシチュエーションだと、あまりにもポップな曲を聴くと明るめになりすぎちゃうので、ちょっと真面目な雰囲気というかしっかりとかっちり目な雰囲気が必要な時には SHHis 楽曲の色というか温度感が自分にはちょうどいいです。
楽曲そのものについては、やっぱりしっかりとサビで盛り上がってくれるところが聴く際のわかりやすさというか受け入れやすさ、気持ちよさみたいなものはあると思います。
楽曲発表時にも K-POP っぽいという話はいろいろなところでされていたかともいますが、ユニットのジャンルとして K-POP っぽいアイドルソングというものがこれまでアニメ・ゲームのなかであまりなかったと思うので、それをこの界隈にストレートに盛り込んでくることへの意外性はありました。SHHis の曲を聴いて今から 10 年ぐらい前に KARA や少女時代をよく聴いていたことを本当に久々に思い出したんですよね。
この企画に参加するにあたって、当時聴いていた曲もいろいろと聴き返していまして、SHHis の楽曲としてはより少女時代に近いのかなと感じていまして、それこそ『Happier』みたいな曲もあったりするので、こういう軽めのポップ調も K-POP の文脈だなという印象は最初からブレていないです。
そういった K-POP への個人的な体験があるのもあって、どこか懐かしさを覚えるシーンもよくあります。
だんろ:ふかぐんさんとは違って僕自身の音楽遍歴ではほとんど、一切と言っていいぐらいこういった K-POP 的なところを通ってこなかったんですよね。どちらかというとクラシックの曲ばかり聴いて育ってきて、カラオケで歌える曲も童謡と六甲おろしぐらいしかなかった人間なので。
ふかぐんwwwwww(笑)
だんろ:で、そこからアイマスにハマったので、SHHis みたいな曲が「データにない」のような感覚で受けざるを得なかったんですよね
こういう曲の楽しみ方や聴き方がわからなくて、とりあえずノるというぐらいでついていく形でした。
ふかぐんさんがテンションを上げていくために聴くと言っていましたけど、僕は真逆で気持ちが高い時にキープをするために聴くことが多いです。
ゼロから上げていく場合にはストレイをよく聴きますね。
また、このユニットが 2 人であることを活かした歌割になっていることも SHHis 楽曲の印象的なところで、代表的な曲としては『Fashionable』のイントロ・アウトロのコーラスのように当たり前のようにハモったり、片方が歌っていてもう片方が伸ばすような歌割も多く、歌唱の面でもそれぞれが踊っているというのも好きだなと思っています。
少し音楽的なところに踏み込むと、採譜をしていて思うのはコード進行がほとんどない曲が多いなと感じるところがありまして、『OH MY GOD』や『Fashionable』なども同じコードをひたすら繰り返す構成になっていて、クラシックで育ってきた人間としてはコード進行のお洒落さで勝負する側面がないクラブ音楽の楽しみ方みたいなものを SHHis から学ばせてもらったというのは少なからずあるかと思います。
ふかぐん:ストレイもかもしれないですけど、だんろさんの音楽観みたいなものをぶっ壊すような「悪魔の音楽」みたいな印象はなかったんですか?
だんろ:いやいやいやいや(笑)、何なら親からはちゃんと J-POP とか聴きなさいってよく言われていたんですよ。あまりにもクラシックに傾倒しすぎた結果、中学生の頃に親が心配して M ステを強制的に見させるみたいな時期もそこそこ長く続いていました(笑)。なので嵐の『Monster』やいきものがかりの『ありがとう』、あとは K-POP だとそれこそ少女時代とかの時期の曲はわかるんですよね。
でもなんだかんだで大学でオーケストラに入ったらクラシック側にまたのめり込んで、その後にアイマスに入って揺り戻しって感じですね。

初めて SHHis の曲を聴く際のオススメの曲はありますか?

