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ISOMゲームの遊び方 (How to play ISOM game)

本記事はオリエンテーリングアドベントカレンダー(裏版)の10日目の記事です.

初めまして,東京大学2018年入学の藤原です.所属はKROKです.一応トータスにも入っているそうですが今のところ何もしていません.

私はOLK外部の知り合いが少ないので私のことを知らない方がほとんどかと思いますが,去年の関東ロングセレの競責をやったり,去年度の全日本スプリント(@井頭公園)の会場パトチをやったりしていたのでもしかするとそこでお会いしたことがある人はいるかもしれませんね.

さて,本日は現在東大OLK内で圧倒的なブームを巻き起こしている(?),ISOMゲーム(読み:あいそむげーむ) という遊びについてお話したいと思います.オリエンティアはもちろんオリエンテーリングが好きですが,競技としてのオリエンテーリングから派生したちょっとした遊びというものも数多く存在し,世界各地のオリエンティアによって好んで遊ばれています.

例えばコントロール位置説明記号をそれぞれ小さな紙に印刷して机に広げ読みあげられた記号の札を取る「デフかるた」や,ISOM記号を出題しその最小寸法を答えるクイズのような遊び「最小寸法ゲーム」などは有名どころで,オリエンティアの皆さんなら一度は遊んだことがあるのではないかと思います.しかし近年新たに生み出されたこのISOMゲームはそれらに負けずとも劣らない競技性・戦略性・面白さを備えていて,一部の東大OLK 出身者の間で熱狂的な支持を受けています. ここでは 「ISOM ゲームルールブック」と称して,この魅力的なゲームの遊び方について解説していきます.

注意:この記事はとても長く(約9400字),またこのゲームのルールはかなり難解です.ぜひ暇なときに読んでください.ちなみに3章さえ読めばこのゲームは一応遊べます.


1. はじめに

ISOMゲーム (International Specification for Orienteering Maps game) は2019年の夏頃に私の東大OLKの同期である Motoharu Ito氏によって考案された遊びです.彼はのちにWOC (World Orienteering Championships) に出場するほどの有力選手となったわけですが,その数ある要因の一つにはISOMゲームによって培われた地図記号に対する深い見識があったと言われています[Fujiwara et al., 2023].

ISOMゲームは東大OLK内で一時期流行したのちその人気は下火となっていましたが,近年若手(と言っても今の3年生の代ですが)を中心に再び流行し,日々熟練のISOMerたちが鎬を削っています.私はISOMゲームが開発された当時からの古参ISOMerの一人としてそのルールを文章の形に落とし込み,この裏アドベントカレンダーの場をお借りして全国各地のオリエンティアの皆さまに向けて発信することで,ISOMゲームの更なる普及を目指したいと考えています.


2. ISOMとは何か -What is ISOM-

まず今更ですが,知らない人のために簡単にISOMとは何かという説明をします.

ISOM とは International Specification for Orienteering Maps の略であり,その名の通りIOF(国際オリエンテーリング連盟)が定めるOmapの国際規定です.普段私たちが読むフォレストのOmapの記号(等高線,岩,B ヤブ …)は基本的には全てこの規定の中で定義されたものになっています.(スプリントの地図は ISSprOM など,また別の規約に準拠しています.)

ISOM を読んで地図記号の意味を理解することはもちろん普段オリエンテーリングの競技をするときにも役に立ちますが,特に地図調査をする人はこの規定の内容を隅々まで深く理解しておく必要があります.そのため調査者はISOM を一日一回以上音読することが推奨されています[Nemoto, 2018][Goto, 2018].

https://www.orienteering.or.jp/archive/rule/isom2017-2.pdf

↓ 私の最も尊敬する先輩の一人であるKarin Nemoto氏が執筆した,ISOMに関する過去のアドベントカレンダーもどうぞ!


3. ISOM ゲームのルール

早速ISOMゲームの詳細なルールを説明していきます.

初めに理解しておく必要があるのは,ISOM ゲームは飲みゲーである「マンションゲーム」を元に生み出されたゲームである,ということです.飲みゲーというのは知っての通り,飲み会で輪になって行う簡単な遊びで,負けた人は目の前のコップを飲み干し,次のゲームでリベンジを図るというものです.代表的なものとして山手線ゲームが知られています.

