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深作欣二監督の「柳生一族の陰謀」を観た。

 Amazon Primeに「柳生一族の陰謀」があった。
 NHKのドラマ版と比べて観ると、いろいろ興味深い。映画版はやはり重厚だ。大スター、萬屋錦之介の演技が重いせいだろうか。
 Wikipadiaによると、深作欣二は現代的なアップテンポの時代劇を狙っていたが、「萬屋錦之介は陰惨な所業を司る自分を笑い飛ばしてくれと言わんばかりの過剰すぎる一世一代の大見得芝居を貫き通して、監督と衝突した」とある。たしかにあのシーンだけ大仰にやると浮くもんなー。
 NHK版では柳生宗矩がただひたすら非情な悪役に徹しているが、萬屋錦之介は結果的に悪といった感じを醸し出しており、さすがだなと思った。
 二代目将軍である父親を殺した犯人と手を組み、弟に詰め腹を切らせて将軍職を手にする徳川家光を演じた松方弘樹が素晴らしい。顔に火傷かなにかの跡があり、どもり癖がある。コンプレックスの固まりのような三代目をよく描けていた。
 また、ハヤテを演じた真田広之が若くて驚く。なんせ42年前の映画だ。すごい二枚目だったのね。

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