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【2022年最新】韓国のEC市場と消費動向 完全解説レポート

こんにちは、グローバルニッチャーこと、韓国No.1ECモールcoupang公式SPNパートナーの藤田(フジT)です。

本記事は、「2022年10月現在における韓国のEC市場と消費動向」についてのレポートです。

主に以下6つの内容を解説させていただいています。
何か1つでもご興味がある項目がありましたら、ご覧いただけますと幸いです。

  • 2019年から2022年までの韓国EC市場の消費動向

  • 人気のECプラットフォーム動向と特徴

  • No.1ECモールcoupang(クーパン)のサービス

  • 専門店モールの台頭とLIVEコマース市場の拡大

  • 韓国独自のSNS

  • 主要SaaS,Webサービス

自分で言うのも何ですが、韓国本国でもここまで纏まった記事は見当たりませんでした。

韓国やECに興味が無い方には何の役にも立たない超絶マニアックな記事ではありますが、関心のある方が時短で韓国EC市場を把握できるコンテンツになっていますので、是非ご覧いただけると嬉しいです。

この記事の動画版はこちら。お聴き流しや動画で見たい方はどうぞ。

韓国ってどんな国?

まずは韓国の概要から。

■人口:5,163万人
2022年中盤現在の数字です。
1億2507万人※の日本と比較して41.2%、以下の人口

※出典:総務省統計局(2022年5月1日確定値)

国連人口基金(UNFPA)の「世界人口白書2022」によると、190ヶ国中29位となっています。

■EC化率:18.8%
公表されている数字少なく、ECの浸透が加速するコロナ前である2019年のデータにはなりますが、6.76%の日本と約12%の差をつけています。

■国内ECモールの起源:1995年
韓国では1995年に「INTER PARK」というAmazonのようなECモールが誕生し、旅券やチケット販売などから普及しました。

そのため、世界18ヶ国に展開中のAmazon進出時にはすでに出来上がったEC市場に入り込めず、実質的に撤退。
韓国版ドコモ「SK」が運営するECモール「11番街」と提携出品という形で出店しています。

韓国では地元企業が強く、大手でも参入が難しい側面がありうますでの、このような提携や買収によって、国外から入り込む


■検索エンジン:NAVER
韓国人が利用する主たる検索エンジンは、GoogleではなくNAVERです。

1999年に6月に設立され、EC・クラウド・電子決済から地図などのアプリほか、ITサービス全般を網羅した巨大な経済圏を形成しています。

ECは個人から企業までがネットショップを作れる「smart store」やECポータルサイト「NAVER Shopping」、韓国版ジモティ「中古国」などがあります。

「NAVER Blog」というブログサービスや「NAVER CAFE」というオンラインコミニティ作成サービスもあります。

韓国では、NAVER系のサービスが圧倒的にSEOで有利ということもあり、ブログやオンラインサロンはこれらのサービスを選ぶ方が大多数です。

スマホアプリも大手SNSに匹敵するほど、可処分時間を消費しています。(ビジネスでも使われますが)

NAVERに関する基礎知識は、以下の記事をご参照ください。


■チャットアプリ:kakao talk(カカオトーク)韓国での主要チャットアプリは、LINEではなくkakao talk(カカオトーク)です。
韓国No.1シェアの銀行「kakao BANK」や、You Tubeのようなサービス「kakao VIEW」、電子決済「kakao Pay」などを備えています。


■EC売上増加率:日本の約2倍
EC売上(BtoC)の2019年→2020年増加率は26.9%です。
IT化・自国EC発足が早く、元々普及しきっていたのかと思いきや、日本の14.4%と比較して186%という2倍に近しい成長を遂げています。

ちなみにトップ3は、中国・インド・アメリカですが、ECに関しては3位のアメリカに追随するほどの成長を期しています。

■日本からの進出:相談件数12位
「海外ビジネス支援プラットフォーム「Digima~出島~」の統計によると、日系企業の進出における相談件数は、12位という結果でした。

つまり成長産業であるにも関わらず、越境ビジネスにおける競合が少ないとい現状です。

出典:Digima~出島~


世界から見た韓国のEC市場

モバイル決済

モバイル決済ユーザーシェアは世界で2位(2021年)。
1位はAlipay/WeChat payなどが根付いた中国がダントツですが、アメリカを抑えてこれに次ぐ形になっています。

国民一人あたりが年間通販に使う金額

上記はわたしは勝手に計算したデータです。国民一人あたりが年間通販に使う金額は、世界で3位
4位の中国と約62,199円も差をつける形となりました。余談ですが一位が大きなイギリスな発見でした。

■出典 :
・売上…eMarketer
・人口…世界人口白書2021-国連人口基金(UNFPA) ※BtoC売上市場規模TOP10内での格付です。 ※1ドル=110円換算

