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挑戦の末の諦めは潔く

こんにちは。鍛冶師の藤田純平です。

さて!富士山ナイフの黒染め作業も終わりましたよ。

ずばり、、

NG。。残念。

理由はやはり前回のグラインダー作業でできた細かいキズが気になる点

こればかりは仕方がないです。このキズを取り除くには手間がかかりすぎてしまいます。

ここでこの肌に対する追求は一旦保留にしていきたいと思います。

もちろん追求すればするほど改善される部分はあります。

が、それは製造しながらのことであり、没頭しすぎるのも時に毒になり得ます。

今回の肌感の研究は統一感を出すのが目的でした。

そして考えたのが一度均一に削ってからバレルでマット感を演出する。というもの。

そして今、その削り跡が気になるがそれを取り除くにはコスト面でアウト。

といった感じです。

ここから追求するとすれば、

1、削り跡を消す作業の効率化。
2、違った角度からの統一感を出す方法の模索。

の2点が思い当たりますが、どちらも即効性のある実験にはなりそうにない(長期目線)のと、まだ知らない技の研究(勉強と練習)が必要かなと。

いい感じにいきそうだった手前で手を止めるのはいささか勿体ないと感じつつ、一旦これまでの方法で製造作業にシフトすることを判断しました。

気分としてはとても心地よいです。

やり切った結果"今じゃない"という結論なので。

挑戦の末の諦めは潔くいきたいものです。

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ものづくりを生業にする以上、拘りとコスト面は両方見ておかないといけないと思うのです。

できるからやりたい!のは生産者のエゴになる場面もあり、そこが譲れないのであればそれは趣味でやればいいのです。

できるけどやらない。には確実に生産者側の理由があり心地よい距離感を保つための技なのです。(手を抜くとは違ったニュアンスの話です。)

それは市場との兼ね合いやブランド内でのランク分けなど様々な問題がありますが、肝心なのは思いやりです。

誰かのためのものづくりであるが故の職人を目指したいものです。

今後の活動資金にさせていただきます。