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UEFA Champions Leagueが面白すぎる!⑤(アンチェロッティの『戦術』論)

花璃です。
今日はこちらの続き↓です。

アンチェロッティって戦術なくないと思うけどな〜〜(寧ろめっちゃある)と思ったので英語のメディア中心にアンチェロッティの考え方を拾ってみようと思います。
わたしは翻訳家じゃないので自分訳してるけど許してね♡

ペップ・グアルディオラ:
わたしは完璧なポゼッションフットボールをする。インナーラップするウイングバック、同調的なプレッシング、相互置換するポジショニングの。」
アンチェロッティ:左眉毛ぴくり。

アンチェロッティの左眉上げる表情はよくネタにされてるけど、左眉*だけ*を上げてるわけじゃなくて、右の顔面神経麻痺だと思うんだよね。
ベル麻痺ってやつじゃないかと。

監督のストレスってすごいからね。

キーワード『Tranquilo』

アンチェロッティ監督(&選手代表)のプレスカンファレンスを英語で読んでいると、"stay calm"という言葉が出てくるんですが、それに当たるのがスペイン語では"Tranquilo"というみたいです。
ガーナ人のジャーナリストの方が紹介していたアンチェロッティの伝記?でも、アンチェロッティの監督スタイルのメインテーマになっているらしい。

CARLO ANCELOTTI
QUIET LEADERSHIP
winning hearts, minds, and matches
カルロ・アンチェロッティ
静謐なリーダーシップ
勝者の心、考え方、そして勝ち方

結構前の本だと思うんだけど、*・゜゚・*:.。..。.:*・'チャンピオンズリーグのレアルマドリードのオイル3連戦観た後だと黙示録みたいだわ'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
ジャーナリストの方のまとめがこちら↓

Quiet is a strength. There is power & authority in being calm & measured.”
静寂は強さである。静かさと威厳を保つことには力と権威が宿る。


Tranquiloはカルロの教え?

英語のTwitterだと、CR7がし〜〜ってしてる写真と一緒に"Tranquilos"言うコメントがついてるのをよく見るんだけど、アンチェロッティの教え子でバイエルンやエヴァートンにも連れて行ったハメス・ロドリゲスもよく使っているらしい。

今大会もエースとしての働きを期待されるハメス・ロドリゲスは「トランキーロ」という単語を連呼し、充実した表情で本大会への意気込みを語った。「トランキーロ」とはスペイン語で落ち着いて、冷静に、などの意味。ハメスは前回大会で得点王に輝いているが、この4年間で人間的にも一段と成長したようだ。

「トランキーロの合言葉で有名な…」
(中略)
「トランキーロ」とはスペイン語で「Tranquilo」と記述して、静か、安静、穏やか、などとの意味になるのだそうで、今回の場合はスポーツの試合などの緊張した場面で、あせるな!と、平常心を保つ意味で使われるのだそうです。

大舞台の、何れ劣らぬ優れた選手ばかりの中、大一番で平常心を保つことがいかに重要かってことなのかな。

ロナウドとイブラヒモビッチ「カルロは自分史上最高の監督」

Cristiano Ronaldo
"Carlo shows a hard face to the world but inside he's an unbelievable person. He's the best and most important people that I have met in my entire time in football."
「カルロは強面に見えるけど、信じられないくらい優しい♡僕のフットボールの世界でのパパはカルロだよ♡」

Zlatan Ibrahimovic
"After playing under so many different types of coaches, all different characters, in Carlo, I finally met the best coach ever."
あらゆる性格の様々なタイプの監督のもとでプレイしたが、カルロは漸く最出会えた最高の監督だった。

Sir Alex Ferguson
"He's a gentleman, but a gentleman with a purpose. He's not the guy who will dominate the room, but when he says something, it's worth hearing. Carlo is a good man and a great coach."
カルロは紳士的な男で、威圧感はなく口数も少ないが、言葉に力がある。ナイスガイで偉大なコーチだ。