ふかぐん:やっぱり最初は『OH MY GOD』から聴いてほしいですね。
他のゲームの曲も聞いたりするのですが、曲から入ったり、曲だけ聴くみたいなコンテンツも多くあるんですよね。SHHis のユニット発表のタイミングもそうでしたけど、SHHis がどんなユニットなのかを紹介する曲でもあるともいますので、そういう観点からも『OH MY GOD』には初めて聴く際に適しているかと思います。
今回のインタビューにあたって、ソロコレや Off Vocal も聴き直したんですけど、にちかソロだと少しか細いというか線の細さみたいな印象も感じられて、美琴がいることで一体感やグルーヴ感が加わって重厚感のあるしっかりとしたものになったように感じて、声も含めて曲全体での盛り上げるポイントへの誘導がすごくしっかりとされているので、単品としての充実感としてもこの曲は入門としても良いかと思うので、この曲から聴いてみるといいと考えています。
だんろ:僕は単純に自分がこの曲きっかけでより SHHis を好きになったというのはあるのですが、『Fashionable』が最初の曲としてはオススメだと思っています。SHHis の良さとしてイントロやアウトロの 2 人の無伴奏コーラスがあると思っていまして、歌唱面でも様々なところでにちかの成長がすごく見えてきているころがおすすめポイントです。シャウト気味に歌うにちかの出力が上がってきている部分に成長を感じながら苦しさも感じるところにが2 年目時点でのにちかをよく表しているので、一連のコミュを読んでいく中での中間点としてこの曲があるという見方も初めての方にはできるのかなと思いますね。

☆「シャニマスのユニット」としての SHHis の魅力

シャニマス全体の流れも含めて、楽曲からはあまり感じられない SHHis の魅力はどういうところにありますか?

だんろ:まず間違いなく言えることとしては、3 年間に渡って描かれているにちかと美琴の関係性の進展があると思いますね。事務所だけでなくシャニマス世界全体を巻き込んだ壮大な物語が紡がれ続けているので、これがシャニマスの思想の根源というか、これがやりたかったんだろうなという強い意志を感じます。
ふかぐん:ソシャゲって常にサービス終了がチラつく中でこれだけ時間をかけて一本筋通した話をやるぞっていうのを実際にできるのはブランド力というか IP の盤石さを感じますよね。
だんろ:そういう裏方事情的なところだけでなく、シャニマスの中の雰囲気づくりとしても、最初の 16 人だけの頃にしっかりつ積み上げてきた 1 年間があってこそというのはシャニアニからも改めて感じるところではあります。そこからの繋がりがあってこその今のSHHisと思うと、また違う景色が見えてきそうですね。
ふかぐん:SHHis 内でのコミュでは最初のサポート SSR【A】とそれぞれの W.I.N.G や『ノー・カラット』には温度差というかギャップがしっかりとあって、そこに当時なりの考察の余地みたいなものを宿題のように出してくれていたのはやり方としてうまかったのかなと思います。

【A】緋田美琴

ふかぐん:加えて楽曲とのギャップでいうと、必死さや生意気な部分は曲からも感じられると思うんですが、にちかのいじらしさというか可愛らしさのようなところや、どこかギャグマンガの世界線に生きているようなところもあると思うので、そういったところを色々なコミュやコンテンツから味わってほしいです。美琴の方は無垢さ、……言葉を選ばないでいうと赤ちゃんじゃないですか、もう。そのあたりとかも SHHis を味わう上で欠かせない要素だと思うので、より多くの人にそういった側面も見てほしいです。
それぞれの可愛さとかは『Happier』からも感じられるかもしれないですけどね。可愛いんだよな、SHHis……

コミュと合わせて読みたいコミュはありますか?

