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COVID‑19陽性になった話

第9波、一家全滅しました。


発症~発熱外来受診

木曜日の朝、主人が「熱っぽいから何か薬」と言ってきた。発熱時の体力消耗に飲む栄養ドリンクを渡した。

金曜日の夜、主人が「熱がある」と体温計を見せてきた。38度超。そういえば私も今日は日中、喉が痛くてイブプロフェンを飲んでいたっけ。ということで直感的にコロナだな、と思ったので、以前東京都から配布された抗原定性検査キットを出してきた。自分で鼻腔粘液を採取・抽出してクロマトにかけるキットだ。
私自身は以前試しに使ってみたことがあるので、使い方を軽く説明した。自分で鼻に綿棒を入れることに抵抗があるらしく、しばらくそのキットは放置されていた。
1時間ぐらい経ったころだろうか、見に行くと、机の上に検査結果が出た状態で置かれていた。結果、陽性。C(コントロール)よりもくっきりはっきり濃い線が、T(テスト)に出現していた。

さて、どうしたものか。

「東京 コロナ 陽性」

で検索してヒットした、東京都新型コロナ相談センターに電話してみた。24時間対応の電話窓口は、5類移行後も健在だった。ありがたい。

すぐに繋がった相手に、事情を説明した。東京都から送られてきた検査キットを使ってみたら陽性だったこと、発熱が38.5度あり、咳が出る以外は特に症状もなく、意識は明瞭、呼吸は正常、顔色も悪くはないこと、かかりつけの医療機関などを、聞かれるままに応えた。すると、明日(土曜日)の朝発熱外来を受診するよう言われた。
「発熱外来」の探し方を説明してくれたので、電話口でスマホで検索してみた。半年ほど前、子どもが熱発したときに診てもらった近所のクリニックも、リストに入っていた。

電話を切って、明日の仕事について話をする。時間は22時、今から代わりの人を探すのはたいへんだろう。けれどコロナの感染力をなめてもらったら困る。まず連絡の取れる人に連絡するよう伝えた。
主人の反応は鈍い。これは黙って仕事に行くつもりだ、と察する。

翌土曜日の朝。主人は予想通り仕事に出かけた。そんなことだろうと思ったよ。そしてこれまた予想通り、私と子どもも熱発。

昨日のうちに子供には、明日発熱したら発熱外来行くよ、と覚悟をさせておいたので、粛々と手続きを始めた。
昨晩教えてもらったサイトに、近所のクリニックは「web予約」と書いてある。37.5度の発熱でぼーっとした頭をフル回転させて思い出したのは、子どもが発熱外来を受診した時、確かLINEで連絡をとったこと、だった。

よし、LINEのお友達検索だ。すぐ見つかった。「発熱外来を受診したい」旨メッセージを送った。自動応答メッセージが届いた1分後に、「スタッフが確認して折り返し連絡」というものも届いた。診察開始まで1時間あるというのに、すでに出勤しているのか、あるいは院長直々にLINE対応しているのか。
保険証の写真、名前や生年月日、いつから症状があるか、子どもの体重、など、定型文の質問事項に応えた。回答に10分かかった。

送信するとまた1分後に、来院時間を指定された。診察開始前に診てくれるようだ。
治ってから落ち着いてニュースなどを読んでいると、発熱外来予約取れない、とか、受け入れ拒否、といった話をよく目にするので、この時はLINEであっさり予約が取れてしまったありがたさを実感することもなかった。

発熱外来は、外来の(通常の)入り口ではなく、通用門のようなところで待つよう指示された。

子どもをたたき起こして着替えを済ませ、クリニックに着いた。外来の入り口には数名が列を作っていた。私たちの指示された場所には…パイプ椅子が2脚置かれていた。インターホンで中の人を呼び出すと、すぐに行くからここで待つよう、顔も見えない小窓から話しかけられた。

パイプ椅子に座って待つ私と子ども。

水色の防護服とフェイスガードを付けた院長先生が、どこかからやってきた。長い綿棒を2本持っている。それを見とがめ、半年前のことを思い出して逃げ出そうとする子ども。

「どちらから?」と聞かれたので、もちろん私から、でお願いした。1年前に人間ドックに行った際、コロナの検査で鼻に綿棒入れられるのは経験済み。でもさすが耳鼻科医、その時よりははるかに楽(もちろん痛かったけれど)な検査だった。そして子ども。軽く抵抗されたものの、すぐ観念して検査を受けた。

