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凄い映画「グラン・トリノ」を観た。

 私はパソコン以外の機械類はてんでダメで、うちのハードディスクレコーダーは妻の管轄下にある。テレビ画面に映るあの細かい番組表をみると頭が痛くなる。
 いま、テレビで流れる主な映画はぜんぶ録画してあるようで、レコーダーのメニュー画面が名画座のようになっている。
「今日はなに観る?」
「愛とか家族とか言ってるのはイヤ」
 ということで、クイント・イーストウッド監督の「グラン・トリノ」(2008年)を鑑賞。
 映画は大きな密室である映画館で観ないと集中できないと思っていたが、大間違い。映画に力があれば、リビングのテレビ画面でも食い入るように見入ってしまう。
 頑固で差別的な退役軍人と隣に引っ越して来たモン族の家族の話だ。ディテールが魅力的で、ゆったりした進行なのに飽きさせない。弱気な青年タオを散髪につれて行くだけのエピソードがとてつもなく魅力的だ。
 ラストは当然そうなるだろうなと予感はさせつつも、戦慄の画面作り。
 血を分けた家族とは疎遠になりつつも、新たな家族を得た主人公は幸せだった気がする。

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