親知らずを抜きましたbyまみむめも

こんにちは。まみむめもです。

あれは雪の日でした。水分を多く含んだ雪で、ふわふわというよりはべちょべちょ。道路には多くの水たまりができていて、私はブーツを履きました。

右上下の親知らずの抜歯をしました。

全身麻酔で行うという選択肢もありましたが、私は局所麻酔で行うことにしました。
病院に足を踏み入れる前は緊張はほぼゼロでしたが、いざ病院へ入ると、その独特な空気感が作用したのか、だんだんと不安が募っていきます。微妙な待ち時間もなんとなく落ち着きません。

名前を呼ばれて案内されたのは、歯医者の一般的な診療所。あの、高さや背もたれの角度が調節できる椅子がある小部屋です。上着を脱ぎ、マスクを外し、椅子に座りました。隣には小さな台があり、麻酔と思われる注射器がいくつかのっていました。

先生がお見えになりました。今回の執刀医さんです。
悪そうな人には見えなかったのでほっとしていると、そんな私に構わず早速抜歯が始まります(説明などは事前診療で聞いていたので、それほど前置きはありませんでした)。
いつのまにか、手が震えていました。

椅子に身体を預けて倒れると、ついに、注射器が!!痛みを覚悟して身体をこわばらせましたが、チクッと、想像を大きく下回る些細な痛みが走っただけでした。3本ほど注射器を打たれて少し経つと、だんだんと口の右側が痺れてきました。
しばらくしてお医者さんが、痛くないか、と、私の歯をぐいと押しながら確認しましたが、全く痛みは感じませんでした。麻酔の力とありがたみが身に染みます。私はお医者さんに大丈夫だと頷きます。
目にタオルを被せられました。飛んだ唾や血が目に入らないように、なのか、ただ見えないようにしているだけなのかは分かりませんでしたが、私にとっては好都合。注射器やナイフや針や糸が見えないことで、不安が大分軽減されます(もっとも、タオルがなくとも目は硬く閉じているつもりでしたが)。

開始から時間が経つと、音に変化が。ゴリゴリとかギュイーンとか、機械音が鼓膜に伝わって、それがいやに恐怖を煽ります。私はそれに必死に耐えながら約20分を過ごしました。

終わったと伝えられた時の安心感!
麻酔が効いていて口の右側の感覚がないままうがいをすると、口から吐き出されたのは朱色の水。そこそこ血が出ているようです。
止血用のガーゼか何かの塊を30分間噛んでいるように言われ、抜歯が終わりました。
終わってみると意外とあっけないものだなあと感じながら母の元へ戻りました。

次の日に右の頬が大きく腫れました。

でもまだ力は抜けません。
次は抜糸。
その次は左の上下を抜き……。そして、その抜糸……。

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