ちなみにイブラヒモビッチの一番嫌いな監督がグアルディオラらしい。

二人のコーチ
アンチェロッティはプレイヤーたちに『彼らの』試合をさせ、ペップはプレイヤーたちに『彼の』試合をさせた。
最後に、『自分たちの』試合をした者たちが、試合を楽しみ、そして勝った。

ルカ・モードリッチ「アンチェロッティの一番の長所?それは彼の人となり。彼は自然体で、僕たちを初めから信用してくれた

ハーフのママさんの子育て動画で、
「心配するっていうのは、子供のことを信用してないってことだと思うのよね」
って言っていて、それだ〜〜って思ったんだけど、

ワンプレイワンプレイに一喜一憂するペップを見ると、
選手たちを『信用する』って名監督にはかなり重要な要素だな〜」
と思うよね。
(アンチェロッティがいかに名監督でも、信用に足る選手がいるビッグクラブでしか成功しない理由でもあると思うけど。)

CALM=tranquiloはカテナチオの系譜?

イタリアの伝統なのかわからないけど、現トッテナム・ホットスパーズのコンテ監督もcalm=tranquilo推しのようです。
一応、コンテ監督もアンチェロッティ監督も

アリゴ・サッキ→マルチェロ・リッピ
のカテナチオの系譜の継承者

なんだそうな。(*後述)
トッテナム対アーセナルのノースロンドンダービー(North London Derby)でアーセナルのアルテタ監督の負け惜しみがひどいとトッテナムのコンテ監督から弄られていましたが、

ESPNのパンディット(解説者)たちは「お前が言うな笑」って笑っていたけど、

コンテ「アルテタは新米の監督だがよくやっているよ。彼が愚痴愚痴言っているのをよく耳にするが、もっと自分のチームに集中して愚痴を言わないようにすべきだ。『落ち着け、仕事に集中しろ』というのが僕のアドバイスだが、彼が聞く耳を持たなくても一向に気にしないよ。僕はトッテナムの指導で忙しいからね

コンテ…カッコイイ…♡

これに関してはコンテが正論っていうか、自分が工作して試合延期にしたのに、負け惜しみ言いまくるアルテタ、マジで、じゃあ試合冬にやっときゃよかったじゃんって思うよね(⌒-⌒; )
(その頃のトッテナムはNSムラとかいうスロベニアのわけわかんないチームに負けるくらいマジボロボロだったしそのときやってれば多分勝てたでしょ。)

アルテタの就任以降、プレミアリーグで選手の退場が一番多いのは断トツでアーセナル(一発レッド9枚、イエロー2枚で退場含めると15回)なのは、ディフェンスの指導に問題があるんじゃないかと言われていました。
「1枚目のカードを貰ったら2枚目を貰わないように気をつけろとか言ってないのか?」
って。(カード2枚退場が6回もあるとうん。ってなるね。)

第2位はリーズユナイテッドで、イエローカードの枚数で行くと断トツ1位らしい。
このチャンネル↓では、

「選手層が薄く、ターンオーバーが出来ないので選手の疲労で守備対応が後手後手になっているのでは?」
と分析されていました。
(チャンピオンシップ(2部)に長くいたのでクラブにお金がなく、補強がなかなか出来ないらしい。)

話変わるけどコンテ×トッテナムめっちゃ合ってるし、個人的に推してるクルゼフスキ(アタランタ産の左利き!)も神補強だったし来季も絶対続投してほしいな〜〜♡
2TOP萌えとか言ってたけど、コンテスパーズの3TOPカウンターに出会って、単純に、堅守速攻でカウンターの綺麗なチームが好きなんだと自覚した。
CLもトーナメントで強豪と当たって勝ち上がれそうなのは断然スパーズだと思うから、CL権はコンテスパーズに取ってほしい!
ソン・フンミンのGIFもめっちゃ可愛いし、好き♡

日本にもこのレベルの選手出てきてほしいよね、本当に。

アンチェロッティの戦術論

「アンチェロッティには戦術がない」
「アンチェロッティの勝利は論理的じゃない」

という人がいるので、そんなことないよ〜〜と言うためにアンチェロッティの発言をまとめます。

アンチェロッティの哲学:『攻撃はクリエイティビティの領域』

アンチェロッティ:
監督の仕事?フットボールには攻撃と守備の二つの側面がある。
攻撃の側面はタレントによるもので、わたしは邪魔をしないようにしなければならない。ベンゼマにペナルティエリアのどこに立てとか、モドリッチにパスの出し方を教えたりは出来ないからね。

