痴漢冤罪…任意同行には応じるべき?取調室ではどう対応するべき?元警察官の視点で詳しく解説
noteで3本目の投稿となります。
先日、Yahoo!ニュースで気になる記事があったので、ついつい見入ってしまいました。
その記事はこちらです。
「この人痴漢です!」そう叫ばれたときに絶対にしてはいけない"あること"
https://news.yahoo.co.jp/articles/0fb4b9b9a9a71a44b9a6e5dd2abd236c5cdaabd4
もし、電車内で痴漢を疑われたらどうするべきなのか?について書いてあります。
リアルな内容でしたし、痴漢冤罪は男性なら誰にでも起こり得ることなので、とても参考になる記事でした。
しかし、いくつか「警察官の視点で見ると少し違う」と感じる部分があったので、こちらで紹介されていた記事について元警察官ならではの解説をしていこうと思います。
警察官側からしても痴漢というのは判断がとても難しく、男性から「私は絶対にやっていません」と言われたら、その場で逮捕することは困難です。
その場で色々と事情聴取をしますが、いずれにしても警察署に任意同行をすることは確実です。
警察署に到着すれば、逮捕されていないとしても取調室に入ることは間違いありません。
そこで、この記事では
・痴漢冤罪を疑われたらどうするべきか?
・任意同行には応じるべきなのか?
・警察署の取調室ではどう対応するべきなのか?
について詳しく解説していきます。
痴漢冤罪は誰にでも起こり得ることなので、1つ参考にして頂ければ幸いです。
なお、この記事はあくまで痴漢冤罪を防止することを目的とした記事であり、痴漢を助長するものではありません。
痴漢冤罪を疑われたらどうする?
朝や夕方の通勤/帰宅時間帯の電車は誰もが知っているように満員電車になる場合がほとんどです。
電車によっては女性専用車両を設けている電車もありますが、必ずしもすべての電車に設置されているわけではありません。
そのため、一般の電車内では男性と女性が密になることも珍しくなく、意図していなくても体同士が触れてしまう場面もあるでしょう。
このような状況になると、決して痴漢をしていなくても痴漢を疑われることになってしまい、女性に「この人、痴漢です!」なんて叫ばれてしまうこともあり得ます。
こんなことを言われてしまうと、いくら痴漢をしていなくてもパニックになるでしょうし、咄嗟にその場から逃げ出す人がいるのもわからなくはないです。
元警察官の私でも「この人、痴漢です!」と言われてしまったら、さすがにオドオドした態度になってしまうと思います。
しかし、痴漢をしていないのにこんなことを言われてしまったら、もう身の潔白を証明するしかありません。
ここでは2つのパターンが予想できますので、そのパターンでどう行動するべきなのかを解説します。
繰り返しになりますが、その場から逃げるというのは得策ではありません。
・その場で取り押さえられてしまった場合
「この人、痴漢です!」という言葉に周りの乗客が反応し、その場で取り押さえられることが考えられます。
もし複数人に囲まれて取り押さえられるような形になれば、もはや私人による現行犯逮捕となるため、そのまま逮捕の手続きがとられる可能性が大いにあります。
私人による現行犯逮捕は警察としても逮捕の手続きを取らざるを得ないことがあり、なにもなかったことにはできません。
似たような例では万引きGメンが万引き犯を捕まえた場合があり、Gメンが犯人の腕を引っ張るような行為があればこれを逮捕行為とみなすことが多いです。
もし、私人による現行犯逮捕が誤認逮捕であった場合は逆に暴行罪の被害を訴えることはできますが、なかなかそのハードルも難しいでしょう。
そのため、こうなってしまったらどうすることもできず、そのまま警察署に連行されることも十分考えられます。
現場で一応の事情聴取はあるかもしれませんが、警察官が取り押さえられている状況を見たら逮捕行為とみなす可能性が高いです。
痴漢をまったくしていないのに「この人、痴漢です!」という声だけで取り押さえられてしまったなら、取調べでしっかり否認しましょう。
こうなったら裁判で戦うしかありません。
痴漢は軽い犯罪に分類されるので、初犯ならば起訴されないかもしれませんが、戦うとしたら裁判しかなくなってしまうかと思います。
私人による現行犯逮捕が誤認逮捕であったということは警察もなかなか認めてくれないと思うので、痴漢の容疑を否認するしかないでしょう。
よって、このような場合は逃げる姿勢を見せない、興奮せず冷静に対応する、自ら「駅長室に行きましょう」「警察を呼びましょう」と答えることで防げる可能性はあります。