PCRの結果が出たら電話するけれど、今日は混んでいるから2~3時間、いやそれ以上かかるかもしれない。診察時間は14時半までだから、それまでには連絡する。と、説明された。おくすり必要ですか?と聞かれたので、私の分はまだイブプロフェンがあるから不要であること、子どもの分は欲しいことを伝えた。

気休めに咳止めやのどの痛みの薬を出さないところは、好感が持てた。が、一時期話題になっていた、コロナに効く経口抗ウイルス薬というのはどうなったんだろう。私も子どもも基礎疾患は無いから単なる軽症患者、出してもらえないのか、残念。

結果発表~

14時半まで電話の着信を待つも、電話が来ない。おっかしいなぁ...とLINEを見ると「電話したけれど繋がらない」旨のメッセージが10分前に届いていた。おや?と最初に送ったメッセージを読み直してみたら、私が入力した携帯番号が間違っていた。…タイプミスだ。
慌ててクリニックに電話するも、すでに14時半を過ぎているため留守番電話が応答してしまう。そうか、やはりLINEか。
メッセージを送ると、すぐに電話が来た。

お二人とも検査結果が出ましたので、先ほどの発熱外来窓口に来ていただけますか。どちらがいらっしゃっても構いません。お母さまの方だけお会計は〇〇円です。お釣りの準備がありますので、今現金確認していただけますか?

この時すでに体温は38度を超えていた。ふらふらしながら財布の中身を確認し、△△円用意できたからおつりが欲しい旨伝える。鼻に綿棒突っ込んで新型コロナとインフルエンザの検査を受けるのにかかった費用は、4,000円と少しだった。

着替えてクリニックへ。小さな紙片を2枚渡され、
「お二人とも、コロナ抗原検査は陽性、インフルエンザ陰性です(ですよねー。)」「療養期間は〇月〇日までです(5日間ね。あ、発症日=昨日でカウントしてるわ。)」「お子さんの方だけ解熱鎮痛剤の処方箋出ていますので、お隣の薬局さんにお持ちください。(今日この状況でほかの薬局に行く勇気はないな、さすがに。)」
そして会計を済ませた。

処方箋の欄外には、赤いボールペンで+に〇がついていた。コロナ陽性のメッセージなのだろう。薬局に持っていくと、薬局の外で待つよう指示された。暑いし熱いしふらふらしながら薬局の外でしばらく待っていた。
先ほどクリニックでもらった紙片の写真を撮って、子どもにLINE。即、「パパきらい」と返事が来た。

カロナール5錠だったのですぐに調剤され、薬剤師さんが持ってきてくれた。
「お母さんもうつるといけませんから、大変だと思いますが、気を付けてください」とかなんとか言われた気がする。処方箋は子どもだけだし、私が検査したかどうかの情報もないのだから、そうなる。なんだか申し訳なくなって、お互いマスクはしているけれどなるべく近づかないようにして、子どもの薬とおくすり手帳を受け取った。

体温急上昇

解熱鎮痛剤は1日3回、は守ることにしている(2年前に大腸内視鏡検査をしたとき、NSAIDsの膠原線維性大腸炎( Collagenous colitis)を指摘されてからというもの、NSAIDs怖い。になっているから)。ということで、体温はぐんぐん上がって夜には39.7度を記録。20歳ぐらいのときにインフルエンザで高熱出したとき以来の、39度超えだ。

気づいたら夜になっていた。さっき(15時)クリニックに行ったばかりだと思ったら、眠っていたらしい。食欲もないのでひたすら横になっていた。子どもも38度超えているから静かにしている。あるいはここぞとばかりにYouTubeか何かを観ていたかもしれないが、どうでも良かった。

22時頃、主人が帰宅したようだ。なぜかアクエリアスのゼロカロリーと水のペットボトルを買ってきた。そこはカロリーありを買うべきではないか。ブリタのおいしい水があるのになぜ水のボトル買うのかも謎だった。
今日の出勤で咳がひどいのを咎められ、明日からの仕事はキャンセルになったようだ。しかも理由が「奥様がコロナのため」に、なっていた。