これは、フランス代表のデシャン監督(ユベントス出身で同じくサッキのカテナチオ学派)も同じこと言ってるんだよね。
攻撃のタレント(ばかり)を揃えてるマンチェスターユナイテッドに『戦術家』ラングニックが来て弱くなったのもその辺に理由があると思う。
俊足のフォワードが何人もいてせっかく堅守速攻の土壌があるのに、守備構築せずにプロトタイプのゲーゲンプレス(8秒以内に奪って10秒以内にシュート)を中途半端に始めたから守備崩壊して攻撃も雑になってロナウドがハットトリックしないと勝てないチームになっちゃったんだなって。

アンチェロッティの采配:「誰が試合を終わらせるか?」

後半にロドリゴとコンビで出てきて勝ち目のオイル3兄弟を阿鼻叫喚させたことで有名になりましたが、この二人が「スタメンじゃない」のにはちゃんと理由があります。
こちらはシティ戦2nd legの前日会見↓。

アンチェロッティ:
バルベルデかロドリゴか?
疑問は持っていないよ。長い試合になる。誰がスタメンかではなく、誰がゲームを終わらせるかが重要だ。

アンチェロッティは『延長戦になる』ことを前日から知っていたんですね〜

みんなの息子:ロドリゴ

ロドリゴのパパはブラジルの元プロサッカー選手で、17歳のときにロドリゴが生まれたから、チームメイトのルカ・モードリッチはロドリゴパパと同じ歳なんだって↓。

1月くらいにブラジル代表の試合観てたんだけど、ヴィニシウスが代表戦10試合0得点だったときに、ロドリゴが交代で出て来て、初出場10分で初ゴール決めたんだよね。
小柄でフィジカルが強くないから(この一年でだいぶゴツくなったけど)すぐ吹っ飛ばされるという理由であんまりスタメンで出てこないけど、メンタルだけで言うとヴィニシウスより鬼強だと思う。

ロドリゴちゃん、メンタルつよつよ発言:
「アンチェロッティは僕を送り出すときに『点を決めておいで。僕たちを勝たせてくれ』と言ったんだ。僕が決めるより先に相手に先制されてしまったけれど、約束を果たせた。とても嬉しい」
(City戦2nd leg後)「試合の前、パパにハットトリックするって約束したんだけど、2点しか決められなかった。もう1点は決勝のために残しておくよ」
(延長戦のPKのとき)「ベンゼマが『ハットトリックするためにPKキッカーを譲ってあげようか?』と聞いてくれたんだけど、『カリムが蹴ってください』と断った」

ベンゼマ「蹴らなくていい?」

ヴィニちゃんは速いし巧いんだけどあがり症っぽいところとか、相手のディフェンダーに虐められると動揺しちゃうところとか(もちろん、虐めるDFが悪いとは思うけど)まだまだメンタル弱いなと思うところあるけど、ロドリゴはその辺老成してるなと思う。
ペレ爺(ブラジルのフットボールの父?)とのツーショットとか普通にあって、この子は、『スターとして育てられた』(だから強心臓)んだな感がすごい。

政治力ありそうだし、おばちゃんは30年後が楽しみよ。

最終兵器:カマヴィンガちゃん

難民出身でお兄さんが美容師のカマヴィンガちゃん。

ドレッドヘアが可愛すぎて「キャマちゃん♡」と呼んでいるのだけど、彼はなんとまだ19歳!

オイル3タテの大どんでん返しは全てこの子の投入から始まっていると言っては過言ではない!

