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アメリカ大統領選の混戦から、その先を考える

アメリカ大統領選挙が11月3日に投票があって、まだ結果が見えてきません。

日本人て米大統領選挙に興味あるの?

大統領選挙については記事に書きましたが、私はトランプさん優勢と見ていました。負けたとしても、この選挙の主役は、圧倒的にトランプさんだったと思います。

バイデンさんを支持するのか、トランプさんを支持するのか、というよりも、トランプさんを支持するのかしないのか、という投票に見えます。

今回の選挙は、日本でも特番を組むくらいマスコミは注目してますが、日本人て、そんなにアメリカ大統領選挙好きでしたっけ?

良くも悪くもドナルド・トランプという稀代のトリックスターの力を感じずにはいられません。

アメリカがどうなるというよりも、トランプがどうなるかが見たいのでしょう。

11月5日朝の時点ではどうなってるの?

さて、結果はどうなんでしょう。

郵便投票の行方がどの程度影響したのかが気になりますが、多くの州では結果が出たようです。

日本のマスコミを見ても仕方がないので、FOXNewsのサイトを見ています。

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バイデンさんが有利ですね。あと6つで過半数です。

驚いたのは、昨夜の段階では、トランプ有利の声が高かった、ミネソタやウィスコンシンがバイデン勝利になったところです。

テキサスとフロリダがトランプ獲得となって、これは、トランプさんだなあと思って寝たんですが、起きたらびっくりです。

それでもまだ57決まってませんから、最後までわかりません。

トランプ派のフジテレビ、その他マスコミはバイデン派

それにしても、両者から勝利宣言という異常事態になっています。

トランプ大統領は、フロリダ州やオハイオ州などの激戦州で次々に勝利を確実にしたことを指摘し、「勝ったも同然だ」と強調した。

フジテレビはトランプ推しなのか、この時点でトランプ勝利をベースにした記事を書いています。

ただトランプが選挙戦でずっとバイデンにリードを許していると思われていたのだが実はそうではなかった。もちろんバイデンが勝つかもしれないし、ペンシルベニア州では開票が遅れ、メディアはしばらく当確を出さず、いつまでも大統領が決まらないかもしれない。しかし先に勝利宣言を出したトランプが今や主導権を握っているのは間違いない。

木村太郎さんはずっとトランプ勝利を言ってますから、フジテレビはその方向なのかな。

木村太郎氏:
今もう最終段階に入っていて、優位差をつけて自分は残りの州で勝っている。選挙後に、いろんな訴訟を起こされて、裁判が長引くようなことになると困る。だから最高裁に訴えて、今日午前4時の段階で開票を全部凍結しようと言ってると僕は思った

この姿勢は珍しくて、日本では多くの解説者がバイデン勝利で語っていました。昨日は焦りが見えたバイデン派ですが、今日は落ち着いたものでしょう。

どうも流れはバイデンさんのようですね。

民主党のバイデン氏は、日本時間の午前6時ごろに記者会見し、勝利宣言をするつもりはないとしながらも「270人の選挙人を獲得するために、必要な州でわれわれが勝利しているのは明らかだ」と述べました。
そのうえで「すべての票が集計されるべきだ」と述べるとともに「われわれが勝者になると信じている」と強調しました。

法廷闘争になるのだろうか

こうしたトランプ有利の状況からバイデン勝利へと動いたのは、やはり郵便投票の影響のようです。そして、それをトランプさんは許しません。

アメリカで大統領選挙の結果が判明しないまま一夜明けた4日午前10時すぎ、日本時間の5日午前0時すぎ、トランプ大統領はツイッターに「私は昨夜の時点でほとんどの場合、民主党の知事が治める主要な州で確実にリードしていた。しかし、突然出てきた票が集計され始めると、それが次々と魔法のように消えていった。とても不思議だ」と投稿しました。
「投票所が閉まった後に票が加えられるべきではない」と訴え、「我々は大きな勝利に向かっている。しかし彼ら(民主党)は選挙不正をしようしている」
と根拠なく批判した。
また、「最高裁判所に行く。全ての投票をやめさせる」と、訴訟を起こして開票作業をやめさせると従前の主張を繰り返した。