マンションゲームはその中では比較的メジャーな部類で,広く遊ばれています. マンションゲームのルールは細かい派生があって非常にややこしいのですが,まずは ISOM ゲームの骨組みとなったものについて説明していきます.インターネット上に存在する説明だとこれが比較的近いですが,今回説明するものはこれとはまた異なるバージョンなので注意してください.

マンションゲームのルール

マンションゲームではまず「親」を決めます.大抵は直前のゲームで負けた人が親となります. ここではAさんBさんCさんDさんの 4 人が時計回りに座っている場合を考え,A を親とします.

ゲームはマンションの1階から始まります.A:101,B:102,C:103,D:104 と親から順に部屋番号が暗黙的に与えられます.ゲームが始まると 親のA は「(自分の部屋番号) から (任意の誰かの部屋番号) へ!」と叫び,次は自分の番号を呼ばれた人に手番が移ります.その人も全く 同じように,「(自分の部屋番号) から (任意の誰かの部屋番号) へ!」と叫び,これを誰かが間違えるまで繰り返していきます.

“任意の”誰かの部屋番号と書きましたが,自分の部屋番号を指定することも可能です.その際特殊なことが起こり,マンションの「階層」が上がって全員の部屋番号が新しく更新されます. すなわち,誰かが「(自分の部屋番号) から (自分の部屋番号) へ!」と叫んだ瞬間,全員で「上,あがります!」と叫び,階層を上げた本人から時計回りで順に 201,202…と新しい部屋番号が与えられるということです.

例(マンションゲーム)


B「そ~んな A から始まる~???」
A「マンションゲーム!」
ABCD「マンションゲーム,マンションゲーム,マンションゲーム!」 A(101)「101 から 103 へ!」
C(103)「103 から 102 へ!」
B(102)「102 から 102 へ!」(階層アップが起こる)
ABCD「上,あがりまーす!」(ここからは B が 201,C が 202…と部屋番号が更新される.)
B(201)「201 から 203 へ!」
D(203)「203 から 202 へ!」
C(202)「…」
C「あ!202は私か!202から…」
ABD「アウト~!おっそーいおそいおっそーい!おっそーいおそいおっそーい!」*

*いわゆる飲み会における「コール」というやつですが,コールなしで飲むのはとても虚しいので周りの人はぜひやってあげましょう.


文章にすると何だかシュールですが大まかな流れはこのような感じとなります.階層アップを効果的に用いることで相手を混乱させてミスを誘発する,というのがミソです.

ちなみにこのゲームは 4 拍子のリズムに合わせて進めることになります.例えば「101 から 103 へ!」は,「いちまる いちから いちまる さんへ!」みたいな感じで発音すると良いです.


ISOMゲームのルール

さて,ここで聡明な読者の皆さんなら気づいたかもしれませんが,この部屋番号とISOMの地図記号の番号は使う数字が非常に似ています.そこで,部屋番号を全て地図記号の名前に置き替えてマンションゲームをする,というのが ISOM ゲームの基本的なルールになります.

例(ISOMゲーム)


B「そ~んな A から始まる~???」
A「ISOM ゲーム!」
ABCD「ISOM ゲーム,ISOM ゲーム,ISOM ゲーム!」
A(101=等高線)「等高線から補助曲線へ!」
C(103=補助曲線)「補助曲線から計曲線へ!」
B(102=計曲線)「計曲線から計曲線へ!」
ABCD「上,あがりまーす!」(ここで B が 201,C が 202…と部屋番号が更新される.)
B(201=通行不能のがけ)「不能崖から岩穴へ!」
D(203=岩穴・横穴)「岩穴から岩崖へ!」
C(202=岩がけ)「…」
C「あ!岩崖は私か!岩崖から…」
ABD「アウト~!おっそーいおそいおっそーい!おっそーいおそいおっそーい!」

ちなみに途中で 201 通行不能のがけを不能崖と省略して叫んでいますが、一般には何を指しているか分かる場合には省略や俗称で呼ぶことは許容されます.(Bハッチや季節的水系などを正式名称で言うとかなり長く,ゲームのテンポが悪くなってしまうため)


ISOMゲーム独自の追加ルール

さてISOMゲームの大まかな流れは今説明した通りなのですが,独自の複雑なルールが存在します.それは,「下2桁の数字が参加人数よりも大きい部屋番号(地図記号)」を言った際の処理の仕方がマンションゲームと異なる,ということです.