順番、逆だろが。

夕方寝てしまったので眠れないかと思いきや、確かに何度か途中で起きたものの、無事朝を迎えた。体温は38度台まで下がった。どうやらピークは越えたらしい。重症化しなくて済みそうだ、良かった。

みかんで生きた日

日曜日の朝、9時頃、玄関から主人が外出する音が聞こえた。しばらくするとスマホにメッセージが来た。「何かいる?」スーパーからだった。
そっか、1日以上早く発症しているから、もう主人は平気なのだな。

オーストラリア産のみかんのような果物(マーコット?でも旬は秋になっているぞ)をリクエスト。ちょっと高価だけれどそれしか食べたくないから贅沢させてもらった。
冷蔵庫に入っていた、たらみのみかんゼリーともども、みかんで生きた日。

病人と言えば、おかゆ。

月曜日の朝。まだ38.7度ある。発熱期間、長いな。
職場の健康管理室に電話をした。すでにメールは入れてあったので、名乗っただけで「コロナの件ですね…職員番号をどうぞ」とさっそく聴取が始まった。発熱、咳、倦怠感が強いことなど説明する。出勤停止(休業ではなく特別休暇扱い)は医師の診断と同じ日数とすること、朝晩の体温測定を続けること、水曜日に電話すること、など言われた。がんばって集中するようには務めたけれど、やはりまだまだぼーっとしながら聞いていたので、何か他にも言われたかもしれない(ダメじゃん)。

主人がやっと発熱外来へ行く。なぜか近隣クリニックではなく、かかりつけ医のいる病院(自転車で30分かかる)まで出かけて行った。病院の外にテントが張られていて、すでに解熱していたので解熱剤ももらわずに帰ってきた。
帰りにスーパーから「何かいる?」と聞かれたので、昨日食べきってしまったみかんと、味の素の白がゆをリクエストした。けれど、そのスーパーには置いてなかったので、はくばく の白がゆをリクエスト。病人、おかゆ食べたくなるのだな。こんな時じゃないと 白がゆのレトルトパックなんて欲しくない。
この時急に思い出したのだけれど、カナダに居た時のルームメイトが風邪ひいて、ぐっだぐだに煮たオートミールを食べていた。「風邪にはオートミールでしょ」と言っていたっけ。そういえばオートミールもおかゆも離乳食だな。

子どもはこの日、お友達のお誕生日会に招待されていた。コロナ陽性ではさすがに出席できない。「学校行けないし、お誕生日会もいけないし、塾もダメ、熱下がんないし、もう、やだ。パパ嫌い。」と、何度も怒っていた。

私は夜になって、解熱剤の力も借りたうえで、やっと36度台まで下がった。解熱剤ありがとう。
咳のしすぎで体中が痛い。そしてひたすら、だるい。

社会復帰への道

火曜日。朝、解熱剤無で37.5度だった。けれどここへきて、咳に加えて頭痛がひどいから解熱鎮痛剤を飲む、になっていた。朝飲んで、14時頃また飲んだ(一応4時間は空けた)。片頭痛もちだけれど、今の頭痛はちょっと違う。なんだか頭全体が、中から押されるように痛い。

倦怠感がひどくてスマホすら見る気にならず、ここまでひたすら寝て暮らしていたが、さすがに洗濯物がたまりすぎて洗濯機からあふれそうになったので、洗濯だけはすることにした。
起き上がってみたら、筋力の衰えを明らかに感じた。「社会復帰できるかな」とつぶやいたら、「ストレッチすれば?」と、子どもに脚痩せストレッチを教えてもらう。いや、今やりたいのは脚痩せじゃなくて筋力UPなのだけれど...この際どっちでも良いや、実際効いているし。

子どもはすでに療養に飽きていて、体温も平熱になっていた。小児の回復、早い。

主人はもともとの通院日だったので、今日は電話診療にしてもらったらしい。昨日発熱外来を受診したことを知った医師は、「くすり出そうか? え、発症木曜日? もう発熱してないの? じゃあ出せないね...」と、どことなく残念そうな声色に聞こえた。やはり基礎疾患ありでハイリスク認定されると、経口抗ウイルス薬投与対象者になるようだ。
この日初めて電話診療というものを受けたが、普段院内処方を受けている薬は、レターパックで送られてきた。(ところで会計はどうしたのだろう? websiteにも「電話でご説明します」としか書いてないぞ。)