だんろ:そうですねぇ……、何の変哲もない、面白みのない回答になっちゃうのですが、やっぱり『セヴン#ス』の最終盤、にちかが美琴の手を取るシーンと『Fashionable』が重なるんですよね。あの瞬間に歌詞の意味合いがガラッと変わるなと感じるところがありまして、中盤にも一度『Fashionable』が流れはするのですがそこからさらにまた一段変わっていくのが印象的です。

ふかぐん:そのシーンに対しては、SHHis 楽曲ではなくなってしまうのですが 6th 横浜の『Aniversarry』もずるかったですよね。『Aniversarry』自体は他のユニットにも歌ってほしいなとは思っていたのですが、よりにもよって SHHis か……!って頭抱えてました。
だんろシンプルに火力が高い
ふかぐん:次はコメティックに『Aniversarry』を歌ってほしいなぁ……。いつになるかなぁ……。
だんろ:何年かかるかなあ……。
ふかぐん:私のオススメのコミュとしては、シャニソンで『Happier』と一緒に実装されたイベントコミュ『メイビーラブ・オクターブ』と、曲の方は『Happier』ではなく『SWEETEST BITE』を一緒に聴いてほしいです。
ひねくれた人間の推薦という自覚はもちろんあるんですが、『Happier』は恋する女の子の曲なのはコミュ中でも語られているのですが、その歌詞と『SWEETEST BITE』の歌詞を見比べると同じ「恋をする二人」を歌っているはずなのにこんなに違うんだという発見があって面白いのかなと思っています。

メイビーラブ・オクターブ

だんろ:あのコミュのにちかは本当ににちにちしてよかったですよね。にちかの妄想内の美琴すき。
ふかぐん:時系列を考えるとおそらく『not enough』より前のような印象を受けるので、今後 enza 側のイベコミュや CD とシャニソン側との時系列がどう組み込まれていくのかにも時系列のオタク的には注目ですね。
あとは初心者向けというか原初に立ち返るとしたら、まあ『ノー・カラット』と『OH MY GOD』は外せない、というか避けては通れないというのが表現として正しいかもしれないです。あれももう 3 年前かぁ……、今から振り返るともうシャニマスの歴史の折り返し地点ぐらいなんですね……。

印象に残っているライブのパフォーマンスを教えてください。

ふかぐん:パフォーマンスとしてはクリパ(THE IDOLM@STER SHINY COLORS Xmas Party -Silent night-)の『OH MY GOD』ですね。SHHis 1 年目で、有観客は 3rd 福岡に次いで 2 回目の公演でした。283 フェスでの披露もあった後ではありましたが、やはり生で観たときに「やっぱりこの 2 人は SHHis だ……」と思わされるような説得力があったといいますか、美琴は美琴だし、にちかはにちかだと思わされました。
楽曲とコミュでの印象の違いみたいな話もこれまでしてきましたが、楽曲から入った人たちが思い浮かべる SHHis がまさにこれなんだろうなというのが体現されていたんですよ。にちかが「じゃない方」みたいな扱いを当初されていたということもだんろさんが言及されていましたけど、あれ見て「じゃない方」とは言えないだろって。
だんろそう!ほんまにそう!!
ふかぐん:もうクリパの頃には 3rd 福岡のような緊張は一切感じられず、月並みな表現にはなってしまうのですが、まさに仕上がっていて SHHis になったなと感じるパフォーマンスでした。……まあ、あとはクリパの DAY2 に思い出が詰まりすぎてて。ぐぐぐぐぐぐ……。(※神様は死んだ、って初披露。現地チケットなし。)
だんろまあ、あれはずるいわ(笑)。
僕はパフォーマンス面では特定の公演の話をする前に質の平均値が他のユニットと比べて頭抜けて高いと思っていまして、だからこそそのパフォーマンスをシャニマスを知らない人にもしってもらう瞬間が楽しいというか、そういうことに喜びを感じるんです。
そういう意味では異次元フェス(異次元フェス アイドルマスター ラブライブ!歌合戦)もいい機会・ステージだったなぁと思いますね。それと近いところはあるのですが、去年のアイマス合同ライブ(THE IDOLM@STER M@STERS OF IDOL WORLD!!!!!)のときに 2 ユニットが片方ずつ入れ替わりながらメドレー的に進行していくゾーンがありまして、SHHis の動きが明らかにすごすぎてやっぱりこの 2 人はとんでもないんだなと背筋が凍るぐらい思わされたのは衝撃的でした。
ふかぐん:比べられるみたいな話ですと、5th で SHHis が男性ダンサーを付けてパフォーマンスしていても全くキレが劣っていなかったのがすごく印象に残っていますね。まずアイマスのライブで異性のダンサーを入れることがおそらく初めてで、プロのダンサーを入れても一切そんなことを気にさせない地のパフォーマンス力みたいなものの高さについては言われてみてやっと気づいたところがありました。