トランプさんが最高裁判所に訴えた場合どうなるんでしょう。

2000年11月7日に行われた大統領選挙では、クリントン大統領の後継候補である民主党のゴア副大統領と、政権奪還を狙う共和党のブッシュ氏の大接戦となり、最終的に、南部フロリダ州の結果が勝敗を分ける展開になりました。

この時は、4万票の票の数え直しをめぐって裁判になりました。

州の最高裁判所は、数え直しを求めるゴア陣営の訴えを認めましたが、投票日から1か月余りたった12月12日、連邦最高裁判所は、数え直しを行うことは選挙の公正さを欠くなどとして訴えを退けました。

結果、ゴア氏は負けを認めてブッシュ大統領が誕生しました。

今回は、どうなるんでしょう。

最高裁判事が直前に亡くなったことが、選挙結果に影響するのではないかと言われていました。

ギンズバーグ連邦最高裁判所判事死去がアメリカ政治に及ぼす影響

リベラルや進歩派にとって文化的・政治的アイコンであるルース・ベイダー・ギンズバーグ連邦最高裁判所判事が2020年9月18日に死亡し、ドナルド・トランプ大統領がその後任として保守派のエイミー・コニー・バレットを指名した事は、2020年の選挙の様相を一変させた。

こういう事情は、日本からはわかりにくいものですが、アメリカという国の複雑さを示すものかもしれません。

トランプが負けたとしても

まだまだ先の争いがありそうですが、選挙結果では、トランプさんが負けそうです。

でも、私が気になったのは、選挙結果の、州別の選挙人の話ではなく、その下のカウンティ別の勝敗でした。Foxのサイトには州別の他に、カウンティ別もあったのです。

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カウンティというのは、郡と日本では訳されますが、州の下の行政区分で市の上と言う旧イギリス領に特有の仕組みです。

郡は州の下位行政区分である。郡の権限や基礎自治体との関係は州ごとに異なる。通常は、1つ以上の都市、郡区や町、さらにそれ以外の自治単位を域内に含んでいるが、これには例外もある。

これで見ると、得票数でバイデンさんが上回った州でも、カウンティレベルではトランプさんが圧勝しているように見えます。

これが何を示しているのか。

やはり、都市部と周辺部の支持層の違いではないでしょうか。

この記事の中で、私は、エマニュエル・トッドさんの記事を引いて、今回の選挙が、現代の南北戦争に見えると書きましたが、南北とは行かずとも海岸部と内陸部の対立が根深いものだとわかる投票結果が現れています。

都市エリートと没落した中産階級及び第一次、第二次産業従事者の対立と言い換えてもいいかもしれません。

そこには、トッドさんが指摘する「トランプ支持者とエスタブリッシュメント層の間で“内戦”と言っていいほどの激しい対立」が間違いなく存在し、それが投票に影響していることを表しているように見えるのです。

だからこそ、トランプさんが選挙で負けたとしても、この内戦が収まっていない限り、バイデンさんの国家運営はなかなか厳しいものがあるのではないかと思います。そして、問題はアメリカの民主党にこの対立が見えているようには思えないことです。

隠れトランプを下敷きにしたアメリカの内戦は、今後も、アメリカの不安定さを助長し、コロナ対策や黒人問題など多くの場面で浮き彫りにされるのではないでしょうか。

そこを意識しながら、今後のアメリカとの関係を日本政府が築いていけるのか、米中関係はどうなるのか、頭が痛いことが続きそうな予感がします。

大阪都構想の問題でも書きましたが、選挙は終わりではなく、そこから何を学び、その後に役立てるかが大事だと思います。

アメリカは大統領選挙から学べるのか、そして日本はどうなのか、そこが気になります。


サポートの意味や意図がまだわかってない感じがありますが、サポートしていただくと、きっと、また次を頑張るだろうと思います。