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【on BLUE/from RED編集部インタビュー・前編】現役BL編集者に「作品作りにかける想い」を聞いてみた

大人気レーベル【on BLUE/from RED】の作品づくりに迫る


こんにちは!
腐女子マーケティング研究所のうーろんです!

今回は大人気BLレーベル【on BLUE/from RED】の現役編集者の方にインタビューをして参りました……!!!

STAYGOLD』や『25時、赤坂で』をはじめ、多くのBLファンの心に刺さる名作を数多く生み出すon BLUE。
また電子レーベル・from REDでも『夜明けの唄』や『この手を離さないで』などなど、数多くの作品がBLアワードを受賞しています!

今回はそんなon BLUE/from RED編集部から編集者の仲俣さんにお越しいただき、貴重なお話を伺ってきました!
前編では大ヒット作を数多く生み出すレーベルの作品づくりの極意を語っていただきましたので、ぜひ最後まで楽しんでご覧ください♥


インタビュー担当者紹介

仲俣(なかまた)さん
漫画制作会社・株式会社シュークリームでon BLUE / from REDの編集を担当。執着攻めと強気な受けをこよなく愛する、4年目の若手編集者。

【担当作】

(単行本)
君の夜に触れる』作:もりもより
凪くんと早崎くん』作:黄色乃ねこ
TOKYO光オークション』作:時羽兼成

(連載中)
イグナートの花嫁』作:もりもより
そんな激情で殴られたい』作:紫比呂
裏アカ男子はリアルタイムの熱を知る』作:香澄タベル
など多数。

BL編集者になりたいと思ったきっかけは?

実は元ちるちる編集部インターン生……!?

──仲俣さんがBLの編集者になろうと思ったのはなぜでしょうか?

仲俣さん 実は私、大学生時代にちるちる編集部でwebライターのインターンをしていたんです……(笑)。ちるちるの社員は週に10冊会社にあるBLマンガを借りられるんですよ。それで毎週BLマンガを借りて、読んでいるうちに「このままずっとBLのことだけ考えてられないかな……」「かつ正社員として働けるところがないかな……」と考えるようになった次第です(笑)。

ちるちる編集部名物・巨大BL本棚

──具体的にはどのような経緯でシュークリームに入社されましたか?

仲俣さん 就活中にシュークリームがアルバイトの求人を出していて、それに応募しました。入ってからしばらくは雑務をやったりしていたのですが、2020年のfromREDの立ち上げ時に「編集部員の人手が足りない!」ということで、正社員に登用されたんです。今は入社して4年目です。

on BLUE / from RED編集部ならではの「こだわり」

──on BLUE / from RED編集部ならではの、作品作りに対する「こだわり」や「方針」はありますか?

仲俣さん on BLUE / from RED どちらも、新人作家さんの輩出には力を入れています。BLアワード2023「次に来る」部門にもランクインしている咲本﨑先生、冬縞しぐれ先生、もりもより先生などは弊社レーベルでのご執筆が商業デビュー作ですね。

──さすがはon BLUE / from RED、多数ランクインですね……! 作品作りに対してはどんなこだわりを持っていますか?

仲俣さん 作品作りに関しては、

「一冊読んだ時の満足感」
「“商業”作品として売れるか」
「本棚の中の特別な一冊を」

という3つの要素を大事にしています。

──それぞれ詳しくお聞きしたいです!

「一冊読んだ時の満足感」

仲俣さん 「一冊読んだ時の満足感」は、重厚な話やカタルシスという限定的な意味だけではなくて、ときめきやフェチ、ハラハラとした緊張感、ユーモアに富んだコメディ……などなど、色々な要素を含んでいます。なにか読者さんの心を満たすポイントが秀でていて、「良いものを読んだ! 誰かにこの気持ちを共有したい!」と思わせるような満足感を演出するようにいつも心がけています!

私の担当作だと、サイコホラーチックなテイストで毎話衝撃的な描写の続く、紫比呂先生の『そんな激情で殴られたい』も個性の強い作品です。

fromREDは作品の振れ幅がとにかく広いですね!「面白ければなんでもアリだよ!」というのが編集部のポリシーです(笑)。

「“商業”作品として売れるか」

仲俣さん「商業」作品として“売れるか”という視点は、作家さんのためにも常に意識するように心がけていますね。いかに作家さんの独自性を残しながら「商業作品」として仕上げていくかというところが課題です。

──そういったやり取りの中で、作家さんとぶつかることもあるんでしょうか……?

仲俣さん たまにあります。新人作家さんとのお打ち合わせの中で「バッドエンドが好き」とお話ししていただいたことがあるのですが、その頃ちょうどコロナ禍で世間がちょっと暗いムードで。バッドエンドというものが読者さんに受け入れられにくい状況だったんです。「作品を読んだ読者さんがどういう気持ちになるか」を一緒に考えたり、「時代に寄り添った表現」を研究したりする上で「1作目でバッドエンドは避けた方がいいかもしれない」という結論に落ち着きました。

──作家さんのこだわりとどう折り合いをつけていくかというのが編集者の課題ですね。

仲俣さん そうですね。BLアワードから見る作品のトレンドや「今年はこういうものが売れている」という傾向への意識って、執筆でお忙しい作家さんより、比較的編集者の方が前のめりにチェックしていることが多いので。だからこそ作家さんに向き合う時は自分の意見も真摯に伝えるようにしています。

「本棚の中の特別な一冊を」


──「本棚の中の特別な一冊を」という言葉には、どのような想いが込められていますか?

仲俣さん これだけエンタメ作品に溢れている世の中で、少しでも長く大切に愛される存在でいられたら嬉しいよね……という気持ちで、丁寧に作品作りに向き合っています。誰かの胸に突き刺さる作品を作りたい! という気持ちで日々取り組んでいます。

on BLUE / from RED編集部が求める人材

──編集部、そして仲俣さん自身はどのような作家さんを求めているのでしょうか。

仲俣さん 基礎的な画力や構成力、魅力のあるキャラクターを描ける作家さんであることが前提条件です。その上で、ご自身の表現したいテーマやカップリング観、萌えへのこだわりを持ちつつ、それを読者さんに楽しんでもらえるように伝える力を持っている方ですね。

でも一番大事なのは、やはりマンガが好きなことです。作家の皆さんはマンガが好きだからこそ描き手になったわけじゃないですか。描くことで精一杯になってしまう気持ちも分かるんですけど、「マンガが好き!」という気持ちは忘れないでいてほしいなと思います。
まずは好きなマンガをたくさん読んで、たくさんインプットしてほしいです。インプットが多い作家さんの方が成長スピードが速いなと感じています。

まとめ

いかがだったでしょうか!
on BLUE / from REDが大人気レーベルとしての地位を築いてきた裏側には、創作や作家さんに対する熱い想いが宿っていましたね。
「面白ければなんでもあり!」という言葉にも、編集部が常に新しいものを追い続ける姿勢が表れていました……!

さて、後編ではヒット作『君の夜に触れる』制作秘話を語っていただきます!
なんともりもより先生は『きみよる』が初のマンガ執筆経験だったとか……!?

また、商業デビューを目指す創作作家さん向けのアドバイスもいただきました!
後編も必見の内容となっております!ぜひご覧ください♪

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