【メルマガ特別公開】台湾TSMCのチップが解放軍ミサイルに
2021/04/09に配信された過去メルマガです。
ワシントンポストから遂に報道された。
TSMCのチップが解放軍ミサイルシステムに利用され、それが米軍空母に照準を当てているかもしれないという記事だ。(リンクは下)
これまで、筆者はブログや講演会では、TSMCで製造されたチップが解放軍ミサイルに利用されているとしか考えられないと話を繰り返してきた。
解放軍ミサイルで利用されるFPGAチップである。
ミサイルのシステムを高度化すると、処理にFPGAチップが必要となってくる。
FPGAチップとは、普通のチップと異なり、製造後に機能を書き換えられるプログラマブルチップのことである。
FPGAチップはザイリンクスとインテル(元アルテラ)の二社で市場の9割を占めている。
そして、両社ともに台湾ファウンドリ(半導体製造工場)を利用している。
インテルのFPGAがインテル工場から流れるというのは、米国籍の米国企業経営者としてかなり重い法的リスクを負うので見合わない。
リスクなくFPGAチップを横流しできるとすれば、米国法の外にある工場で、米国と『犯罪人引渡協定』のない国である。それが台湾だ。
ザイリンクスやインテルがTSMCに一度でもチップ製造を依頼すれば、そのチップのマスクはTSMCに残る。※マスク=半導体チップを焼く時の写真のネガみたいなもの
そのマスクを使えば、ザイリンクスやインテルが知らない間に工場で同じものを製造して、横流しできるのだ。
例えていうと、昔、GUCCIとCOACHの中国工場で、同じ製造ライン、同じ素材、同じデザインでライセンス番号がないだけの「偽物」(モノは本物と言っても過言ではない)が香港経由で日本に出回っていた。
工場を自社で持たないというのは、ブランドであろうが、半導体チップであろうが、そういうことが起こる。
ただ、今回はそれ以上の報道が流れたということだ。
12日に開かれるバイデン政権の半導体企業と自動車メーカーとの半導体不足問題についての会議を前に、ワシントンポストからこのニュースが出たということは米政府が既に半導体チップの横流し問題を認識しているということだ。
米国政府はTSMCが単に半導体不足を起こしているのではなく、解放軍関係のチップ製造で不足しているのではないかという懸念を持っている。
ワシントンポストのニュースでは、極超音速滑空ミサイルのシステムに利用されているのがphytiumという中国の企業が設計し、TSMCの最先端工場で製造されたチップだと報道された。
そして、米政府はHPC(ハイパフォーマンスコンピュータ)に関わるPhytiumと他の6つの中国企業と研究所を輸出ブラックリストに載せた。
ここで思い出したのは、1月15日のTSMCのCEOであるCCウェイへの取材コメントで彼が英語では「すぐに車載を増産します」と答えたのに、中国語では「今は5GとHPCをターゲットにしている」と答えている。
そのHPCとは、DF17のシステム用のことだったのか?
1月末にTSMCは「超特急製造(super-hot run)で車載チップを1カ月以内に納品できるかもしれない」と話していたのに、あれから三カ月、何をしていたのか。
台湾の報道では、解放軍が台湾製チップで音速ミサイルを作っていることを全く気にも留めていない。それどころか誇りに思っている様子だ。
ワシントンポストでTSMCチップが中国のミサイル開発に使われていることが暴露されて、TSMCのチップを使った超音速滑空機が米国空母を攻撃可能なることを米国は認識した。
米国はTSMCにアリゾナで工場を作ってほしかったら、TSMCの要求をのむことだな。そうでなければ、解放軍のミサイルで攻撃されるぞ。
くらいのことを言っている。
果たして、本当に中国は台湾を攻撃するのか。
なぜ、台湾はTSMCが解放軍チップを製造していることを批判しないのか。
■ 中国は米チップ技術で最先端兵器を建造
https://www.washingtonpost.com/national-security/china-hypersonic-missiles-american-technology/2021/04/07/37a6b9be-96fd-11eb-b28d-bfa7bb5cb2a5_story.html
■ 台湾ニュース 05:00あたり
■ 深田萌絵ブログ
http://fukadamoe.blog.fc2.com/
■ Twitter
https://twitter.com/MoeFukada
■ Facebook
https://www.facebook.com/moe.fukada.35
■ YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCJD2JwJNPzi1qcLizxmxbJA
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?