例えば4人でマンションゲームを遊ぶ場合は各階4つしか部屋がないため,行き先として105や207といった部屋番号を宣言してしまうと「空き部屋の番号を言ってしまった」という理由で敗北してしまいます.しかし ISOM ゲームにおいてはこの場面で土塁(105)や岩石群(207)と言っても負けになりません!!

この場合,「下二桁の数字を参加人数で割った余り」 番目の人が指名されたこととします.すなわち4人で遊ぶ場合,土塁(105)は下二桁が 05 であり人数の4よりも大きいため,5を4で割った余りである1番目の人,すなわち等高線(101)の人が担当することになります.岩石群(207)も同様にして,岩穴・横穴(203)の人が担当することになります.

4人で遊ぶ場合の1階(100番台)の担当の例


4. 救済ルール

ここまでの内容を押さえておけば楽しくISOM ゲームを遊べますが,かなり難しいゲームであるためローカル救済ルールが存在します.

ここではISOMゲームの本場,東大OLKで実際に行われている救済ルールを紹介します.

それは「いきなり大きすぎる数字を指定しない」というものです.例えば4人で遊んでいるときに「補助曲線(103)から走りにくい凹凸地(114)へ!」と言ってしまうと,仮に次の担当者が走りにくい凹凸地の番号を熟知していたとしても,14を4で割った余りを素早く計算して適応する必要があります.これはISOM記号の名称とその記号番号の対応をいかに素早く行えるかを問うISOMゲームの本質とはかけ離れた,”算数”の部分でミスになってしまうという問題をもたらします.

そこで最もよく適用されるルールは,指定する番号を「現在の部屋番号+参加人数」以下にするというものです.また大抵の場合はそれと合わせて,「指定する番号≧今の番号」とすることが多いです.(ゲーム中に素早く引き算を行うのは難しいため.)

これらの救済ルールを適用した場合,例えば4人プレイ中に自分に小さな池(303)が回ってきた盤面を考えます.このとき,次に指定できるISOM記号は小さな池(303),渡れる水路(304),渡れる小さな水路(305),細いもしくは季節的水路(306),渡れない湿地(307)の5つのみとなります.これによって周りのプレイヤーも次に指定される特徴物がある程度絞れるために心の準備ができ,皆が安心してゲームを楽しむことが可能となります.


5. ISOM ゲームの派生バージョン

ISOM ゲームは世界中で(?)様々な派生バージョンが考案されています.ここではそのほんの一部を紹介していきましょう.

ゆっくりISOMゲーム・超ゆっくりISOMゲーム

ISOMゲームは非常に難易度が高いため,慣れるまでは通常のスピードに追いつくことが困難です.場合によってはスタートして一瞬で詰まってしまい,ゲームとして成立しない可能性もあります.

そこで全員の同意を得たうえでこのゲームを「ゆっくり」遊ぶ,というのがゆっくりISOMゲーム,あるいは超ゆっくりISOMゲームです.ISOMゲームは4拍子のリズムで進行しますが,通常の本格的なISOMゲームがBPM100程度のスピーディな調子で遊ばれる一方,こちらはBPM50~70程度の低速度でじっくりと遊ぶことになります.考える時間と猶予が増える分こちらのほうが戦略性に優れるという意見もあります.

英語 de ISOM ゲーム

ISOM ゲームを英語で行います.例えば102計曲線は Index contour,106 崩れた土塁は Ruined earth wall となります.実際にやるときは,"From Contour to Earth bank!"といった感じで進行します.JWOCやWOCを目指す人はこのゲームを出来るようになると海外のオリエンティアと仲良くなりやすいのではないでしょうか.

仮に現地のオリエンティアがISOMゲームを知らなかったとしても,特徴物の英語名を覚えることは英語でオリエンテーリングの話題を話すときに必ず役に立つので,ぜひISOMの原文を読んでみてください.

https://orienteering.sport/iof/mapping/

ISSprOM ゲーム

ISOM の代わりに ISSprOM を用いて同様のゲームを行います.しかし「ISOM にはあるが ISSprOM にはない記号」が山ほど存在するため空き番号が多く,通常のISOMゲームに慣れた人にとっても難易度が異常なまでに高いです.(例えば 106 崩れた土塁や 211 走行困難なれき地は存在せず,番号が飛んでいます.)

