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初めての大腸内視鏡検査

生まれて初めて、大腸内視鏡検査を受けてきたので、その記録。

なぜ検査を受けようと思ったか

職場の定期検診や、自治体から送られてくる検査の中に、必ず入ってくるのが「便潜血検査」。提出日の2-3日前から2回、便の表面をこすってサンプリングして、もって来なさい。というもの。これ、2回分提出できたことが一度もない。なぜなら、いつも便秘と下痢を繰り返していて、下痢の時はサンプリングできないから。そして排便時間も全く一定ではないので、検査キットを持っているとき(=自宅)排便するとは限らないから。

もちろん胃腸科には通っていて、ガスモチンとセレキノン(のジェネリック)と整腸剤のミヤBMは飲んでいる。噂の万能胃腸薬・六君子湯のお世話にもなっている。でも、飲まないよりはマシといった状態が続いている。便秘すれば酸化マグネシウムも飲む。

去年初めての人間ドックを受けたとき、オプションで大腸内視鏡検査(下部消化器内視鏡検査)をつけようとしたら、日帰りではできなかった。だから今回、意を決して、大腸内視鏡検査だけやろうと思った。

予約の為の予約

内視鏡検査を予約するためには、一度診察を受ける必要がある。その診察も、このコロナ禍では完全予約制。ということで、検査予約の為の予約を取る。まずここが難関。

検査を受けるには自宅の近くが良い。なぜなら自宅で下剤を飲んで、大腸をきれいにしてからクリニックに向かうから。ということは、初めての診察のために仕事を休むか遅刻/早退する必要がある。

いろいろ悩んで、朝イチに診察→出勤することにした。2時間の遅刻。

初診にて

古いビルで外観は決してきれいでは無かったけれど、入ってみたら木目調に統一されたオシャレなクリニックで、高級感もあり、なんだか想像していたのとは違うセレブな空間だった。検査、自費になったら高そうだなぁ。

まず、渡された長い問診票を書いた。薬はいろいろ飲んでいるので、おくすり手帳を渡して看護師さんに書いてもらった。この時点で30分経過。

診察室では問診。なぜ検査を受けようと思ったのか(下痢と便秘を繰り返していること、潜血検査がまともにできないこと、一度も大腸検査を受診したことがないこと)、今通院しているクリニックの話(処方を見たら誰だかわかった模様。すごい狭い世界)。

別室で看護師による説明。前日の食事、モビプレップの内服のしかた、当日のスケジュール、注意点(自転車や車で来てはならない)を資料とともにていねいに解説いただいた。

そして日程調整。なんと1か月以上先まで予約が埋まっているというではないか。ここはほぼ内視鏡検査専門クリニック、それでも、そんな状態なのか。直近で予約できる日から先で、休める日を探して、その日で予約。けれど手帳を忘れていたため(希望日で受診できるとなぜか思っていた)、数時間後に変更を申し出た。手帳必須。

最後に採血をしておしまい。資料とモビプレップを持って出勤した。

前日の食事

朝は普通に食べた(実はキノコ食べちゃだめなのに、エノキ入りの味噌汁を飲んでしまった)。

昼。つゆがすくないかけうどん+温玉+揚げ玉+薬味の「釜玉うどん」をオーダーして、「うどんと卵だけにしてください」と謎の注文をかける私。当然だけどお腹空いた。揚げ玉は偉大だ。

夜。19時に退勤、20時過ぎに帰宅。本当は20時までに夕食を済ませる必要があるのだけれど、21時までに食べ終わることにして(良い子は真似しないでね)、ここからおかゆを作る。卵と出汁とごはんだけのシンプルおかゆ。

21時、プルゼニドの服用時間。と、そこにもう1包アローゼンがステープラで止めてあり、「前々日21時」と書いてある。あらら、やってしまった。「プルゼニド アローゼン」で検索すると、両方処方される例もあることを知る。有効成分一緒だし、今日も少ししか排便していないし、えーい一緒に飲んでしまえ(良い子は真似しないでね、再)。

