猫騒動。

　びす（オス、5歳）がエサを食べなくなった。
　以前にも口内炎ができて食欲がなくなったことがあったが、今回はより深刻な感じ。なにをあげても一口しか口をつけないし、排便も細くなった。
　妻は「私が気づけてあげられなかったー。きっと猫エイズだ」と言って大泣き。
　これまで飼っていた猫を二匹、看取っている。どちらも最後は食欲がなかった。そのトラウマが大きいのだろう。
　いますぐ近所の獣医に行くというのをちょっと待ってと言って、一緒にタクシーに乗って、浜田山の赤ひげ先生を訪ねた。夕方の診察は5時半からだ。
　先生は口の中を見て「口内炎はないね」とおっしゃった。猫エイズでもないという。
　結論としては、食欲のなさはびすのわがままだった。
「猫はエサに飽きるからね」と先生。
「でも食べないんです」
　というと、缶詰をあけ、紙のスプーンでエサを口の横から押し込む。すると、もぐもぐ食べるびす。
「ね、心配ないでしょ。おなかが空いたら食べるから大丈夫。体力もあるし」
　安心感と缶詰をいただいて、ありがたく帰宅した。