周りの乗客が自分を取り押さえようとしてきたら「警察を呼んでください」「私は逃げませんので掴まないでください」などと冷静に呼びかけましょう。
そして、警察官が現場に来たのなら同じように冷静に対応し、身分証の提示や事情聴取に応じるようにしてください。
その後の対応については後述します。
・相手と1vs1の場合
「この人、痴漢です!」と言ってきた相手と1vs1で話ができる場合もまずは冷静に対応するようにしてください。
ここでも逃げる姿勢や興奮する素振りは見せない方がいいでしょう。
話をするならば警察官が来てからで十分です。
この場合では「警察を呼びましょう」と相手に呼びかけ、電車のホームでは目立ってしまうので、一緒に駅長室に行くことが望ましいです。
ここでは駅員か駅長に対し、「痴漢を疑われているが、現在警察を呼んでいる。ここで待たせて欲しい」という話をしっかりしておきます。
もし懇意にしている弁護士がいるならばこの時点で先に連絡をしておいてもいいですし、家族や会社にも連絡を入れておくといいでしょう。
なお、弁護士については元警察官の立場から言わせてもらうと、弁護士が来たからといって捜査を簡単に済ますことはありませんし、警察官が怖気づくこともありません。
むしろ弁護士が来たからにはしっかり捜査をやらなければいけない状況になるので、余計に時間がかかるかと思います。
弁護士が来ればなんでも済むかというとまったくそうではないです。
そして、最大のポイントは目撃者を確保することです。
電車内で隣にいた人を確保できれば最高ですし、自分たちの方向を見ていた人がいればなお良いと言えます。
これはなかなか難易度が高いことですが、目撃者の証言が一番重要になるので、絶対に確保しておきたいところです。
朝の通勤時間帯なら誰もが急いでいるので、協力をしてくれる人はいないかもしれませんが、できる限り必死にお願いをしてみましょう。
せめて連絡先だけでも聞いておければ大丈夫です。
警察としても目撃者がいるかいないかで大きく話が変わってくるので、警察官から見ても目撃者が欲しいと考えています。
冒頭で紹介した記事でも書いてある通り、まったく相手に触っていないのであればその手を鑑定してもらう手段もあるので、不用意に他の物を触らないようにしましょう。
警察官が来てからの対応
さて、このような状況になれば誰もがパニックになり、「終わった」と思うものですよね。
しかも警察官が現場に来るとさらに緊張感が高まると思います。
ついつい心が折れそうになるかと思いますが、それでも身の潔白を証明するためにはまだまだ頑張っていかなければいけません。
ここからは警察官が来てからの対応について解説します。
警察官が現場に来た際、まずは身分証の提示を求められます。
それと同時に連絡先や職業なども聞かれるので、ここは素直に応じてください。
ここを隠す必要はまったくないですし、抵抗するだけ無駄です。
氏名や住所を語らないのは逮捕の要件に該当しますし、なにより警察官もストレスがたまります。
こんなことで警察官を怒らせるのがもったいないので、必ずすべて明かすようにしてください。
警察官からすると、なにも語らない人に対しては「こいつ逮捕しちゃうか?」という話題になってしまいます。
警察官も人間ですので、感情で大いに左右される点をお伝えしておきます。
そして、痴漢の容疑について事情聴取されますので、しっかり否認するようにしてください。
ここでも興奮せず、警察官を煽ったりすることがないように気を付けてください。
事実についてしっかり否認し、手についている繊維の鑑定も依頼しましょう。
相手がどのように話しているかにもよりますが、双方の言い分が食い違う場合は現行犯逮捕がしにくいです。
現行犯逮捕というのは犯罪と犯人が明らかな場合という絶対条件があるので、否認された場合は警察官としても犯行を断定しにくいからです。
※ただし、現場の警察官が「相手の言い分だけ」で判断して現行犯逮捕することはあります。
そして、ここで目撃者が「この人は痴漢してなかったですよ」と言ってくれればさらに強い材料となりますので、事件化も難しくなってきます。
こういう事件の場合は本当に目撃者が重要であり、警察官も目撃者の証言を一番大事にします。
ちなみにここで弁護士が到着したところで、すぐに解放される可能性は低いと思います。
なので、元警察官の視点から言わせてもらえば弁護士が来るか来ないかはあまり気にしないですし、いずれにしても任意同行はお願いすると思います。
ですので、ほとんどの場合で「警察署で詳しく聞かせてもらえますか」と言われると思うので、これにも応じる方がいいでしょう。
任意同行にはどう応じるべき?