前日の準備

アローゼンの存在をすっかり忘れていたぐらいなので、他にも忘れていることがあるに違いない、と、モビプレップの説明書を読む。「前日の夜調整して冷やしておくと飲みやすい」と書かれている。そっか、冷たい水には溶けにくいから常温の水で溶かすのだけれど、それを冷やしても析出するほどでは無いのだな。

まず、★まで水を入れる(ここで子どもが「お手伝いするー」と参戦)。平らにして水を押し、B室の壁を破って、粉をA室に送り込む。水圧でB室の壁を破るのだけれど、子どもの手が小さすぎて圧がかからず断念。せーの、で一緒に押した。

良く振って溶かす。袋なので持ちにくい。でも、がんばる。なんとか溶けたので冷蔵庫にin。

いつもは夕食後はコップ1杯の水しか飲まないけれど、今日は食事も少なかったから2杯に増量。トイレに起きなければ良いのだけれど。

当日の朝

子どもの食事を出し、私はお茶を飲む。水以外にお茶なら飲んで良いというのはありがたい。ここでジャスミンティー買い忘れたことに気づく(お気に入りのお茶用意してくださいね、と言ってもらっていたのを、すっかり忘れていた)。

学校に送った後、1時間早いけれどモビプレップ開始してみた。と、その前に、最終確認したら、水が1L しか入っていないことに気づく。ダメじゃん、全部で2 Lだって言われたじゃないか。慌てて、足す。キンキンに冷えていたモビプレップが、少し常温に近づいた。

コップ1杯を10-15分かけて飲む、というのが地味にめんどくさい。洗濯をしたり食器を洗ったり、ゴミ出しや掃除をしたり、しながら飲んだのだけれど、途中で「飲まなくちゃ」となると、今何をしていたのかわからなくなる(ダメじゃん)。

コップ1杯飲み終わって、もう1杯お茶を飲んで、しばらくすると、最初のお通じあり。ただし、固形物が出たのはこれが最後、次からは下痢状態。急にもよおすから、狭い家でもトイレに間に合わない事態になる。こりゃたいへんだ。

コップ1杯ずつ、モビプレップとお茶を交互に飲み続け、気づけば1時間経過。もう水しか出ない。ここで思い出したのが、通院している胃腸科で撮ったレントゲン写真。私のは通常より上まで伸びて長くなっている大腸に、「ここ、詰まってますね」と言われたあの写真。固形物少ししか出なかったのだけれど、これって大丈夫なんだろうか。検査できませんとか言われないんだろうか。

あんまり不安なので電話をする。全然出てくれない。検査日間違えたのかと思うほど電話に出てもらえない。軽くパニックになる。しばらく待ってもう一度掛けたら、やっと受付の人が応答してくれた。看護師さんに代わってもらい状況説明。「それで大丈夫ですよ」その言葉、わかった、信じるよ。

最後のモビプレップを飲んでから1時間後に、移動開始。

クリニック到着

検査順は2番目なので、すでに検査室に人がいる状態だった。もう一度だけトイレに行かせてもらってから、個室に案内される。ストレッチャーと収納棚があるだけの空間に案内される。めちゃくちゃ狭い。

お尻に穴が開いたパンツと、検査着。いずれも紙製の使い捨てに着替える。看護師を呼ぶと「血圧測りますねー。寝てください。」大人二人座る空間も無いから、そうなるな。

鎮静剤などを投与するために、留置針が入れられる。私の左腕は静脈が蛇行しているらしく、よほどのつわものでない限り針を入れることができない。ここでもやはり失敗し、肘の内側に入れることになった。肘を曲げると点滴止まっちゃうので、曲げないでくださいね。と。そんな方法で良いのなら、次からここに刺してもらうよ。いつも両腕針跡でたいへんなことになるのが常だから、これは良いことを聞いた。

