パソナ日本破壊計画、メタバース業開始で中国人大量流入? 2/2
一体いくら抜いているんだ
2011年頃はハローワークなどに時給1000円で事務職の求人を出したら、たくさんの応募が来ていた。100通ぐらい来ていたと思う。
ところが2015、6年ぐらいから、もう時給1000円では来なくなった。時給1200円、1300円、それでも来ない。
なので派遣会社に事務員さんの紹介を依頼したことがあるが、一番安くて時給3500円、平均的に4000円以上だった。
一般的な人材派遣は3割程度はマージンを取らないと会社自体がやっていけないそうだ。
しかし、派遣会社に払う時給が4000円以上の事務員さんで、時給2800円ぐらいもらっている人がいるのかと非常に疑問だ。
派遣業の求人サイトで、検索条件を『事務職』『時給2000円以上』にして検索してみたが、「『時給2000円以上』の条件を満たしておりません」と出てきた。
企業が払った4000円の時給はその後どうなったのか。実際、派遣会社はいくら中抜きしているんだ。どうして私たちは直接雇用ができないのだ。と別のことを悩み始めた。
なぜパソナがメタバースに
なぜパソナがメタバース事業に参入するのか。
メタバースの世界では仮想空間上で皆さんがアバターになって年齢、性別、国籍など関係なく働ける。
年を取っても若いアバターになればいい。女性が募集されていれば男性であっても心が女性なら女性のアバターになればいい。肌の色で人種差別されたくないからアジア人でも白人になる。
そういう多様な人材、実際どこにいるのかわからない人材をメタバース上で派遣できるということになる。
これがかなり危険だ。
中国には学歴が高くてもなかなかいい仕事に就けない若者もいる。中国の片田舎の時給は数ドルだ。
2014年には時給2ドルで働いている人もいたが、今はもう少し上がっているだろう。4、5ドルぐらいまで上がってるかもしれない。
中国の農村地帯ではとても多くの人材が余っていて、少しでも高い給料で働きたいと思っている中国人がたくさんいる。
中国人はお金を稼ぐことに関してはかなり勉強熱心だ。
日本語ペラペラの中国人がメタバース事務職雇用に大量流入したら、あっという間に時給が下がっていくことになる。
時給がもっと安い国の人たち、例えば400円、500円ぐらいの人たちが打ち込みの事務をメタバースで行うとなると、時給1000円も1500円も払わなくてよくなる。
そうすると時給がどんどん下がり日本の雇用が崩壊する。
中国は日本の若者の給料を下げたい
崩壊するのは日本の雇用であって日本型雇用ではない。
日本型雇用を批判していたのに、実際は日本の雇用を破壊することに繋がっていく。
これは打ち込みや一般事務、雑用など軽作業系の職に就いている日本人にとってAI以上の脅威なのだ。
中国は日本の若者の給料がもっと下がるように仕向けたい。
そして日本の若者が日本企業で働いても報われないから、中国企業でバリバリ働きたいと中国人に憧れる。中国企業で働くことを誇りに思うという方向に持っていこうとしている。
メタバースの時代になったら、日本人の時給は外国人の時給に引きずられて下がり始める。その一方で不動産はどんどん上がっていくという、香港のような現象が起こるのではないかと考えている。
香港や台湾で若者たちが民主主義運動や草の根活動を始めたのは給料が安いことが大きな理由だ。
どんなに頑張って働いても給料が上がらず安いままだから結婚できない。結婚してもお互いに自分の両親の家で暮らし、週末だけ二人でデートするというような結婚の形になっていたり。
自分の家を買うことすらできない。そういう未来を危惧したのだ。
雨傘運動やひまわり運動。それぞれ起こったきっかけは違うが、根底にあるのは給料が安いこと。仕事が少ないこと。一方で中国人がどんどん投資して不動産の価格は上がり続ける。
この恐怖が若者にはある。
隷属するマインド
日本の若者たちが中国に恐怖を抱き立ち上がって戦うのならまだいい。
日本企業で働いても給料は安いし話にならない。むしろ中国で働く方がいいというマインドに変わっていくことが非常に危険だ。
「隷属する方がいい。戦っても意味がない。中国はいい国だから隷属した方がいい。経済も成長し続けている」
「日本はもうダメだ。日本人は経営能力がないのだから、半導体産業も諦めて台湾、中国にあげた方がいい」
こういうマインドが浸透してしまうと、もはや若い人たちに中国の脅威を訴えても「なんだこの人。頭悪い狂った右翼だな」と見られてしまうリスクがある。
もしかしたら中国を脅威だと思っているのは30代が最後の層かもしれない。
若者がどうすれば稼いでいけるのかという話もしていかなければいけない。
以前に自衛隊の方と話をしたとき「中国は経済成長していてお金持ちだし戦う気はない。日本は仲良くしたらいいだろう」と言っていた。
この隷属するマインドが日本全体に広まってしまったら、いったい日本はどうなってしまうのかというのが私の最大の懸念だ。
パソナの酷すぎる中抜きを止める方法は、アメリカのように同一労働同一賃金を徹底するしかない。それが日本の中国化と働く人の低賃金化を止める術の一つである。
ITはもはや民間が軍事を超え、IT技術を制する者が世界を制すという国際マフィアと国際政治の世界。
深田萌絵メルマガ「世界とITのヤバい話」では、日米中のニュースを中心に、IT起業家と元アナリストの視点から多角的に解説。
他にも、紙面ではなかなか取り上げられにくい幅広いお話ができればいいなと思っています。
よろしければぜひご購読ください。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?