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サメの奇妙な戦術~飛車先不突矢倉~
※ この記事は#V名人戦 1局目の振り返りです。
~前置き~
午後八時という時間の開始であった。これが罠になるとはその当時のサメは思いもしないのであった。夕食を食べ、対局開始数分もないところで事件は発生した。
腹痛である。
対局に向けてしっかり食べた…が食後の休憩をとる時間がなかったのだ。
その状態で頭脳にスイッチを入れた結果、消化器系にまで行き届かなかったのだろう。
ちょうど並んでた
— 綾瀬綾💖お将棋チェスブラジルお姉さんVTuber (@ayaseaya_vtuber) September 11, 2020
将棋めしの真実はどっち⁉️ pic.twitter.com/elMYC4pK2B
しかし、しかしである。あいてのクマさんはクマさんでなかなかきつい対局であったらしく、対局後両者の間には次は1時間後ぐらいでやろうという合意が結ばれたのであった。めでたしめでたし。
~理想~
さて、本題に移ろう。私の採用した(しようとした)戦術は飛車先不突き矢倉である。画像は組み終わった時のイメージだ。川山一誠氏との練習将棋で出てきた局面を拝借した。
26歩25歩を省き、さらに角の移動も77⇒59⇒26と最適化をして、飛車先の歩を交換させることによって得たたくさんの手得をもって相手を攻める、非常においしい構えである。45歩からでも、56銀を入れても、86角の効きが強力で手にならないということはないのだ。ツヨイ!
~対速攻~
さて本譜。なんでこうならなかったのかを説明しよう。
この41玉がちょっとダメ…というほどではないが、飛車先不突き構想にはまるで向いていない。理由はもちろん、本譜のような速攻を受けると乱戦にならざるを得ないからだ。もちろんこうなった理由はいくつかあって、
①おなかが痛かった
②先手番では1手多いので間に合うが後手なのを忘れていた。
③この速攻を受けるのが久しぶりだった。
みたいな理由が積み重なったのではあるが、なにはともあれ先手の35歩に対して後手の43金が間に合わないようだと本譜のような乱戦にならざるを得ないのだ。とはいえ、65歩を突いて角交換をしてしまえば意外と簡単につぶれたりはしないものだ。
~B面攻撃~
さて、銀がどんどん前には出てくるのだが、36歩を突いた形ではよくある筋がある。この角である。相手の駒を攻めて受け勝つというプランだ。
…というと聞こえはいいけれども、74歩や85歩などが一切入っていないので、攻め合うと勝てない将棋であるからこれしか選択肢がない。相手に攻めの継続手が見当たらないとは思っていたので、互角ではあっただろう。
~遠見の角に?~
少し進んでこちら。この96角が飛車先不突きを逆用した手だ。玉が角筋に入っているのは怖い状態だし、43歩も気味が悪い。とはいえ、36歩46歩と並んだ形は攻め駒を封じていて、決して悪くはない。ここでの正着は何だろうか?
答えは84歩だ。右側はほとんど封じ込めているので、角を閉じれば完封であった。まあ43銀で歩を払っちゃったんですけどね。
~上か下か~
さて、43銀で銀を渡してしまったので61銀と打たれてしまった。どう受けるのが正解だろう?
答えは74銀。狭い角は封じ込めておくのが一番であった。同玉と取った手が41玉より場所が良さそうだ。
ここで51銀と受けたのが失着で本局の5割はここで決まってしまった。金を取って63に打ち込むのが強烈だ。
~怪しくする術~
ここからは困ったときに怪しくする術を紹介しよう。
まずは66歩!角がどこかで入った時に玉のコビンが空いて反撃があるかも!(ありました)
38の飛車を取って打って43飛車成!自陣竜はつよそう!
受けに効いている角だけど駒が入ったら87角成が詰めろ!(受けられました)
~まとめ~
受けは攻めより難しいし、角の効きは強いし、エネルギーの補充はそれ以上に難しい問題であったとさ。次も頑張ります。
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