任意同行は法的根拠もしっかりあります。
任意同行の法的根拠は2種類あるのですが、このようなケースの場合は刑事訴訟法198条に規定されており、犯罪の嫌疑がある者に出頭を求めることができると記されています。
任意同行はあくまで任意ですので、拒否することも可能です。
しかし、拒否したところで警察官が諦めることはないですし、ひたすら任意同行のお願いをされることになります。
そのため、当初は任意同行を拒否するものの最終的には折れて任意同行に応じるという人がほとんどです。
痴漢冤罪の場合においても任意同行を拒否するだけ時間の無駄なので、最初から応じるようにしてください。
このとき、相手も警察署に行ってさらなる事情聴取を受けることになります。
任意同行をされると言っても身柄を拘束されているわけではないので、電話などは自由にできます。
この場面で弁護士や家族、会社などにさらなる連絡を入れておくのもいいでしょう。
任意同行が決まった時点で現行犯逮捕の可能性はなくなります。
あとは令状請求をして通常逮捕するか、在宅で書類送検するか、容疑解消で解放するか、不成立事案となるかの4つの選択肢が残ることになります。
任意同行に応じた場合、管轄の警察署へ行くことになり、すぐに取調室に案内されます。
それでもまだ任意の身分なので、「やっぱり帰ります」が通用するのですが、これも説得されてなかなか帰らせてもらえないので、素直に取調室に入った方が早いです。
恐れることはありません。
本当に指一本触れていないのであれば、ここからが本当の勝負です。
取調室での対応
取調室でなにを行うかというと、考えられることは2つです。
それは供述調書の作成か上申書の作成です。
供述調書というのは警察官があなたの言い分を聞き、パソコンで書類を作って証拠化するものです。(司法書類)
上申書というのはあなた自身が手書きで書くもので、司法書類でもなんでもありません。
ただのメモ書きと同じなので、自分の書きたいことを書けば結構です。
なお、取調室に入ると持ち物検査をされますし、携帯も一切使うことができません。
まだ任意の身分ですので、いつでも退出することは可能なのですが、取調べを中断するのは少し手間なので、誰かに連絡をしたいという場合は取調室に入る前にしておきましょう。
また、ここで警察官に対し「弁護士を呼んでください」と言っても警察官には応じる義務がありません。
なぜなら任意の身分ですので、警察としては「弁護士を呼ぶなら自分でどうぞ」というスタンスだからです。
逮捕されている場合は弁護士に連絡をしてもらう権利があるのですが、任意の場合はそこまで保障されていません。
ですので、ここで弁護士を呼びたい場合は「弁護士に連絡がしたいので一旦取調べを中断してください」とお願いするのが正しいです。
これに警察が応じない場合は任意性に疑いがあり、違法となりますので、しっかりお願いするようにしましょう。
さらに絶対に相手に触れていないという確証があるなら、手に付着した繊維の鑑定も必ずお願いしてください。
・供述調書
供述調書は主に事件化するときに作るものなので、警察官から「供述調書を作ります」と言われたら通常逮捕か在宅での書類送検の可能性が高いと言えます。
供述調書は事件化をするつもりがないのに作るような書類ではありません。
厳格な司法書類となりますので、証拠化するというのが一番の目的です。
よって、この時点では逮捕するしないにしても事件を送検する方向であると考えられます。(一応、事件化されない可能性もある)
ただし、この供述調書も拒否することは可能です。
あくまで任意の身分ですし、強制ではありませんので、断ることもできます。
それでも実質はこれを作っておかないとあなたの言い分を残すものがなくなってしまうので、応じることをおすすめします。
もし、弁護士に相談してからにしたいという場合はその旨を申し出るようにしてください。
警察官としては絶対にその日のうちに作っておきたい書類なので、とても嫌な顔をされると思いますが、拒否することも権利なので覚えておきましょう。
供述調書はあなたの言い分をすべて書類にしますので、否認するならばしっかり否認をしてください。
中途半端な話をしていると警察官に誘導する形で作られてしまうので、自分の主張があるならばはっきり言っておく必要があります。
