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見栄っ張りとペットボトル

ペットボトルの蓋が昔から開けられない。

いや笑い事じゃない。本気だ。

最近は普通に開く確率があがってきた。
握力があがったのか。
それとも、ペットボトル業者が蓋を開けやすく緩めに作ってくれているのか。

なので実はペットボトルがするっと開いた時に人知れず心の中で飛び跳ねてガッツポーズをしている。「いえーい!やったね!ラッキー!」くらい思っている。ちょっと実際、1人でいる時は、にやけてしまっている可能性すらある。

握力を何年か前に測ったら9キロだった。

7歳の男の子と腕相撲?っていうか、手をぎゅーってやって降参って言ったら負けゲームをやったらギリ負ける数値だ。

弟にそれを言ったら、試しにと手をぎゅっと握られた時に本能的に脳に「折れる」と伝達されて「ぎゃっ」と声が出た。

なんかこう生き物的に圧倒的に負けてる感じがした。

弟いわく「ぎゅっとも握ってないよ…ほんのちょっとだけしか力いれてない…」との事だったので、嘘も付かないし、意地悪する子でも無いので多分そうなのだろう。

電車で一生ピーチティーが空かなくて、困り果てながらも開けようと粘っていたら、迎えに座ってたお姉さんが「空けましょうか?」と開けてもらった事がある。天使か…?と思った。

あのお姉さんに限りなく幸あらんことを。

「ペットボトル 開けやすい 道具」で検索してペットボトルキャップオープナーなるものを本気で購入しようかと思った事がある。

猫ちゃんの肉球型のを買うか検討し、

ペットボトルは出先で開ける事が多く、
どうせ私は忘れ物、落とし物が多いので、やめた。
今また検索かけて悩みはじめた。

もう家ではペットボトルを開けなくて済むよう
節約にもなるので紙パックの飲み物か、水で割るカルピスとかお酢のジュースしか買わない。

まぁ紙パックも開け口が50%の確率でビリビリになるけど。下手で。

水で割る奴は便利だ。パチってやって、最初キュポって奴取るのだけがんばったら開く。
しかも飲み物は買うと持って帰るの重いので、これ一本買えば随分、持つ。

あとはティーバックで水出しのそば茶や麦茶を冷蔵庫に常備している。それからココアとかお茶とか軽くてお湯入れれば美味しいやつだ。

ハンドバックかここ何年か前まで苦手で、いっさい持たなかった。私は肩で荷物を持つ。

ちっちゃい奴とか軽い奴なら持てる事に気づき、荷物を極力減らして、もうリップとカードとスイカとカギとハンカチ、ティッシュ、電子タバコか紙煙草、マッチ、常備薬だけにしていた。

でも可愛いけど疲れるし、たまに電車に忘れる。

でもちっちゃいバックだと、そう。ペットボトル問題が発生するのだ。

もう少し大きければ私はちっちゃい水筒を持ち歩いている。自分で開けられるし、私は常に何か飲んでいたい人で、のどが渇くのが大嫌いだ。新陳代謝がとんでもなく良いので、もうなんか起きてる間はずっと何か飲んでいる。

しかし、ちっちゃいバックにちっちゃい水筒が入らない時、あるいは忘れたり、飲む量が足りず買い足す時に、あいつだ。にっくきペットボトルを買う羽目になる。

私は左手の薬指と小指の付け根にタコがある。

ずっと、ここには普段から指輪してないのになんでだろう?と思っていたけど、最近その理由が判明した。

ペットボトルだ。

開ける時に毎回手に真っ赤になるほど捻るのだけど、どうやらこの2点にものすごく負荷がかかっているようなのだ。

この事をこの前おじぃちゃまとおばぁちゃまの家に行った時に、いつも通り蓋を開けてもらいながら家族に言ったら、「え、なんでそこ?」となり、

ちょっと見せてみ。となり、

ペットボトルの蓋の開け方がまずおかしいとなった。

なんでそんな握り方をするんだ。左手の指で蓋を摘むんだとパパに教えてもらったけど、余計力が入らない。多分、指の筋肉がない。

iPhoneですら重たいから肩掛けにしているのだ。

今持って字を打ってるのも重たい。

指でつまんで、左手で回しなさいと言われてやってみたら、なんでそんな電球回すみたいにするんだと笑われてしまった。

最近はするっと開く奴も多くなったから、自分で開けられれば大人なんだから何も言わずに頑張れるだけ真顔で頑張って開けている。かなり「何も大変じゃないですよ」の顔が上手くなっていると思う。

この歳までこの「何も大変じゃないですよ顔」の鍛錬をペットボトルを開けるたびに詰んできたからだ。

今もいるか分からないが、なんか少女漫画とかで悪役の女の子が主人公の女の子が好きな男の子に「開かないのー開けて〜♡」とすり寄るシーンかなんかを見て、

こうはなるまいと誓ったのだ。

だが、本気で開かない。

喉はカラカラだしもう本当、本当もうやだ。

親しい友達や家族にはもう恥をしのんで「すみません、開けてください」と首を垂れている。

みんな慣れてくれたもんで、もう私がペットボトルを持った時点でよこしなとキュっと開けてくれる子までいる。やだもうキュンとしちゃう。いつもありがとう。大好き。

ただもう男の子がいる時だ。
本当に困る。
見栄っ張りなので、「何も大変じゃないですよ顔」でずっと手間取る。悪役令嬢になってたまるかとそれはもう必死である。
大体結果気づかれてしまい、「…開けようか?」と言わせてしまう。筋肉の敗北である。

「本当、本当すみません。本当ありがとうございます」と言いながら、多大なる感謝と、相手への気遣いの出来る事への尊敬の念や、頼り甲斐をすごく感じると同時に

己の生き物としての弱さを恥じ、こんなちっぽけな蓋一つ開けられないなんて…もう随分と大人なのに…と情けなく感じる。

昨日の写真講習中、私はずっと蓋が開かなかった。
もう喉がカラカラだ。「大変じゃない顔」で授業をききながら蓋を開けようとしたけど開かない。
ハンサムな先生が真隣に座ってフィックス液とかの説明をしている。ピンチだ。

休憩中にみんながいなくなったスキを狙って、んぎゅうぅっと開けてみたが開かない。もう手のひら真っ赤に跡ついてる。

また暗室に戻らなきゃで飲み物をあきらめ、
印画紙を薬品につけてる間は必死なので喉の渇き忘れられたが、乾かしてる時とかに喉乾いた…と思っていた。4時間たって、講習が終わり、もっかい開けるとするっと開いた。

え、なんで?なんでだ?

ぬるくなると開くとかあるのか?

謎は深まるばかりである。

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