小売EC売上高シェアTOP10

小売市場におけるEC売上シェアは3位(2022年6月)。4位のデンマークと12.2%と大きく突き放し、2位のアメリカと4.1%の僅差という結果でした。


BtoC EC売上市場規模


EC各社の特色と消費・ユーザーの傾向

ECサービスの決済金額

1位はクーパンで、9兆6,226億ウォン。2位のNAVERと1,392億円の差をつけています。NAVERはネットショップ「smart store」や中古取引「中古国」、「NAVER Pay」など複数サービスを総合した数字です。

ちなみに2021年はNAVERが1位でしたが、クーパンが28%の成長を遂げ1位となりました。

韓国の買い物アプリ

クーパンが1位で2,655万人で2位の11番街に3倍以上の差をつけています。2018年までは3位のGマーケットが1位でして、恐ろしい移り変わりです。(当時クーパンは5位圏外)

韓国のECモールについては、以下の記事にて詳しく解説していますので、ご興味ある方はご覧ください。

【2020年最新版】韓国ECモールを徹底比較① Ι TOP8をランキング形式で解説【輸出可能なサイトも分かる】


日本人が出店できるECモール

2022年11月現在、日本人が出店できるのは、上記にG9を足した10ヶ所のECモールです。

傾向としては、国内インダストリーしていないカテゴリーがよく売れます。
人口5千万人の決して大きくはない国ですので、自国に生産メーカーがない物が割りと多く、輸入に依存している側面があります。

【韓国輸出】日本人が出店できる!韓国ECモール11選|出品リミット~キャッシュフローまで徹底解説


出店方法もブログで解説したりしています。グーグル検索してもほぼ出てこないので、日本では貴重なノウハウかと思います。

【韓国輸出の始め方】11番街の販売者アカウント登録方法① 書類準備編 Ι 無料で全公開!無在庫転売の入門 【手順を徹底解説


クーパンについて

孫正義会長兼社長のソフトバンクグループが2015年、まだ主要ECモールとは言えない市場規模だったクーパンに、10億ドル(約1440億円)を出資したことで話題になりました。(当時はGマーケットが1位でクーパンは5位圏外)

同社は2017年には、20億ドル(約2880億円)の追加投資をしています。

2021年3月11日にニューヨーク証券取引所に上場し、時価総額46億ドル(約5000億円)となりました。

2021年の売上高は約2兆7,000億円で、約2兆5,000億円のAmazonジャパンを上回りました。

良いことばかり並べましたが、赤字もすごい額です。

クーパンについては、以下のアカウント登録のコンテンツ冒頭でも解説しています。

【極秘情報を暴露】韓国輸出 クーパン(coupang) 販売アカウント登録方法|公式パートナーが徹底解説【誰でもできる】

文字で読みたい方のためにブログ版も作っていますので、どうぞ。

【韓国輸出】「クーパン(coupang)」の販売アカウント登録方法を公式SPNパートナーが完全解説!|初心者のための始め方【韓国No.1ECモールで売ろう!】


クーパンのサービス

月額4,990ウォン(約500円)のロケットワウ会員というAmazonPRIMEのような、サービスを展開して急激に利用者を増やすことに成功しました。

ロケットワウ会員になると、高速配送・送料無料・クーパンプレイ(OTT)などの特典が受けられます。

ロケット配送は、販売者がクーパンの倉庫に納品するだけで、注文が入ると受注・発送・カスタマーサービスまでをクーパンが自動対応してくれる、AmazonFBAのような仕組みです。
昨今大きく売上を伸ばしている韓国人セラーは得てしてロケット配送セラーです。

クーパンペイは元々、クーペイという「お金で買えるクーパン系サービスに使えるモバイル決済」で、クレジットカードなど他決済手段で買い物するよりクーペイで決済した方がクーパンキャッシュ(ポイント)の還元率が高いのが特徴でした。

現在はクーパン系サービス全般に活用できる電子決済「クーパンペイ」となっています。

クーペイもクーパンの子会社であるクーパンペイ株式会社に統合されました。

出典:フジT公式Instagram

クーパンプレイは、Netflixやディズニープラスのような、オリジナルの番組が見られるOTTサービスです。

2022年9月の統計(WISE APP)によると、全OTT中ユーザー数はNetflixに次いで2位。新規ダウンロード数は1位という結果になっています。

ロケットワウ会員を中心としたクーパンのサービスについては、こちらの動画でも解説していますので、よかったらご覧ください。

【韓国輸出おすすめ戦略ガイド】ロケットワウ会員/ロケット配送を完全解説|最速で成果を出す「リサーチ分析~効果的な戦略」を、クーパン販売歴4年の現地セラーが語る!


