#274【連載小説】Forget me Blue【画像付き】
二分位じっとしていたが、イチは気を取り直すとさっさと洗濯物の残りを取り込み、自室へ運んで畳み始めた(夜は佐村が布団を敷いているスペースでやった)。すると暫くして祖父が帰宅して、それから十分もしないうちに佐村と未央が帰って来た——丁度最後の一枚を畳み終えたところだったので、階段を下りてリビングへ戻った。
「あっ、兄ちゃん! ただいまー」
「イチ、ただいま!」
「おう、お帰り、二人共」
イチは何でも無い風に挨拶を返したが、本当は今直ぐに佐村の腕の中へ飛び込みたかった。けれども