外部の人に見てもらう、という話ですとなかなか TIF(TOKYO IDOL FESTIVAL)で完全体の SHHis を見せられていないというのが心残りですよね。

だんろ:TIF なァ~~……。
ふかぐん:ああ~~……。
だんろ:ほんま呪われとる。

※編集註)本インタビューから約 2 週間後、SHHis の TIF 出演の情報が公開されました。

ふかぐん:SHHis のパフォーマンスって常に更新されて、常に今その瞬間が最高ってところがあるので、見てもらうのは対バンも含めてですけどいつでも今すぐに見てほしいですよね。これを女性声優がやってるんですよ、って。
だんろ:いやほんまにそう。レベルが高すぎる。
ふかぐん:リアルアイドルのライブ映像もたまに見たりするんですけど、遜色ない、なんなら SHHis の方がパフォーマンスいいよなってところも全然ありますからね。あと最近学マス(学園アイドルマスター)をやっているからかもしれないんですけど、ヒールを履いてダンスをするってことの難しさをとんでもなく実感を伴って叩きつけられているところがあるので、それを SHHis の 2 人が平然とやっているのを見てなんなんだ……ってなりますね。
バケモンを産んじまったのかもしれねェ……。
だんろ:歌がまずスゴイのに、それをあのダンスに乗せるってのがすさまじいですよね。回を重ねるごとに声量を増していたりと、毎回これで完璧だろって思っているクオリティなのにまだまだ伸びしろを叩きつけられるのも異様だと思います。
ふかぐん:声優のアイドル化・マルチタレント化が進んでいるのはもちろんそうなのですが、それにしてもあそこまで要求されてそれをこなせてしまうのがね……本当に恐ろしい……。

パフォーマンスの成長・クオリティも著しい SHHis ですが、当初と今を比べて感じる違いはありますか?

ふかぐん:単純に場数を重ねていったことも大きいかとは思うのですが、にちかについてはパフォーマンスが全体的にこなれてきたのを感じると、美琴は神から人になったではないですけれど、柔らかくなってとっつきやすくなったかなと思います。遊びがあるというか余裕があるっていう感じですね。最初の頃は 2GB の USB メモリに 1.99 GB まで詰め込んでいたけど、今は 200 MB ぐらい余裕がある、みたいなイメージでしょうか(笑)。
楽曲では変わらず超然とした存在として輝いているのですが、ライブでのパフォーマンスでは最近はただそれだけの存在じゃない美琴らしさみたいなものも出ているんじゃないかなと感じています。こういうところが残りの 200 MB にしっかりと詰められているのが最近の美琴なんだろうなと思っていますね。
だんろ:ふかぐんさんも言っていたことではあるんですが、にちかの歌い方がこなれてきたのは違いとしてすごく大きく感じるところですね。1 年目のときは歌詞と音程を追いかけるのに精いっぱいなように聴こえていたんですが、『Fashionable』からは遊びの部分も見えてきたのと、"CANVAS" になるとそもそもの声量が強くなってきただけでなく、上から支配するような圧倒感のある歌い方を感じるところがあります。美琴も美琴で最初は熱が感じるもののその熱はどちらかというとこうしたら熱があるように聞こえるだろうという技術的なものだったのが、最近の曲だと感情を持った熱を帯びているような歌い方になっていると思いまして、これに関してはどこまで演者側が意識しているのかわからず、実際一緒に成長しているところはあると思うんですが、めちゃくちゃストーリーに沿った歌い方の変化をしているなと感じています。楽器とかもそうなんですけど少人数のアンサンブルをやっているとだいたい 2~3 年した頃からお互いの音色の特徴を無意識的にわかるようになってきて、それに対してさらに各々がどうしたらいいかを調整し始めるんですね。そういう感じのものが SHHis でも起こっていて、最初からクオリティは高かったのですが、今はそこからさらに上の境地にいるのかなと考えています。時間こそがモノを言うのはアイドルや音楽に限らず感じることは多いですが、特に SHHis はその特性が一番強く出ていると思いますね。
ふかぐん:サポートコミュの方でもだんだんと目線があっていくのがいいですよね。目線の高さだけじゃなくそもそも最初は見ている方向も違って、それを時間とともに向き先も高さもあってきて、まさにそれが SHHis って感じで……いいよね!今の SHHis って『ノー・カラット』の 2 つの 0 だったものが重なって一つの〇になった形だと思うんですよね。SHHis のテーマとして宝飾品があるじゃないですか。丸の宝石としてやはり代表的なものは真珠で、真珠は完全な球体に近いもので神の比喩としての意味もあると思うので、『not enough』で 2 つの丸が重なっていった完全な状態というのが今の SHHis なのかなとは思います。最終的には二人の間には言葉はいらない関係にこれからなっていくのかなと期待しています。今はまだまだその段階ではないのでね。
だんろ:当初は明らかに同じとは一切言えないような立ち位置からこんなところまで今現在来たんだなと思いますね。紆余曲折を乗り越えて、上と下が明白だった 2 人が隣同士で並び立つことができるようになった、当初思い描いていた理想形を体現しているのかなと思っています。

