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「劇画 ヒットラー」を読んだ。

 「アルトゥロ・ウイの興隆」の予習のため、水木しげるの「劇画 ヒトラー」を読んだ。
 ヒットラーとはどんな人間であったのか。
 オーストリア生まれの浮浪者。芸術家を目指し、美術大学を受験するが失敗。働くのがイヤで浮浪者にまで落ちぶれるというのがヒトラーの原点である。
 その後、芸術的画家を名乗るが、絵画の方面では芽が出ず、軍隊に入って出世する。勇敢ではあったようである。
 30歳のとき、ドイツ労働者党に入党したのが転機となり、わたしたちの知る「ヒトラー」が生まれていく。弁舌の才能でのし上がり、世界恐慌のなかで勢力を伸ばす。
 ヨーロッパ相手に領地を拡大しているうちはよかったが、ロシアを相手にしたとたん、無理がたたってしまった。イギリスのチャーチルを甘くみたのも祟った。
 水木しげるさんはあとがきの中で書いている。
「当時十八才くらいだった私はヒットラーに酔っていた。(中略)やたら右手を上げては戦争に勝っていたが、無理な戦争だったとみえて最後は自決だった。人間あまり無理をしちゃあいかんネ。」

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