見出し画像

アニメ原画は理想的なコレクタブル資産

コレクタブル資産とは

 コレクタブル資産とは、「収集する楽しみのある現物資産」という意味ですが、言葉としてはまだ広く認知されていないことから明確な定義はありません。投資における位置づけは、株式や債券などの代表的な金融資産以外の資産の総称である「オルタナティブ(代替的)資産」の一種とされています。
 資産価値のある収集品をすべてコレクタブル資産とみなせば、世の中には実に多様なコレクタブル資産が存在します。美術品や骨董品など、古くから投資対象になってきたモノ以外にも、アンティークコイン、ワイン、ウィスキー、高級腕時計、スニーカー、トレーディングカードなどがコレクタブル資産に該当します。
 コレクタブル資産に投資する最大のメリットは、自分が好きなものを集めているうちに気づければ結構な資産になっているという点です。昔から、実益を兼ねる趣味として切手やコイン収集がブームになったことがあります。今でもアンティークコインや切手はコレクタブル資産として集めている人は多くいますが、資産として認知されてからの歴史が長いため、値上がりが期待できるレアコインやレア切手の価格はすでに大きく上昇しています。今から小遣い程度で買える安いコインや切手を集めても、残念ながら投資としてはほとんど期待できないのが現実です。
 実は、私は2021年からアンティークコインにも投資しています。たいして資金がないため、価格帯が比較的低い19世紀のイギリス銀貨に対象を絞っていますが、それでも投資を意識すると単価は数百万円になってしまいます。
 コレクタブル資産としてのアンティークコインの長所は、価値基準が確立しているため、値下がりしにくいことにあります。現物資産としてインフレの進行に伴って安定的に価格が上昇しやすいことから、資産保全やインフレ対策にはとても有効なコレクタブル資産だと感じています。
 その一方で、アンティークコインには弱点も少なくありません。レアコインは流動性が低く、売値と買値の差であるスプレッドが大きいため、短期的な売買には向いていません。無理に売ろうとすると、いわゆる手数料負けして損失が出てしまいます。
 流動性が低いため、コレクションの入れ替えに時間がかかることも弱点の一つです。一度買ったコインを損失を出さずに売るには、最低でも数年間は保有する必要があります。単価の高いレアコインを次々買い増すための予算が確保できないと、コレクションがなかなか増えないというジレンマも生じます。

私がアニメ原画を投資対象に選んだ理由

 価格帯が低く、小遣い程度で気ままに売買できるコレクタブル資産として私が辿り着いたのが、アニメ原画です。アニメ原画は、まだまだ資産価値があると思っている人が少なく、今であれば1カット数千円から数万円の範囲で購入できる作品が数多くあります。ヤフーオークションやメルカリなど個人間取引プラットフォームで盛んに売買されているため流動性も比較的高く、コレクションを簡単に入れ替えることも可能です。
 私は、投資する価格帯に応じて、アンティークコインとアニメ原画を使い分けています。私にとっては、アンティークコインもアニメ原画も同じコレクタブル資産であり、根本的な違いはないと思っています。どちらも好きで集めているモノなので。
 コレクタブル資産は、楽しく集められることが大前提です。コレクタブル資産の代表例としては、腕時計、ワイン、ウィスキー、切手、トレーディングカード、骨董品などがすぐに思いつきますが、自分が好きであれば何を投資対象にしてもいいと思います。まあ、骨董品の場合、真贋を判定するのが難しい面もあるので、実際に投資対象にするには、それなりの専門知識が必要になってきますが。
 私は過去に切手やコイン、腕時計などに興味を持って市場を調べたことがあります。どのコレクタブル資産にも一長一短があって、その中からアンティークコインを投資対象に決めました。決め手は、1980年代後半から第三者鑑定機関による鑑定制度が普及して、投資の環境が整ったことでした。
 アメリカではディズニーの古いアニメ映画のドローイング(日本の原画に相当)が鑑定の対象になっていて、最近では紙幣やトレーディングカードなど紙で作られたコレクタブル資産も鑑定されるようになってきています。これらの動きが日本アニメの原画にも適用されるようになれば、アニメ原画はコレクタブル資産として認知されるようになるのではないかと期待しています。
 様々なコレクタブル資産を比較検討してみて、アニメ原画こそが私にとって理想的なコレクタブル資産であるという結論に達しました。ここで注意していただきたいのは、あくまでも「私にとって」という点です。おそらく、コレクタブル資産に興味のある人が100人いれば、何が理想的なコレクタブル資産かという質問に対する答えは、おそらく何十通りにも分散されるでしょう。自分には何が最適なのかを自分で見極めることが重要なのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?