なお、供述拒否権があり、言いたくないことは言う必要がありませんし、黙秘することも可能です。
そして、最後には必ず書類を確認させてもらう機会があるので、「そんなことを言ってない」ということがあればしっかり訂正を求めてください。
また、それと同時に署名と押(指)印をするよう求められますが、これについてはどっちでもいいと思います。
署名と押印をしなければその書類は証拠能力を欠くことになるので、時間をかけただけ無駄に終わります。
供述調書は早くても作成に2時間程度かかるものなので、自分の主張が間違いなく書かれているのであれば署名と押印をしても問題ないでしょう。
これも強制ではありませんので、署名も押印もしたくないという場合は拒否しても構いません。
・上申書
上申書は「あなたが今日やったことをこの紙に書いてください」と言われ、A4サイズの白紙を渡されます。
これは殺人事件などの取調べでも書かされるもので、罪を認めているなら「私がやりました」と書きますし、認めないなら「私はなにもやっていません」と書けば大丈夫です。
警察としてはとりえあずこの日の出来事を記録化をしておかなければいけないので、供述調書を作らない場合はこの上申書を書かせます。
都道府県によって対応は違うかもしれませんが、私が所属していた県警ではこのようなケースは絶対に供述調書か上申書を作っていました。
上申書を作る時点で、とりあえずこの後は解放される可能性が高まります。
私の経験上では事件化できるかどうか微妙という場合にこの上申書を書かせることが多かったですし、とりあえず上申書を書くということも多かったです。
上申書はただのメモ書きなのですが、しっかりと自分の主張を書いておく必要があります。
いい加減なことを書いてしまうと、「あなたこの前はこうやって書いていたよね?」と後日その矛盾を突かれてしまうので、不利になる場合もあります。
取調べ後はどうなる?
さて、取調べも一段落し、その後はどうなるのでしょうか。
供述調書をとっている場合なら既に軽く2時間は経過している頃でしょう。
まだこの時点での身分は任意のままです。
考えられるケースとしては4つです。
それぞれで見ていきます。
①通常逮捕
あなたが痴漢をしていた容疑が強いのに犯行を否認するようならば、令状を請求して通常逮捕となる可能性があります。
「犯行を見ていた」という目撃者がいるならさらに容疑は強まるので、逮捕に踏み切ることが考えられます。
また、あなたに犯罪歴が多数あるようであれば余計に逮捕の可能性が高まります。
逮捕するかどうかは本当にケースバイケースですが、警察が「否認しているけどこいつは逮捕しなきゃいけない」と思われたら令状請求の手続きに入ります。
先ほども少し説明したように警察官はときに感情で動くことがあるので、警察への対応は冷静に丁寧にしておいた方が絶対にいいです。
そして、令状は裁判所に請求することになるので、ここまで作成した書類で裁判所に判断を委ねることになります。
私の経験上では令状が出なかった例はほぼ記憶にないので、警察が令状請求する=よほどのことがなければ令状が出ると考えてもらってよいかと思います。
裁判所は「令状請求を却下できるほどの強い材料」がない場合は基本的に令状を出すからです。
こうなると令状が出るまでは自由に行動できるのですが、警察としては警察署で待つようお願いすることが一般的です。
もちろん「今、令状請求してるから」なんていうことは教えてくれません。
大体は取調室で待たされますが、「帰りたい」と言えば帰ることは可能です。
それでも完全に自由になれるわけではなく、警察がその後をしっかり追うことになるので、行動はずっと監視されたままです。
警察としては令状が発付されたらすぐに執行して逮捕したいので、行方を見失うわけにはいかないからです。
こうなるともう逃げようがないし戦いようもないので、素直に逮捕に応じ、そこから弁護士を依頼して無罪を主張していくしかありません。
よって、痴漢冤罪についてはこのケースが一番怖いと思います。
②在宅で書類送検
次に考えられるのが逮捕はしないものの、書類送検するというケースです。
これは身柄を拘束されるわけではありませんので、一通りの作業が終われば解放されます。
あとは警察が所定の捜査を行い、検察に書類送検する形となります。
必要があれば警察から後日呼び出しを受けることがありますし、検察から呼び出しを受ける可能性もあります。