現状のISOMゲーム競技者のレベルでは ISOM ゲームを上手くこなすだけでも手一杯なので,このゲームが一般的に遊ばれることは当分なさそうです.ただスプリントのほうがよりしっかりと地図図式を理解しておくべきという側面もあるので,フォレスト以上にやる意味は大きいのかもしれません.

余談ですが,このように存在しない記号で番号が飛ぶのは ISSprOM から始まった配慮のようです.↓ の画像のように過去の規則では存在しない記号の番号を詰めていたので,フォレストとスプリントで共通する地図記号でも番号が異なるという事態が起こっていました.そのため ISOM ゲームと ISSOM ゲームの間には互換性がなく,両者の間の壁は今とは比べ物にならないほどはるかに高かったのです.

もしかするとIOFは,ISOMゲームとISSOMゲームの垣根をなくし, これらを推進するために新しい規則を作ってくれたのかもしれません.いや,むしろその可能性が高いです.私たちは常にIOFへの感謝の気持ちを忘れずに過ごさねばなりませんね.

過去の規則の例 (熟練のISOMerはこの画像を見ただけで強い違和感・目眩・吐き気を覚えることでしょう)

ISMTBOM ゲーム・ISSkiOM ゲーム

ISOMゲームを楽しむのはフットOだけの特権ではありません.MTBOSkiOをたしなむ人たちでも,同様のゲームをそれぞれの地図規則を利用することで遊ぶことができます.

問題はどちらも記号の種類がフットOと比べて少ないことでしょうか.とはいえ8階(800番台)などの追加要素もありますし,十分楽しめるのではないかなと思います.


6. ISOMゲームのテクニック

ここでは古参ISOMer秘蔵のISOMゲームにおける重要テクニックをほんの少しだけ紹介します.

① 自分が担当する記号をあらかじめ押さえておく

ISOMゲームで敗北するパターンとして最も多いのはやはり,「急に自分の担当する記号が飛んできたが,それが自分のものであると判別できない」というものです.

これを防ぐために,ゲームが始まる瞬間から自分が1階で担当する記号を計算し,脳内でストックするということが重要です.これにより不意の攻撃に対しても適切に対処できるようになります.

階層が上昇すれば,また自分の担当するものを再度ピックアップします.熟練ISOMer同士の勝負では,このピックアップの速度が勝敗を分けると言っても過言ではありません.

② 困ったらとりあえず階層を上げる

せっかく自分の担当を押さえていても,次のISOM記号を上手く宣言できないと敗北してしまいます.しかし人はふとど忘れを起こしてしまう生き物であり,リアルタイムで進行するゲーム中にはとっさに適切な言葉が出てこない場合も多いです.

そこでおススメの方法が,もう一度自分の地図記号を叫ぶことで階層を上げるというものです.もちろんその場合は直後に,次の階層の1つ目の記号とその周辺の記号を叫ぶ必要がありますが,逆に言えば各階の最初のほうの記号さえきちんと熟知しておけば自分が不利な盤面を一気に戻すことが出来るだけでなく,周囲に対してゆさぶりをかけることもできます.

そうでなくとも各階の最初のほうはゲームシステムの関係上必ず頻出となるので,覚えておく価値が非常に高いです.言ってしまえば 213 砂地,214 露岩,215 トレンチ あたりを覚えるために時間を使うくらいなら,301 渡れない水域 ,302 浅い水域,303 池 あたりを覚えたほうが有利に戦えるということです.

③ 5階以降は後回し

これは現環境のISOMerたちのレベルでは正直5階にたどり着く前にゲームの決着が着くことが多いためです.また6階こそ3部屋しかなく簡単なものの,5階の後半は 519 横断点や 523 廃墟,526 ケルンなどがひしめく魔窟であり,7階も13部屋しかないながらも非常に順番を覚えづらいコース情報が記号となっているので,記憶するのはかなりの労力を伴います.

そのためまずは1~4階の序盤を覚え,それらを即座に特徴物名-番号で変換できるよう訓練することが重要だというのが現在の主流な考え方です.


