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神田松之丞、新春連続読み。2日目。

 1日目はこちらも緊張して一心に聴いていたが、2日目は緊張もとれ、畦倉重四郎の悪が染み入るように入ってきた。
 本日は「金兵衛殺し」(5話目)、「栗橋の焼き場殺し」(6話目)、「大黒屋婿入り」(7話目)、「三五郎の再会」(8話目)の4話。
 6話目と7話目の間で中入りが入る。1話ごとに袖に出たり入ったりはあるが、ほとんど2時間語りっぱなし。すごい体力、精神力だと思う。
 畔倉重四郎は「握手をするように人を殺める」極悪人。その本領発揮が5話と6話。金貸しの賭場ですってんてんにされる重四郎。帰り路を狙って、金貸しを殺して金を盗む。匿ってくれた生臭坊主も殺す。金貸し一家の用心棒を皆殺しにし、焼き場で骨として散骨してしまう。「また消えちまったなあ。人は死んだらどこに行くんだろうなあ」という一言が、シリアルキラーぶりを表現していて見事。
 後半の7話では色男ぶりを発揮して、脇本陣の2代目主人に収まり、仏の重兵衛と呼ばれることになるが、ここでも殺人を犯す。
 とにかく殺しまくって2日目は終わった。

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