検察で起訴・不起訴の判断がされることになり、起訴されれば裁判になりますが、不起訴になればなにもなく終わります。
ところが、不起訴でも犯罪歴は残ることになりますから損は損ですね。
書類送検の場合は特に警察も急ぎませんので、書類送検するまでには1~2か月程度かかります。
この間は捜査の進捗状況も教えてもらえませんので、モヤモヤしたまま過ごすことになるでしょう。
③容疑解消で解放
「この人、痴漢です!」から始まり、警察官が色々と捜査を進めた結果、「被害者の言い分がどうも合理的じゃない」という場合は容疑が解消となり、解放されることになります。
時間はかかりますが、警察があなたの言い分を信じてくれたというワケでもありますし、犯罪歴も残りません。
私の経験上ではこのケースも全然ありますので、最後まで諦めずに戦うことが大事だと思います。
取調室に入ると誰もが委縮し、冷静に物事を判断できなくなりますが、身柄を拘束されていない以上は自由な身分ですので、落ち着いて話をしていくことが大切です。
また、被害者も現場では大きな声をあげたものの、振り返ってみると「触られたかどうかわからない。位置関係もわからない。よく思い出せない」という場合も全然あります。
こうなれば警察としても立証することが困難になるため、事件として取り扱いをせず、双方和解してもらう手段を勧めます。
④不成立事案
そして、最後に考えられるケースが捜査を進めたものの、書類送検に至るまで犯罪を立証できないというケースです。
警察から検察に書類送検をする場合は当然ながら犯罪を立証した状態で送検しなければいけません。
検察にいい加減な書類を送るわけにはいかないので、もし適当な捜査をしていれば検察から「もっとしっかり捜査してください」と突き返されることもあります。
そのため、警察が「これは送検できない」と判断すれば、書類送検をすることはなくなります。
これを不成立事案と呼びますが、③と同じく犯罪歴は残りません。
これも時間と手間はかかりますが、ある意味であなたの無罪が証明されたようなものなので、納得できる終わり方と言えます。
弁護士を呼ぶ必要はある?
ここからは警察官としての経験から完全に個人的な意見となります。
よくこういった痴漢冤罪はすぐに弁護士を呼べと教えられることが多いですが、警察官の視点でいうと弁護士が来たからといってあんまり気にしません。
弁護士が来たから早くこの人を解放しようなんてことも思いませんし、警察としてはやるべきことをやるだけです。
弁護士が取調室に入れるわけではないですので、来てもらっても警察署内で待ってもらうしかありません。(もちろん任意の状態ならいつでも弁護士に相談できます)
私は警察の考え方を完璧に分かっているので、もし痴漢冤罪の容疑をかけられたとしても任意の状態なら弁護士は呼ばないと思います。
実際、約8年の警察人生で数多くの事件を担当してきましたが、痴漢冤罪に限らず任意の事件で弁護士を呼んだ方は一人もいませんでした。
それでも「一人で警察に対応するのが不安」「アドバイスをもらいたい」という方は弁護士を呼ぶ方がいいでしょうし、弁護士が力になってくれることは間違いありません。
この辺りはお金がかかることですので、どうするかはしっかり考えておく必要があるでしょう。
もし、逮捕されてしまった場合は弁護士を呼ぶ権利があるので、すぐに弁護士と面会することは有効な手段です。
まとめ
今回は痴漢冤罪について、任意同行や取調べにどう対応するべきなのかを詳しく解説しました。
今回の記事をまとめると
・痴漢冤罪は目撃者の確保が最優先
・警察官が来ても慌てない、興奮しない
・警察官の事情聴取には素直に応じる
・任意同行にも応じ、取調べにも応じる
・冤罪ならば取調べでは絶対に否認する
・色々なケースがあるので、その都度冷静に対応していく
ということになります。
痴漢冤罪は誰にでも起こり得る話ですし、決して他人事ではないと思います。
「もし自分がこんな目に遭ったら…」と考えておいてもいいでしょう。
今回の記事を少しでも参考にしてもらえれば幸いです。
※本記事の内容はあくまで経験談に基づいたものであり、必ずしも本記事の内容通りになるわけではありません。
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