7. ISOM ゲームの意義

ここまで長々とISOM ゲームについて説明してきましたが,結局これは何かタメになるのでしょうか.例えば最小寸法ゲームであれば作図の際に知っているべきである(should)最小寸法を楽しく覚えられるという大きなメリットがありますし,デフかるたもデフを覚えることによってアタックが上手くなる可能性があり非常に有用です.しかしISOMの記号番号などというものは,覚えても活用できる場面はほとんどなさそうに思えてしまいます.

ところが実は一つ,これを利用できる場面が存在します.それは調査の”クリーン”を描くときです.他のクラブでも同様の工程で調査を進めているか分かりませんが,東大OLKでは山で描いてきた等高線や道やヤブといった特徴物をトレーシングペーパーに写して清書したものをクリーンと呼んでおり,これを使って作図責任者がOCAD反映を行っています.このときクリーンに自分が何のつもりでその線を引いたのか記す必要がありますが,その際にISOMの記号番号を使えば,簡潔かつ正確に特徴物の種類を伝えることが可能です.

実はもともとISOM ゲームが誕生したのも,調査でクリーンを描く際に当時の作図責任者が「特徴物の種類は ISOMの番号で書くと分かりやすい」と言ったことがきっかけだったとされています.そこから夏休みの間毎日調査をする限界環境のなかで,娯楽に飢えた調査者たちが楽しくISOMの番号を覚える手段としてこのゲームが開発されたという経緯があります.

↓ 最近ゼリーを持っている写真が人気を博した当時の作図責任者

またこれは東大OLKのOBとなってセレの運営をするときなどに遭遇したISOMゲームが役に立つ事例ですが,公式掲示板を作成する際はこの記号番号が記載することが一般的であるため,それを事前に全て覚えておけばいちいちISOMを見に行かなくても良くなります.


8. ISOM ゲームが抱える問題点

さて,ここまで紹介してきた神ゲーの ISOM ゲームですが,現在いくつかの問題を抱えているので最後にそのことについても記述しておきます.

① 難しすぎる

ISOM ゲームは飲みゲーを由来としているためやはりコンパなどの席で遊ばれることが多いですが,たとえ素面の状態でやっても非常に難しいゲームです.ISOM の番号を覚えて答えるだけならまだいいのですが,記号名と数字を即座に変換したりその数字を人数で割った余りを計算したりと,余りにも頭のなかで行う作業が複雑すぎるためです.そのため酒を飲んで頭の働きがにぶった状態で遊ぶゲームとしては向いていません.

ISOM の記号で最も数字が大きいのは7階の最奥に鎮座する給水所(713)なので,ここまで到達してみんなで乾杯し”給水”することが ISOMゲームの最終目的であり,わざわざこのために 713 給水所 Refreshment pointを最後に配置してくれたIOFに対する恩返しでもあるのですが,未だにその伝説を達成したISOMerは誰一人としていません.

② 競技人口が少なすぎる

ISOMゲームは4年以上の伝統を持つ非常にエキサイティングな遊びですが,最近OLKのなかで再流行しつつあるとはいえそれでもまだ競技人口は少ないです.

本当は2019年度の春インカレの後夜祭のときに披露して他大の人々をドン引きさせ に布教し,そこから話題となって日本全国へ爆発的に広まるはずだったのですが, コロナのせいでインカレが中止となってしまいその夢は実現しませんでした.

その後長いコロナ禍を経て少しずつ飲み会などの文化が戻ってきつつある今,少しでも多くの人にISOMゲームのことを知ってもらいたいという思いからこのルールブックを記し,この裏アドベントカレンダーの場で公表することにしました.

この記事を読んだ方はぜひISOMゲームを各々のクラブに持ち帰っていただき,ISOMを学ぶ楽しみ,皆で酒を飲み語らう喜びを通じて,今後益々オリエンテーリング界全体を盛り上げていっていただきたいというのが,私の切なる願いです.


9. おわりに

色々適当なことを書きましたが,いずれにせよISOMを読むのは普通にタメになるのでぜひ読みましょう.まあ本当は番号覚えるくらいなら最小寸法覚えるほうが良いし,そもそも3章のSymbolsよりも2章General Requirementsにある地図図式についての思想・考え方のほうがよっぽど本質なんですけどね()

もし私とどこかのオリエンテーリング会場で会ったら,一緒にISOMの話をしましょう!!

ここまで読んでくださりありがとうございました~!

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