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猗窩座はサウナに入ればよかったのだ〜鬼滅の刃に学ぶ現代の「至高の領域」

「鬼滅の刃」に登場する鬼の中で、猗窩座(あかざ)は特別な存在感を示しています。邪悪な鬼でありながら、特殊な道具や小賢しい能力を使わず、体術のみで真正面から鬼殺隊に勝負を挑む「正統派」であることが1つの理由でしょう。

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作:亜峠呼世晴, 出版:集英社,「鬼滅の刃」第8巻より

また、ストイックに「強さ」を求め続けるわけが、人間だった頃の家族や純愛を理不尽に奪われ続けたからであることも、大きな理由と考えられます。一言でいえば「エモい」のです。

武術を極めようとする猗窩座は、「至高の領域」にこだわります。これは、闘気を滅して敵を必殺する「無我の境地」のこと。この境地に至った主人公・炭治郎は、相手の闘気に反応して攻撃する猗窩座の技をくぐり抜け、その首を切り落とすことに成功します。

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作:亜峠呼世晴, 出版:集英社,「鬼滅の刃」第18巻より

無我の境地。いいですね。「我が無い」。言葉の響きがすばらしい。剣を振るうわけではないけれど、何が起こるか分からない不確実な世の中で、私もそんな境地に至って他人に優しくありたい。憧れます。

……が、しかし、炭治郎の父によれば、これは「力の限り踠いて苦しんだからこそ届いた領域」です。憧れはあっても、凡人がそうそう真似できるものではありません。苦しむなんてまっぴら御免。普通の人ができるわけねぇだろ。まァ、当たり前の話です。

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作:亜峠呼世晴, 出版:集英社,「鬼滅の刃」第17巻より

ところが、たった 1,000 円ほど払うだけで、この境地に至れるとしたらどうでしょうか? 子供のお小遣い程度のお金で「透き通る世界」が見えるとしたらどうでしょうか? 俄然興味が湧いてきませんか?

そう、本記事のタイトルに書いてしまいましたが、答えは「サウナ」です。手拭い1枚でふらりと銭湯に行ってみましょう。そして、サウナに入るのです。そうすれば、誰でも無我の境地に至れます。たった 1,000 円で、たった 30 分で

しかし、やはり適当に入ればよいというわけではありません。「大切なのは、正しい呼吸と正しい動き」。至高の領域に足を踏み入れ、透き通る世界を見るためには、適切な手順が必要なのです。

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作:亜峠呼世晴, 出版:集英社,「鬼滅の刃」第17巻より

その適切な手順は、本記事では触れません。サウナ専門のページがたくさんあるので、そちらを読んでみてください(例えば「サウナの効果を高める、正しいサウナの入り方入門編」とか)。

ここでは、サウナによる無我の境地とは、いったいどのようなものか? これに焦点を絞って話を進めます。

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サウナに入ると大量に汗をかきます。100 度の気温にさらされるのですから当然です。身体は毛穴を全開にし、必死で体温を保とうとします。

サウナから出て水風呂に入ると、今度は一気に毛穴が閉じます。熱くなった身体を急激に冷やすのですから当然です。身体は開ききった毛穴をあわてて閉じ、やはり必死で体温を保とうとします。

そして、お待ちかね、休憩の時間です。「体温を一定に保つ」という恒温動物の基本機能を著しく刺激され、身体は本来のリズムを取り戻します。毛穴だけでなく、「身体中の血管や筋肉の開く閉じるを、まばたきするように速く簡単にこなせるようになる」のです。

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作:亜峠呼世晴, 出版:集英社,「鬼滅の刃」第17巻より

このとき、水風呂で冷やしたにもかかわらず、なぜか身体が温かく感じられます。真冬に素っ裸で外気浴しても平気なことに驚きます。

そして、イスに腰かけてゆっくりと呼吸に全集中すると、「いま、ここ」を認識する必要最小限の感覚だけが残り、すべてのことが遠ざかります。

これぞ至高の領域
どんどん自分が小さくなる無我の境地です。

また、血の巡りが急激に速くなるせいか、時間の流れがゆっくりに感じられます。水風呂から上がると、浴場を移動する人の動きが「遠く」見え始めます。

水風呂から外気浴の場所まで移動する時は、遠くでゆっくり変化する周りの動きに合わせて、自分もゆっくりと動かなければ危険に感じるほど、異様な感覚に陥ります。

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作:亜峠呼世晴, 出版:集英社,「鬼滅の刃」第18巻より 

これが透き通る世界
五感が冴え、目に見えるもの、耳で聞こえるもの、肌で感じるもの、すべてが新鮮に感じられます。余計な闘気が閉じ、恍惚な気分で、時間の流れはどんどん遅くなります。

サウナにより、無我の境地に至る。
サウナにより、透き通る世界を見る。

これこそが、何が起こるか分からない不確実な世の中で、凡人が心を平穏に保つ最高の方法と言えるでしょう。

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さて、いろいろとウンチク垂れましたが、要するに、猗窩座はとっととサウナに入ればよかったのです

煉獄に対して「至高の領域に近い」などと御託を並べる前に、サウナに入って一発キメれば、たちどころに無我の境地に至り、炭治郎に首を落とされることもなかったはず。

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作:亜峠呼世晴, 出版:集英社,「鬼滅の刃」第8巻より 

惜しい。巧みなストーリーテリングで、作中一番の魅力を誇る敵キャラであるだけに、実に惜しい。鬼滅の世界観に「神戸サウナ&スパ」があれば…!

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ちなみに、「猗窩座」は「守るべきものを失った役立たずの狛犬」を意味するそうです。「守るべきもの」とは何か?「役立たずの狛犬」とはどういうことか?

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作:亜峠呼世晴, 出版:集英社,「鬼滅の刃」第18巻より

答えを知りたければ、堂々の完結を遂げた「鬼滅の刃」を読みましょう。そして、サウナに行きましょう。猗窩座が求めた「無我の境地」に至れます。

たった 1,000 円で、たった 30 分で

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