運び屋ドリブルと強烈タックルが持ち味で、サイドチェンジも巧い&強烈ミドルも持ってるという、フランス代表で言えば、

ポグバ+グリーズマン

みたいなチート級の選手なのです。
ただ、思い切りよく繰り出す強烈タックルがしばしばカードを誘発し、スタメン出場しても前半で交代させられたり、保守的なアンチェロッティ監督は怖がって後半からスーパーサブで使うことが多いようです。
これはボールに行ってるのでノーファールだけど↓、前半にやらかして一発レッドになったら困るもんね。

推進力のあるゴリブル(ゴリゴリのドリブル)が魅力の運び屋なので、タックル巧くて守備力あるけどアンカーとしてディフェンスラインの手前でじっとしてるのは得意じゃないのかな〜と思う。

カマヴィンガちゃん「カゼミロのアドバイス?僕がアンカー(6番)でプレーするときは、落ち着くように、後は、とりわけすぐにカードをもらわないように言われているよ♡

全然教えが生かされてなくて笑う。
キャマちゃんタックル癖直さないとスタメンで使ってもらえないよ〜〜
カマヴィンガは17歳でA代表デビューしてゴールも決めてるけど、今はU-21代表だけ出てるんだよね…。
もしかしたらデシャン監督もその辺(悪い意味の若さというか)を気にしてるのかなと思う。

ただ、(バロンドールの胴元の)フランスフットボールの表紙&巻頭インタビュー↑になったみたいなので、そろそろA代表また招ばれてもおかしくないし、カタールW杯はポグバ+グリエズマン+ラビオよりもカマヴィンガ+チュアメニがメインになるかもな〜とかは思う。

息子:ダヴィデ・アンチェロッティ

アンチェロッティはデータ主義とか科学的じゃないぽいこと言われるけど、アンチェロッティにはデータ番の有能息子がいます。
ダヴィデ・アンチェロッティというんですけど。

めちゃくちゃ大柄でまだ若いので、選手たちに混じってても全然違和感がないくらい。
いくつかな〜と思って調べてみたら、まだ32歳らしい。

ACミランユース(当時お父さんがトップチームの監督をしていた?)から小さなチームへのレンタル移籍などを経て、20歳で引退し、22歳頃からお父さんのアシスタントとして経験を積んでいたみたい。
この息子が何がすごいかというと、32歳で指導者歴10年超えで、しかもビッグクラブばかり!

■「パパもこれでやっと真の監督に」
ただ現在もバイエルンと契約中であるため、解任騒動について詳細は明かせないと話している。
「僕はまだ契約中だし、まだ話せない。仕事上、皆と良い関係を保てていた。解任されてこそ真の監督になれると言うが、僕のパパはシーズン途中で解任されたことはまだ1度もなかった。これでやっと監督になれたかもね。今回の経験も僕らにとって糧になる。今後? 分からないけど、パパはバンクーバーに戻ると思う。それから来シーズンから始動する。いつか僕も監督になるよ
ダヴィデは父の下、バイエルンだけではなく、パリSG、レアル・マドリーのスタッフとしても過ごした。3カ国で過ごした経験について感想を述べている。
「別の国だし、文化も違う。パリでは環境面で問題があった。成長中のクラブで、組織が整っていなかった。ユースのピッチにはシャワーもなかった。マドリードでは巨大な何かの一員であるかに感じられた。バイエルンは家族のようだった。主観的なことなので、どのチームが良かったとか悪かったとかはないよ」

聞くところによると、ドイツは随分前からデータ班が重要視されていて、対戦チームや自チームの分析に結構な人員を割いているらしいので、1年半くらいだけどバイエルンで過ごしたのは結構糧になってるんじゃないかと思う。
ここぞというときに、紙束片手に選手に耳打ちしにダヴィデさんをよく見かけるんだよね。
大監督のパパ(それなりに頑固)と、ビッグクラブの選手たち(プライドの塊)ともうまくやってるし、慧眼だし、将来有望だと思うけど、惜しむらくは選手経験が貧弱なのがどう出るのかな〜
パパが健在なうちは二人三脚で頑張ってほしいものです。


モドリッチ「偶然だけでそんなに何回もチャンピオン級の強豪倒せるわけないでしょ?勝手に考えさせておけばいいよ。そういう意見はフェアじゃないし、ただただ笑えるけど、誰にでも言いたいことを言う権利はあるからね!」

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