黒染めのツヤ感、若干の大差
こんにちは。鍛冶師の藤田純平です。
今日は黒染め作業をしましたよ。
水・苛性ソーダ・亜硝酸・リン酸 を調合した黒染め液。鍛冶屋ではこの方法を「いぶし」と言う。(作りたては白い液体であるが作業を重ねるとこのように赤褐色になってくる。)
現在 富士山ナイフの肌の調整をしておりまして、今回注目すべきはズバリ「肌のツヤ」です。
実はこのツヤ感ですが、黒染め作業で決まるものではなくその前の状態で決まるのです。
具体的にはピカピカに磨いてあるものを黒染めすると黒光りに、マットなものを黒染めすると岩のような仕上がりになるのです!!
つまりは前回の作業「バレル」による研磨具合によって仕上がりに差ができるのです。
今回はバレルの時間を25分で止めて取り出しましたが、さて 結果ツヤ感がどのようになるのか?
いざ黒染めをしてみると、、
結構イケてる!?!?
とりあえず20本程テスト染めしてみましたがいい感じ!
左:染める前、右:染めた後
漆黒の力強さが魅力的である。
と浮かれる気持ちを引っ込めて 落ち着いてライトの下で確認するために別室へ。
結果、、、微妙にツヤが強い??
うん。屋外ではわからないレベルですが確かにツヤの残り具合が気になる。。
別に問題ないレベルなのですが、改めてバレルに突っ込んでから黒染めし直すことに。
上:以前の極マット仕上げ、下:今回のツヤが残る仕上げ
写真では伝わりづらいのですが、手に取ってみると微妙な違いがある。
ここまでこだわる必要あるのかな?
って思うくらいの些細な差なのですが、これはとても大きなチャンスなんです。
次のバレルの影響がどう出るかによってバレルの研究にもなり、将来の製品設定の時に輝き具合の調整を織り込む事ができるようになります。
もっとピカピカがいいのか、マットな方がいいのか、またその塩梅は??
これらの知識 経験は今後のノウハウに大きな幅を持たせてくれると確信しています。
なにより富士山ナイフの質感の統一には必須のデータになります。
このように富士山ナイフの作業一つ取っても考える事は数限りなく。まだまだ良い商品にしていける可能性はたくさん眠っています。
今後も作業を通して考察していける部分はこちらのnoteに小分けにまとめていきます。
今後の活動資金にさせていただきます。