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プーチン大統領、米DS浅知恵を外交力で撃破!?

2023.10.24

https://www.youtube.com/watch?v=qqnmCm1e-BA

■  バイデンの思惑とプーチンの一撃

ハマスのイラク侵攻から20日近く経過し、そろそろ進展が見えてきた。ハマスのイスラエル侵攻で、バイデン大統領がアメリカ共和党右派のイスラエルと仲の良い福音派に揺さぶりをかけている。特にトランプ支持の議員が多いと言われるMAGA議員(make America great again)に、ハマスにイスラエルを侵攻させて、イスラエルに支援金を出す代わりに、ウクライナの支援金をセットにする提案を、オバマの言いなりでバイデン大統領はしている。

そこにロシプーチン大統領が一撃を加えてきた。

ロイターの本日10月24日午前のニュース
『アルメニア・アゼル外相がイランで協議、「主要問題解決」とロシア』
アルメニアとアゼルバイジャンの外相は23日、イランの首都テヘランで協議を開いた。係争地ナゴルノカラバフをアゼルバイジャンが攻撃して支配を固めて以来初の協議で、主催国イラン、ロシア、アゼルバイジャンと同盟関係にあるトルコの外相も出席した。

タス通信によると、ロシラブロフ外相は、ナゴルノカラバフがアゼルバイジャンに属しているとの見解で双方が一致しているため、紛争はおおむね解決しているとの認識を示し、和平合意や国境画定など実際の手続きがまだ残っている状態だと述べた。

外相らは共同声明を出し、地域の国々について領土の一体性を尊重することで参加国が合意したと表明した。

イランのアブドラヒアン外相は「部外者」が入ると問題が解決するどころかさらに複雑化すると指摘、米国や欧州連合(EU)が念頭にあるとみられる。

アルメニアとアゼルバイジャンが長らく喧嘩をしていた。アゼルバイジャンの中にナゴルノカラバフと呼ばれる地域があり、そこはアルメニア系の人がたくさん住んでいて独立するとしていたのだが、ついに決着がついてアゼルバイジャンのものだと幕引きをしたということである。

長年ずっと揉めていたのだが、急にプーチン大統領が出てきて一気に幕引きをした。

アメリカが茶々を出してきた。

時事通信社9月11日のニュース
『米アルメニアが合同軍事演習=「同盟国」ロシアは反発』

アルメニアとアゼルバイジャンがもめていた。そのアゼルバイジャンの中にナゴルノカラバフという地域があり、そこはアルメニ人が多いので、アゼルバイジャンではないと独立しアルツァフ共和国が突然誕生した。それでアゼルバイジャンが怒り、アルメニアが仕掛けているのだろうと、アゼルバイジャンとアルメニアがずっと喧嘩をしていた。

その喧嘩が長引けばロシアに不都合なことがあった。アルメニアのニコル・パシニャン首相がロシアよりもアメリカだと、突然この9月にアメリカと合同演習を始めたのだ。実はアメリカがウクライナと違う方向のアルメニアで軍事行動を起こし、ロシアに揺さぶりを仕掛けてきたのである。

アルメニアはロシアの同盟国でキリスト教国だからロシアと仲が良いと思われているが、2018年から首相になったニコル・パシニャンはアメリカ寄りで、あまりロシアが好きではない。それでロシアはアゼルバイジャンの肩を持つようになっていた。

今年の9月11日にアルメニアがアメリカと合同軍事演習を行ったので、ロシアが怒りプーチンが圧力をかけ、ナゴルノカラバフ地方でアルツァフ共和国と名乗っていた大統領府が、ロシアの仲介を受け入れてアゼルバイジャンのものになって決着した。

これでロシアとしては、アメリカがアルメニアに出しゃばって揺さぶりかけてくることがなくなった。アルメニア問題が起こった時に、ロシアがいろんな国と協議をしてアルメニア問題を解決した。意外とプーチン大統領は外交力があり、バイデンがイスラエルに揺さぶりかけて、イスラエルの支援金と一緒にウクライナの支援金の予算を立てようとしているところに一撃を加えるために、このアルメニア問題を解決した。

■  プーチンがイスラエル問題を仲介

そしてイスラエルのネタニヤフ首相と電話会談をした。
ロイターの10月16日のニュース
『プーチン氏、ガザ危機で積極外交 中東主要国と電話会談』
プーチンがガザ問題で、中東主要国と電話会談した。

プーチン大統領はハマス、イスラエルのネタニヤフ首相、イランのライースィー大統領、シリアのアサド大統領、パレスチナのアッバス議長、エジプトのシシ大統領と電話で会談し、この紛争を早く止めようと話をしている。ネタニヤフ首相に対しては、イスラエルとハマスとの対立を終わらせるために協力する。きちんと着地できるように準備していると話をしている。プーチンはガザ地区に人道支援を送りたいとも話をして、ネタニヤフ首相も仕方がないとなっている。

実はこれはネタニヤフ首相に対する助け舟でもあるのだ。怒るはわかるが少し怒りを鎮めてほしいとお願いをしている。プーチン大統領からすれば、ハマスがイスラエルに侵攻し、ネタニヤフ首相がその挑発に乗ってガザに侵攻するとなると、ロシアとしてはあまり嬉しくない。イスラエルがハマス問題を解決するためにガザに侵攻となると、イスラエルに対する世論の風当たりも強くなり、バイデンがそれを機に、イスラエル支援金とセットでウクライナへの支援金を予算計上しようとする。支援金予算15兆円のほとんどがウクライナに行き、ロシアにとってはまずいことになる。

そこでアメリカが口実をつけてウクライナに支援金を流さないようにするために、イスラエルのネタニヤフ首相を落ち着かせる。その前にアルメニアとアゼルバイジャンの間でもめている領土問題を解決しないと、米軍が口実を見つけてアルメニアに入ってくるので、ここも解決しないといけない。これを抑え込まないとイランとシリアが怒る。プーチン大統領はそれらに一つずつ布石を打っていた。

それもこれもすべてはアメリカのバイデン大統領がオバマの言いなりになって、イスラエルを助けないといけないからウクライナの支援金と一緒に予算計上しようと言って、アメリカの共和党右派のMAGA派の議員を揺さぶらないようにするために、このような仲裁役に回ってきたということである。

プーチンにすればネタニヤフ首相に、これはアメリカの左派グローバリストの挑発だから乗らないでくれ、お互い協力して仲良くやって行きましょう。だから今回のところは収めてほしいと考えて、こういう立ち回りをしているのではないかと思った。


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