前の人が終わらないのでそのまま待つ。軽く眠るほど待たされた。検査室から声が聞こえてくる。「終わりましたー。ポリープ8個取りましたー」え。8個って。そんなにたくさんあったから時間かかったんだな。

検査室へ

ストレッチャーで運ばれると、着いた先には看護師が4人もいて、一斉に襲われた(誤)。これから入れるくすりの説明。注射器3本で、次々と入れていく。ぼーっとする薬(ミダゾラム)のおかげで本当にぼーっとしている間に、知らぬ間にカメラが入れられ、一番奥に到達していた。

回腸接合部から撮影開始。どうやら動画は撮っていない模様。静止画を撮影すると別の画面に見えるので、あぁいま撮ったんだな、というのがわかる。赤くなっているから、と、生検。パっと血が出る。痛くはないけれどなんだか違和感がある。あぁこれで今日は禁酒決定だ。

カメラを抜きながら撮影を続けていく。心配した便の残りは全く無く、憩室も無く、宿便って嘘じゃん。と思いながらぼーっとしていると、S字結腸のところでまた生検。何か言っていたけれどよく覚えていない。もう終わりだな、と思ったら直腸で何かを見つけたらしく、「ランソプラゾール飲んでますか?」と突然薬の名前を出される。いや、おくすり手帳出しましたよね私。「飲んでませーん」と答える。ここで3回目の生検。

検査後

「終わりましたーお疲れ様ですー!」と、ストレッチャーで再度個室に戻される。ここで30分~1時間寝るらしい。と思っている間に、すぐ、寝た。

看護師さんがこちらを見ているのに気づいて起きた。「目が覚めましたねー、ゆっくり起きて、ゆっくりお着換えしてください。」着替えて、荷物をまとめて声をかける。個室たちの隣に小さな面談室があって、そこに通される。

ホームパイと麦茶があった。食べて良いと言われてないけれど速攻開封。もう腹ペコすぎて。

再度血圧を測って、「食べ終わったら待合室でお待ちください」と指示されたので、誰もいない待合室で待つ。すぐ、医師に呼ばれた。

検査後の説明

まず、血液検査の結果を渡された。すっかり忘れていたけれど、HepBの抗原、HepCの抗体検査もしていたんだった。

もう1枚のA4用紙には、大腸の絵に吹き出しがついて、今日撮影した写真がたくさん載っていた。こういうの出力するシステムがあるんだな、すごいな。

生検(生体材料検査、biopsy。組織を少し取って顕微鏡検査すること)3つした場所と、理由も一言コメント付きで掲載されていた。

直腸に遭ったのはcollagenous colitisまたはcollagen bandと見られるため、PPI飲んでいないか質問されたのだった。「NSAISs飲んでますか、ロキソプロフェンとか」と言われたので、「そっちじゃなくて、イブプロフェンを先週3日ほど飲んでいました。コロナワクチン打ったので」と答えると、「イブプロフェンってNSADsでしたっけ?...ま、いいや、あとで調べます」と。学位取って論文たくさん書いて学会発表もしている先生なのに、薬の知識ってこんな感じなんだなぁ。

生検の結果が2週間後なので、その先に予約を入れるように言われた。

お会計

16,000円+600円だった。(600円は自費分。何か言われたけれど忘れた。)費用案内に書いてあるよりだいぶ高い。あとで明細を見たら、生検3カ所で3割負担1万円以上かかっていた。これ、1カ所いくらで課金されるのね、そりゃそうか。

ってことは私の前にポリープ8個取った人は、いったいおいくらだったのだろう。日帰り手術で医療保険申請できるのかな、なんてことまで心配していた。(契約に寄ってはできるらしい。)

18時間ぶりの食事

お腹の負担にならないよう、消化の良いものを食べてください、と書いてあったのに後で気づいたのだけれど、実際には餃子をたくさん食べました。だって食べたかったんだもの。案の定、腹痛に襲われました(良い子は真似しないでね、再再)。




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