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【一般質問】 ④男女共同参画について


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4. 男女共同参画について

続いて、男女共同参画について、今年度1年前倒しで策定している豊島区基本構想・基本計画についてお聞きします。

はじめに、第3回審議会でお示しされた基本構想(素案)について伺います(資料3-1)。
「理念」と「まちづくりの方向性」(素案)で掲げている3つの理念のうち、1つ目の「誰もがいつでも主役」にある「ジェンダー」という単語について、本区が考えているこの単語の意味をお聞かせください。

 令和4年3月に策定した「第5次としま男女共同参画推進プラン」では、「ジェンダー」を「社会的・文化的に形成された性別や性差を意味する言葉」と定義しており、基本構想(素案)においてもその考え方は同様です。
 基本構想(素案)における「ジェンダー」は、理念として掲げる「誰もがいつでも主役」のまちづくりを実現するために尊重するべき、様々な多様性の代表例としてお示ししているものであります。

政策経営部長答弁

区の最高指針となる基本構想と、最上位の計画となる基本計画に基づき、今後の豊島区の施策・事業が決まっていくものと理解しております。全庁横断的な認識を共有できるように、「ジェンダー」などの単語には注釈をつけ、定義を明確にした方がいいと思います。

基本構想(素案)は、5月に公表された「未来戦略推進プラン2024」の第2章「未来戦略推進プランの目標」で示されている「3つのつながる」と「8つのまちづくり」をベースに、区の内部で検討して作成したものが、審議会にかけられたと理解しております。
そこで伺います。基本構想審議会にかける前段階で、区の内部で検討を行なった際の会議体における男女比を教えてください。課長級以上の女性管理職はどれくらいの割合で基本構想(素案)を作る段階の会議体に参加していらっしゃったのでしょうか?

 まず、素案の元となる「事務局案」の作成にあたっては、企画課の職員全員で検討しております。職員15名のうち、女性は6名です。
 その事務局案をすべての管理職に対して共有し、調整しております。管理職106名のうち、女性は25名です。
 その後、両副区長、教育長及び全部長で構成される「基本計画策定委員会」において、「基本構想審議会」に諮る前の最終的な審議をしております。同委員会24名のうち、女性は2名となっております。

政策経営部長答弁

第1回基本構想審議会での委員からの基本構想(素案)に対するご意見を踏まえ、反映案として「多様性の尊重等、全ての施策に共通する項目は8つのまちづくりと別に位置付ける」とあります。
現在の基本構想・基本計画では、「多様性の尊重」については多文化共生の推進、平和と人権の尊重、男女共同参画社会の実現の3つが柱となっていると理解しております。
そこで伺います。新しい基本構想や基本計画でも、「多様性の尊重」には引き続き多文化共生の推進、平和と人権の尊重、男女共同参画社会の実現の3つが含まれるという理解でよろしいでしょうか?豊島区のご見解をお聞かせください。

 後期・基本計画では、「多文化共生の推進、平和と人権の尊重、男女共同参画社会の実現」の3つの施策を含めた「多様性の尊重」を、8つの地域づくりの方向のうちの一つと位置づけておりました。
 しかしながら、これらの施策については、一つの行政分野のみならず、すべての分野で施策を展開するうえでの土台となる考え方であることから、新たな基本構想・基本計画では、「基本構想審議会」での審議を踏まえ、基本構想全体を貫く、まちづくりの基本的な考え方や行動指針を示す「理念」として明確に位置づけております。

政策経営部長答弁

また、豊島区として「多様性の尊重」は全ての施策の土台となる、とのご見解をお持ちであるならば、全ての施策でジェンダー平等の視点を取り入れた成果指標を作ることを求めます。区長のお考えをお聞かせください。

 現在本区では、施策の進捗や達成状況を把握し、事業の適正な遂行の確保や見直しなどを行うため、基本計画におけるすべての施策それぞれに指標を設定するとともに、政策評価、区民意識調査、SDGsの取組診断などを実施しております。
 指標を設定する際には、各施策の目的や取組方針に鑑み、施策の達成状況を端的に表した指標とすることが重要です。また、循環型社会や気候変動、脱炭素など、その目的や取組みの性質から、達成度を示す指標にジェンダー平等の視点を取り入れるのが難しい施策もございます。
 ジェンダー平等を含む「多様性の尊重」は、区政運営において必要不可欠な視点と認識しております。そのため、すべての施策においてジェンダー平等の視点による成果指標を設定するのではなく、新たな基本構想の「理念」として掲げるとともに、より具体的な内容については、基本計画の中で検討してまいります。

