〔小説〕美影風夏⑤以心伝心

「あんた、これだけのお金払うんだから、ちゃんとモトとってきなさいよ。これで２学期入って成績悪かったら、しばらく週末の昼ご飯はあんたが作ることにするからね」

理想がカタい

おはようございます。きょうも書いていきます。 「いい人がいない。」「人が足りない。」とため息をつく相手に、「はぁ。そうですか。」と答える。会議室のガラス越しにオフィスを見やると、「人」がPCを覗いている。ビルの外に目をやると、「人」がワラワラと歩いている。本当に「人」はいないのだろうか。 いい人は永遠に現れない。これは企業の採用しかり、単身者の婚活しかり、同じである。いい人なんて最初からいない。いるとすれば「いい人を見つけられる人」であろう。 人事の仕事をやっていてもい

楽しみは、ふいに見つかるもの

道なき道を歩み始めること　[妊娠15週]

昨日、社長と面談をした。私が今後どうしていきたいか、ゆっくり話す機会を作ってくれた。 できて1年目の社員10名程度の会社。ちょうど、就業規則や育児休業規則を作り終えた数か月後、私の妊娠が判明した。もちろん私が育休取得者第一号。規則はあるものの、最低限の規則のみ規定した状況で、運用実績なし。 まずは、しがらみなく、私が今考えていること、望んでいることを純粋にぶつけさせてもらった。 今現在の気持ちや希望は伝えられるものの、どれも「・・・と思っています。けど、その時になってみ

＜無料公開＞大阪ダブル選を振り返る。

結果から大阪ダブル選は維新が知事選、市長選を制した。この選挙に着目した理由はあくまでも個人的な関心である。大阪ダブル選に関しては橋下さんの大阪都構想に賛同していた。ただ、橋下さんは大阪都構想の実現の為に国政への進出を目指したが、これが悪手だった。この時に石原元東京都知事と手を組み、既存の国会議員を含み大阪維新から日本維新の会という国政政党が作った。これにより逆に大阪維新による大阪都構想が遠のいてしまったとも言える。 そして、数年前に大阪都構想の住民投票が行われ、ギリギリで否

居るのはつらいよ：ケアとセラピーについての覚書

東畑開人　2019　医学書院 同業者の間で話題になっていた本だった。 自分より若い人が次々に専門書を書いていく。 そこに、少々の危機感や焦燥感を持ちながら、読み始めた。 私にデイケアの経験はないけれど、ここには、日常の臨床場面での風景がありありと描き出されていた。 臨床を知らない人に臨床がどのような営みであるかを伝えようとするとき、筆者が書いている通り、「論文の硬い言葉たちでは掬い取ることができなかった」(p.344)ことがある。 効率や合理性では割り切れないところにある