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【怒り心頭】日本で値上げ中の自動車向け半導体。実は供給過剰で中国内は値下げ開始

2023/03/30

https://nihonwomamoruhito.blog.fc2.com/blog-entry-491.html

■  半導体が供給過剰でも日本は不足

パソコンやスマートフォンの半導体チップは、去年からかなり余っている。ついに自動車向けも余ってきたはずだが、日本はいまだに不足している。

東洋経済オンライン3月2日付けのニュース

『EV向け車載電池「気がつけば供給過剰」の衝撃』
EVの動力源である車載電池の市場が大きな転機を迎えている。過去2年間、中国の電池メーカー各社はEVの販売急増を追い風に、生産能力の拡大競争を繰り広げてきた。ところが、ここにきて電池の在庫がにわかに膨張。業界内に在庫処分を急ぐ動きが広がり始めた。
 
「車載電池の在庫は電池メーカーとEVメーカーの両方に積み上がっている。そのうち電池メーカーの在庫は約80ギガワット時、EVメーカーは約103ギガワット時に上る」ノルウェーの調査会社リスタッド・エナジーの副総裁は2月21日に開催されたフォーラムの席上でそんな試算を示した。

日本では車載電池が足りずに、自動車メーカー同士が取り合いになっている。車載用の電池を買えないのは、日本企業が殿様商売で態度が悪いからというニュースが出ていたが、中国国内では既に余り始めていた。電池が余っているということは、半導体チップも絶対に余っているはずだ。

中国人に聞いてみたら、やはり自動車向けの車載チップが余って値崩れが始まっているようである。

台湾のUDNニュース(3月20日)

自動車用半導体は受注を減らして、価格を下げるだろうと噂されている。業界では本土(中国)の自動車メーカーが価格を引き下げ、最近パワーチップをターゲットに、その他の自動車半導体をかなり使っていると噂されている。
余ってきているのがMOSFET、トランジスター、マイクロコントローラー、MCU、そして電源用チップなど各種のチップが余ってきている。鴻海や、浙江財閥トップ焦佑鈞氏のグループの華新麗華、ヌヴォトン(新唐科技)などの工場に影響を与えた。これらの事件が台湾のサプライチェーンの出荷の勢いを阻害する可能性がある。

このニュースで、中国で流通している車載チップの多く、電源用のチップMCU、MOSFETなどの各種半導体関連、車載向け半導体製品は、台湾から出ていることが判る。そしてそれが中国で余っているという報道が出ている。

中国の方に連絡して、値崩れ起きそうだという話だがと聞いたら、いや値崩れが起きそうではなく、もう起きている。自動車向けのバッテリーが値崩れを起こしている。供給過剰で在庫が積み上がり値崩れ起こしているとのことだった。
それに伴って自動車用のバッテリー向けの電源がチップなども余っているはずだ。そして価格が崩れ始めている。

自動車メーカーに連絡し、最近車載チップが中国国内で余り値段が崩れてきているがと聞いてみたら、自動車メーカーの購買担当の人が唖然として、やはりそうなのか。他の半導体コンサルタントの方からも同じことを聞いている。中国で車載向けの半導体チップが余って値崩れを起こしているけれど、私共は先日、商社の方からまた値上げ交渉を言われたところだ。もうこのままだと日本の自動車メーカーは車載チップ不足でニッチもサッチも行かなくなると嘆いていた。


■  国内産業の足を引っ張る政治家と官僚

一年前に書いた『IT戦争の支配者たち』でも予言しているが、日本の自動車産業を潰すために意図的に浙江財閥系の台湾半導体工場は、日本に自動車用の半導体チップを納品しない。そして中国だけ助けるとはっきり書いている。それが今起こっているのだ。

載向けのMUCを作っているのは、パナソニック半導体を買収した新唐科技だ。パナソニック半導体が車載の分野で電源用のICやMCOに強かった。それを中国のフロント企業である新唐科技に売却することは、日本の車載向けの半導体サプライチェーンを分断することになると、長尾たかし議員と青山繁晴議員などに説明した。

国内の半導体、車関連のサプライチェーンはどうなっているのか。リソースが足りないのも判るが、しっかり調査もせずに重要な半導体サプライチェーンを分断し、日本の自動車メーカーの操業が非常に厳しいことになっている。利益が圧迫されている。たまたま円安で少し利益が膨らんでいるが、この円安効果がなかったら、半導体チップの高騰でかなりの赤字になったリスクがある。

日本政府が、日本の最大の労働市場である自動車メーカーよりも、中国を優先するのはどうかしている。この状況は日本政府がみずから、車載の半導体サプライチェーンを分断し、日本の企業が中国の手に渡るように仕組んでいるのと同じだ。

日本の自動車メーカーに大迷惑かけている。その上、経産省は日本には能力がないからと、台湾の半導体メーカーに資金を提供する。日の丸連合の時代は終わった。日本はダメだ。日本人はダメ人間なのだ。台湾の皮を被った中国人の会社に、5000億円でも10兆円でも差し上げると言うのが経産省の商務情報局である。

なぜ日本政府は私たちの国の産業を潰すのか。550万人もの人々がそこに従事していることを、なぜ無視をするのか。パナソニック半導体を新唐科技に売却を許せば、自動車メーカー向けのチップが納品されなくなる。アメリカの国防総省向けのF35、F15のレーダーチップが納品されなくなるリスクがあると、日本政府の政治家に散々話してきた。

そしてなぜ熊本のTSMCに資金を5000億円も出すのか。熊本工場で作られるチップは一体何用なのか。いま日本の自動車メーカーが不足しているチップは作らない。何のための5000億円なのか。
そこで作られたチップは、一体誰がどこで何のために使うのか。なぜ日本政府はその情報を公開しないのか。

現場の自動車メーカーの人も怒っている。今までの価格の3倍、10倍、何10倍の値段でチップを買わされているのだ。円安効果でたまたま表面化していないが、自動車メーカーの利益が薄くなってきている。また同じ為替水準に戻れば、どうなるか判らない。そのような厳しい商売を自動車メーカーに強いておきながら、半導体立国だとか何とか言って、全く日本の自動車メーカーを助けようともせず、外国企業にだけ資金を与えているのはなぜなのだ。

『IT戦争の支配者たち』にも書いたが、はっきり言って、半導体不足の犯人に私たちの大量の税金を注ぎ込み、ひれ伏し、よろしくお願いしますとやっているのは、殺人犯にお金をあげるから、子供達を殺さないでくださいとお願いをしているのと同じだ。

日本政府はしっかりと考えないといけない。私たちの国の未来をどうするつもりか。コオロギに6兆円、コオロギで農業が復活するのか。半導体立国にしようと外資ばかり助成金を渡し、それでこの国の半導体は復活するのか。最先端チップに投資しようと言って、今足りないレガシーチップは無視するつもりか。最先端チップなど今は需要が無い。どうしていま不足しているチップを無視するのか。このような政策をしている限り日本経済は良くならない。金融政策や財政政策だけではダメだ。

この国の既存の産業の足を引っ張っている限りこの国の未来はない。このことをしっかりと政治家たち、経産官僚たちに理解をしてもらいたい。 

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