これまでの話を総合して、改めて SHHis 楽曲の魅力とは何でしょうか?

だんろ:徹底的に洗練された高い実力を持つ 2 人のアイドルによるパフォーマンスのクオリティの高さ、そして紆余曲折を経て息がピッタリなり完璧に調和することにより見えるようになった世界かなと思います。なんかさっきからこれしか言ってないですけどね(笑)。あと面白いと思うところとしては、3 人以上だと良い意味での距離感をもってステージに上がるかなと思うんですけど、2 人だとその精神的な距離みたいなところが完全にくっつくんですよね。それができるのが 2 人ユニットの強みだと思っているので、それをきちんと体現して浴びれるのが見る側として楽しいなと思います。
ふかぐん:私もさっきと言っていることは変わらないんですけど、やはりサビでの解放感というか気持ちよさが楽しめるような楽しめるような楽曲になっているかなと思います。それに加えて、K-POP かつアニソンライクなところもあるので、単純なサウンドの強さだけではない耳なじみの良さもあって一方的に浴びせられるだけじゃない親和性のようなものもあるのかなと。あとこれは少し贅沢な話なんですけど、ソロバージョンはソロバージョンでの良さもあるので、オリジナルと各ソロ 2 パターン、そして Off Vocal で 4 度味わえるところが他ユニットと比べて私自身 SHHis には少し強く感じるところではあります。

これからの SHHis にこうなってほしい、こういう楽曲を歌ってほしいという願いを教えてください。

だんろ:僕は SHHis の楽曲分野に疎いのでこういう曲が来てくれたらみたいな予想はできないんですけど、とにかくにちかと美琴の 2 人には一生幸せでいてほしい、これに尽きますね。以上です。
ふかぐん:それは本当にそうで、幸せって自分の中にしかないと思うので、にちかと美琴がそれぞれ思う幸せを体現してくれたらなと思います。
にちかのコミュの中で幸せへの追求はずっとやっていることだとは思うので、それが今後さらに実を結んでほしいなという願いはありますね。それでいうと 283 プロと社長の話は SHHis も大きく絡んでいるところもあるので、「家」といいうテーマとにちかの【一億回めくらいの、その夏】の青い鳥というテーマがあるので、これから 283 プロの中でにちかには幸せを見つけてほしいなと思います。楽曲の方では K-POP とアニソン文化の融合点の一種の結論まで来ていると感じているのですが、今後もそこを突き詰めてさらに深めてほしいです。

【一億回めくらいの、その夏】七草にちか

ミュージックレビュー


L@YERED WING

OH MY GOD
作詞:Co-sho 作曲:小久保祐希、Eunsol(1008) 編曲:Eunsol(1008)