もう1日休暇が延びた

水曜日。朝、36.8度。職場の健康管理室に電話をすると、朝晩の体温測定結果を読み上げるよう言われた。そして、最後に解熱剤を飲んだのはいつか聞かれたので、正直に「昨日の昼過ぎ」と答えた。すると、解熱剤無しで37.5度未満が1日経過していないと出勤停止を解除できないと言われ、明日も休むことになってしまった。
…発熱がつらくて飲んだわけじゃないのに、頭痛なのに。

子どもはリモートで授業に参加した。実は昨日や一昨日もリモートで参加するという手段はあったのだけれど、昨日までは「だるい。ヤだ」と言っていた。
タブレットを通して久しぶりにクラスの仲間に会えて、嬉しそうにしている。

私は…汗をたっぷり吸ったシーツをやっと交換して、少し部屋の片づけをするなど、からだを動かし始めた。
久しぶりにスーパーで買い物もした。5類になる前は、療養期間中は外出自粛要請されていたんだったよな、と思いながら。「発症後3日間は、感染性のウイルスの平均的な排出量が非常に多く、5日間経過後は大きく減少する」「発症後5日間が他人に感染させるリスクが高い」と厚労省のサイトに書いてあるので、もちろんマスクはちゃんとしていたし、セルフレジを使って店員さんの手を煩わせることもしなかった。まだ食欲もないので大した量を買ったわけではないのだけれど、久しぶりに来るスーパーで動線を間違えて、非効率な買い物をしてしまった。

明日復帰決定

木曜日の朝、もう平熱になってから2日半経つ。昨日の反省を踏まえて、頭痛はひどいけれど丸一日頭痛薬飲まずに暮らしてみた。体温の推移を報告し、明日から出勤可能とする判断が下った。咳と頭痛がひどいことを申告すると、症状がある間は不織布マスクをするよう指導された。言われなくてもするつもりだったが。

昨日交換したシーツやカバーを持って、コインランドリーへ。家族分のシーツやカバーをまとめて洗うのにコインランドリーは便利だ、ということを悟ったのと、近所にインターネットで空き状況を公開しているコインランドリーができたのとで、ここ数年通っている。コロナ関係なく。
ベッドの敷きパッドは、洗濯自体は可能だけれどタンブラー乾燥できない。おもいっきり×がついている。でも低温乾燥で乾燥機にもかけてしまっている。脱水までで止めてしまったら、水を吸った重たいものを持ち帰ることになるじゃないか。タンブル乾燥不可の理由を検索すると、縮むから、のようだ。乾燥機自体にダメージを与えてしまうわけではないらしいことがわかったので、もちろん自己責任で実施させていただいている。

コインランドリーを2往復したら、少しはリハビリになったようだ。動けるって、ありがたい。
食欲は戻ったけれど自分のためだけに料理する気力が無く、お昼はカップ麺にした。栄養バランス? そんなの元気になってから考える。

子どもの登校停止は昨日までだったので、今日から学校に行った。5時間授業で帰ってきた子どもは、「疲れたー!」と、本当に疲れて帰ってきた。5日間家に閉じこもっていたら、そりゃ疲れますよ。
でも、子どもでこれじゃあ、私はどうなっちゃうんだろう、と不安になった。

私より解熱は早かった子どもだけれど、後遺症として味覚障害がひどかった。「味がしない」~「味がほとんどしない」が1週間ほど続いた。

社会復帰。

先週土曜日から6日間休んで、金曜日の朝、出勤した。咳き込むことがまだまだあるので、職場では常にマスクをしていた。ランチも一人で食べた。痰がからんでいるので、この咳はまだまだ長引きそうだ(実際この後1週間ほど続いた)。
出勤しただけで一日分の体力を奪われてしまい、デスクワークだけの日にしたけれど効率は悪く、生産性の乏しい日になってしまった。コロナ罹患を経験した人も多いので、温かい目で見守ってもらえたことには感謝している。









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