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自民党「日本国憲法改正草案」読んでみた(前提)

日本国憲法がGHQからの押し付けだとか借り物だとかいう声があるようですが、実際には、小委員会で実に真剣な議論があって条文が追加され、文言が検討されていたことがわかってきました。

そうすると気になるのは、「改正」しようとしている人たちの声です。

いろんな意見があるので、すっかり知っているような気になっていましたが、よく考えてみると、自民党の草案そのものを読んでいませんでした。

これはいけません。一次情報に当たらないと。

事象については、見たことであろうと、聞いたことであろうと、知ったことがあれば、元ネタを調べるようにしています。

自分でこう書いているわけですからね。

そして思ったのは、これは長くなりそうだ、ということでした。

思っていた以上に、いろんなことが指摘できてしまうように思うからです。

もっと端的なことだけでいいかと思ったけど、これは色々な意味で「やばい」。

自民党の改正草案はやばい、こういう意見は「人権派」「護憲派」と言われる人たち、いわゆる左の方面から、よく聞きます。

わかりやすいのはこの方達の攻撃でしょう。

 明文改憲が大争点となるもと、自民党改憲案の中身が審判の対象です。日本国憲法の平和主義を全面破壊し、個人の尊厳を中核とする立憲主義を根底から破壊する、恐るべき内容です。

こういう大上段に振りかぶって攻撃されると、読むの嫌になっちゃうんですよね。だから左翼は人気がないんだよとか。

この中でも左翼に応援がないのは、その言葉遣いだという話を書きました。

最初から否定的で上から目線なんですよねえ、言葉が。

まあ、それはおいておいても、私個人は、共産党が言うような「軍備」の問題は、現代の国家情勢の中で自衛隊と国防という点で、議論はあるべきで、それほど問題だと思っているわけではないです。

逆に、そこばかり言うから大きな賛成を得られないのだと思います。問題はもっと別の点にあります。

共産党が指摘する順番では、自民党案のヤバさは理解されにくい。どちらかと言うと、共産党にとってヤバいからじゃない、と言われかねない。軍備、緊急事態条項、公の秩序、立憲主義の否定と並んでいるからです。でも、問題は、そこにだけあるのではない。

例えば、こう言う指摘もあります。

いま、自民党が提案している憲法改正草案は、世界の民主主義国家が共通に大切にしている考えを真っ向から否定するものです。JCLUは、自由と人権の擁護を旗印に60年以上活動してきました。その活動の基礎は、憲法にあります。その大切さを、自民党の憲法改正草案の根本的問題点を指摘しながらあらためて研究することにしました。

この自由人権協会というのは歴史ある組織なので、単なる左翼的なものではないのですが、そういう組織が危惧するものは何かというのも気になります。

また、よくある記事ならば、こういうものもあります。

一番驚いたのは自分の思い描く国家像や、国の理想像を書くものが憲法だと思っていた議員が多かったこと。だから憲法草案に「家族を大切に」「皇室を大切に」みたいな話を入れ込もうとしていたんですが、それは違う。憲法は宗教本でも思想本でもない! 憲法というものはなんなのかを理解していない人たちが国会議員に多いんだと衝撃を受けました。

橋下さんは弁護士なので、法律に詳しいでしょうが、彼が自分の党の国会議員が法律を知らないことに驚いたというのですから、日本維新の会もどうなっているんでしょうね。

それをネタに本にするのもどうかと思いますが、橋下さんの指摘するように、実際、法律を作るのが国会の仕事ですから国会議員というのは法律に詳しくなければいけないはずですが、多くの国会議員は「憲法」と「民法」「刑法」などの一般法との違いすらわからずに議論しているように思えます。

法律の多くは私たちを縛る。憲法は私たちの権利・自由を守るため国を縛る。法律と憲法とでは、向いている方向が逆と考えるとわかりやすいでしょう。

ここが原点となるので、覚えておきたいものです。

あえて言えば、憲法は、国民が遵守すべき法律ではないのです。

それを念頭に置いて、自民党の草案を読んでいきたいと思います。



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