低音ブラスセクションを用いたインパクトの強いイントロから、突き抜けるような"Yeah-yeah"のハモりで華やかに幕を開ける。間奏部、静まり返ったタイミングでの「シー」はユニットロゴデザインにも表れており、SHHisの記念すべき第1曲目にして、SHHisを強く象徴する楽曲といえる。

text by だんろ

Fly and Fly
作詞:Co-sho 作曲:Kohei Yokono、小久保祐希、JUNE 編曲:Kohei Yokono

OH MY GODと打って変わり軽快なサウンドで始まる楽曲。Cメロ「ありのままの私じゃないと 私じゃないわ」はSHHisの2人が最初に直面する課題であり、まだ見ぬ青空へ、光を掲げ、羽ばたいていくSHHisの門出の楽曲といえる。ラスサビのにちかのshoutは必聴。

text by だんろ

PANOR@MA WING

Fashionable
作詞:Co-sho 作曲:Stand Alone、小久保祐希、YHEL 編曲:Stand Alone

SHHisのストーリーを読み進めるにつれ歌詞の味が何重にも変化し、輝きも増していく魔法の楽曲。にちかと美琴の無伴奏コーラスがこの上なく美しい。サビ終盤のWow wow wow…の立てノリが楽しい。「なりたい姿はこんな私でしょ」のにちかのshout。と曲そのものの魅力も多数。5th Day1は必見。

text by だんろ

Bouncy Girl
作詞:Co-sho 作曲:石黑剛、常楽寺澪 編曲:石黑剛

それまでの3曲と打って変わり、楽器ではなく電子的なサウンドによる伴奏が特徴的な1曲。にちかと美琴の息の合った歌唱パフォーマンスは、2人の特有の関係性の進展も感じさせる。頭を空にして五感で楽しみきることができる楽曲であり、SHHisの一つの到達点といえる楽曲。

text by だんろ

“CANVAS”

Forbidden Paradise
作詞:Co-sho 作曲:小久保祐希、Eunsol(1008)、YHEL 編曲:Eunsol(1008)

どこか怪しさを感じる雰囲気のこの曲はまさにふたりの秘密の楽園を示していると言えるだろう。禁断の果実を食べたアダムとイヴは楽園から追放され、死すべき運命を抱えながら厳しい世界を生きていく、”アイドル”という禁断の果実を手にした2人の行く末はどうなるのだろうか。

text by ふかぐん

SWEETEST BITE
作詞:Co-sho 作曲:小久保祐希、YAGO 編曲:YAGO

蛇の求愛は互いに甘嚙みをして互いの体に跡をつける。耳に絡みつくようなメロディが離れないこの曲で”SHHis”という解けることのない魔法にかかって夢中になってほしい。奈落から上がった”熱”を、”味”を、知って溺れてしまった2人はどこまでもお互いが食い合うように、研磨して沈んでいく。

text by ふかぐん

White Story
作詞:Co-sho 作曲:YUU for YOU、常楽寺澪 編曲:YUU for YOU

ふたりが描くSHHisというひとつのキャンバスに色とりどりのメロディとにちかと美琴の声の光陰がきらめく楽曲。ふたりが歩んでいく先を早期させるように後半になるにつれての盛り上がりによって希望と光に満ちていく。キャンバスの上で2人は混ざり合い輝きに満ちていく。

text by ふかぐん

Song for Prism

Happier
作詞:Co-sho 作曲・編曲:YUU for YOU、Ryosuke Matsuzaki

”SWEETEST BITE”とは違いライトでガーリッシュなナンバー。ふたりの掛け合いが非常に可愛いらしく甘くてとろけてしまういそうな耳心地がすばらしい。そしてこの曲の魅力を語るうえで外せないのは、そんなふたりのダンスだろう。ラストふたりのポーズは必見。え?まだ見てないんですか!?見てくださ(文字数

text by ふかぐん


ありがとうございます。ありがとうございます。ただ感謝の言葉しか出てこない