政策経営部長答弁

埼玉県では2023年度、外部からのアドバイザーも招いて「ジェンダー主流化による事業点検」に取り組んだそうです。
「ジェンダー主流化」とは、社会的・文化的につくられたジェンダー(性別)に基づく不平等や差別がある社会構造を変えるため、あらゆる分野で課題や需要、影響を明らかにして施策形成に活かす取り組みです。
他の「ジェンダー主流化」の取り組みとしては、韓国ソウル市の「ウーマン・フレンドリー・シティ・プロジェクト」が、「2010年国連公共政策賞」を受賞しています。このプロジェクトは女性にやさしい都市づくりを目指し、広範囲にわたる市の政策に女性の視点と経験を反映することで、女性が日々の生活の中で感じる不便さ、不安感、不快感を取り除き、ジェンダー平等の実現を図ったものです。
ここで念の為お伝えしておきたいことは、女性が安心・安全に暮らせるということは、多くの人が安心・安全に暮らせるまちだということです。
高際区長は、4月19日の定例会見で「“女性と子どもにやさしい街”をこれからもしっかりと頑張りたい」と発言されていますが、区長が考える“女性と子どもにやさしい街”とは具体的にどういう街なのでしょうか?お考えをお聞かせください。

 私は就任当初から、区政運営の基本姿勢の一つに、「子どもや若者、女性の声がつながる区政」を掲げ、これまで区とつながりづらかった方々の声を聴き、多くの声を区政へと反映してまいりました。
 女性が生き生きと輝けるための取組み、安全・安心に暮らせるまちづくりは、女性のためだけでなく、男性、高齢者や障害のある方、様々な課題を抱え、生きづらさを感じておられる方など、全ての区民の皆様の幸せや、地域への愛着、未来への希望につながるものと確信しております。
 副区長1年目にコロナ禍で開始した「すずらんスマイルプロジェクト」は、未来ある若年女性を応援する取組みであり、活動が拡がっていますが、今後、孤独感・孤立感を抱える若年男性への支援にも活きていくものと考えています。
 また、これらの社会を担っていく、私たちの希望である子どもたちに対しては、就任直後に「子どもレター」を開始しました。私は、どんな家庭環境にあっても、障害があっても、病気を抱えていても、すべての子どもたちが、夢をもって、胸を張って育っていける豊島区を作りたいという強い思いを持っています。
 開始から1年で500通届いた「子どもレター」の1通1通を通じ、子どもたちの声に、大人である私たちが真剣に向き合い、真剣に対応を考えることの大切さを感じています。そして、子どもたちには、自分の意見を自分の言葉で伝えることの大切さ、さらには、自分の声が物事を変えることもできるんだという自信を持って、様々なことにチャレンジしていってもらいたいと思っています。
 このように、私の考える「女性と子どもにやさしいまち」は、年齢・国籍・身分・分身の状態などを問わず、女性、子ども、若者が、様々な困難や悩みを持っていても、孤立せず、行政・地域が解決に向けて寄り添うことができ、一人ひとりが未来に向けて、生き生きと輝く。そして、それがすべての区民の幸福につながる、そうした「誰もが主役になれるまち」です。

区長答弁

6月12日に公表されたばかりの世界の男女格差を表す「ジェンダーギャップ指数」を見ても、特に「政治」と「経済」の分野で男女間の格差が埋まらず、日本は146か国中118位となっています。
女性の平均賃金水準は男性の約7割にとどまり、同一労働同一賃金の具体化の遅れが深刻です。非正規雇用の約7割を女性が占め、女性の非正規の平均賃金は約19.9万円です。そして、女性の管理職比率は低いままです。
高際区長の下、本区には多様性を認め合うジェンダー平等社会の実現に向けて、積極的に取り組んでいただくことを求めます。改めて区長の意気込みをお聞かせください。

 性別による固定的な役割分担に基づく制度や慣行、性別等に起因する差別など、ジェンダー平等社会の実現には、いまだ多くの課題が残されております。
 人は誰もが個人として尊重される権利を持ち、性別等により差別されることのない平等な存在です。本区はこれまで、ジェンダー平等を目指し、例えば、政策分野での女性登用を重点的に取り組んだ結果、令和5年度の審議会等における女性委員の参画状況では、23区中2位となっています。また、本区の女性管理職の割合は、令和5年4月時点で23.8%で、23区平均17.0%を上回るなど、成果をあげています。
 男女間の経済格差など、一自治体の力では解決が困難な問題も多数ありますが、区民生活に最も近い区が、施策の基本として、ジェンダー平等社会を掲げることは、区民一人ひとり、また働く場である企業等での「ジェンダー平等」に対する意識を高めることにつながり、大変重要なことであると考えています。
 現在検討中の基本構想案においては、基本構想全体を貫く、まちづくりの基本的な考え方や行動指針として、3つの理念を掲げており、ジェンダーを含めた多様性の尊重については、「だれもがいつでも主役」のまちを実現するための方向性として、明確に位置づけております。
 ジェンダー平等社会の実現に向けては、女性区長として、今後も旗を振り、庁内での取組みはもとより、区民の皆様や事業者、教育機関など関係機関とも連携・協力しながら積極的に取り組んでいく考えであります。

区長答弁

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