専門モールの台頭

専門モールアプリ利用者数

韓国では近年、「特定のカテゴリーや性別に特化した専門店モール」が台頭しています。

上位モールは次項以降で詳しく見ていきますので、下位から。

「Market Kurly」は、韓国で最も売れているウォルマートのような食品専門モールで、2021年にはIPOも囁かれていました。(実現はならず)

「アイディズ」は、ハンドメイド商品・自家製食品・イラストや写真など”手作り品”を販売できる、minne・Creema・Etsyのような通販サイトです。

専門店ECモールについては、こちらの記事にて詳しく解説しています。

【2020年最新版】韓国ECサイトを徹底比較② Ι フリマサイト5選&専門店・総合店【その他おすすめサイトも】


インテリアEC「今日の家」

韓国では2017年頃から、「一人暮らしのワンルームをコスパよくオシャレにDIYする」のがトレンドとなり、コロナ禍により一気に加速しました。

その流れもあり急成長したのが

韓国特有の、特定商品をグルーピングして選択販売する「ディール(deal)」も購買促進に寄与しています。

このインテリアブームの動きもあってか、2022年にクーパンとニトリが提携。協力なタッグです。


韓国の女性ファッション専門モール

韓国では女性専用のファッションアプリが急速にユーザー数と売上を増やしています。

ABLYは10代~30代の間では最もユーザー数が多い専門店アプリです。中でも1番多いのは20代です。

zigzagが一番の売上を構成しているの世代は20代です。
2019年までは利用者がTOPの座にいたファッションアプリで、若年層に人気が集中しているのが特徴です。

BRANDIは主に40代~50代のミセス向けのファッションアプリです。

韓国のLIVEコマース市場

韓国のLIVEコマース市場規模は来年10兆ウォンまで成長するとの見通し。韓国では、LIVEコマースはラバンと呼ばれています。

ソウル市が調査したアンケート調査によると、ラバン(LIVEコマース)を通じて商品の購入経験のある利用者は2020年27.4%から昨年57.9%に倍増しました。

プラットフォームは、主に「NAVERショッピングライブ VS クーパンLIVE」1位争いが激化。

早期に実装していたTMONはもちろん、新世界、11番街、CJオンスタイル、GSリテールをはじめ、インターパークなどの古参モールも続々と名乗りを上げています。

クーパンLIVE


韓国のソーシャルネットワーク

主要検索エンジンは、NAVERついで韓国発のDaum。Daumは日本で言うところのYahooのようなポジションです。
ブログは、NAVER BlogおよびTstory(ティーストーリー)。
チャットはkakao Talkついでコミニティ限定用途のBANDが主なサービスです。

韓国ではオンライン・コミニティの形成が盛んでCAFEと呼ばれています。
主要サービスはNAVERの「NAVER CAFE」ついで「Daum cafe」が人気です。

SNSは各国同様にInstagram、TikTok、Facebook、Twitterが主流ですが、せっかくなので韓国独自をご紹介。「Kakao Story」「kakao VIEW」が代表的です。

「kakao VIEW」はYou Tubeのような動画共有プラットフォームで、オープンチャット同様、2022年現在、日本人のkakaoアカウントでは利用できないサービスになっています。
「Kakao Story」は、Instagramのようなサービスで10年前に大人気でしたが、現在は40代以上のミドル層に使う人がたまにいるかなといった印象です。

世界各国同様、韓国でもTikTokユーザーは爆増しています。
例に漏れず若年層中心ではありますが、2021年3月時点では利用時間ランキングの8位にも入っていなかったのに、恐ろしい伸びです。

まとめ

だらだらと綴らせていただきましたが、まとめると以下7点です。

  • 元々通販が売れている(取引金額は世界5位)

  • 飽和どころか現在も伸び続けている(日本の2倍近いペースで)

  • 個人あたりの通販利用金額も高い(世界3位)

  • まだまだ日系企業の参入が少ない

  • 自国で生産していない商品カテゴリーが多い(輸入依存)

  • 専門店の台頭、LIVEコマース市場が拡大している

  • 依然として特有の経済圏が守られている

おまけ

韓国のWebツール/SaaSマップ

今回はEC市場と消費動向がメインでしたので、ご紹介し切れませんでしたが、IT大国韓国には日本では見かけない機能を備えた、便利なハイテクWebツールやサイトがたくさんあります。
よく尋ねていただくので、軽くご紹介いたします。

翻訳ツールは、NAVERが提供するはpapagoで韓国語に強いのが特徴です。アプリもあって私もよく基本的にpapagoで翻訳しています。

一番ご質問をいただく複数ECモールを連携して商品管理や受注配送を一元管理できるツールは、以下のコンテンツにて解説しています。

動画では言及していませんが、会員制の仕入先URLをコピペしてボタンを押すと韓国ECモールに自動アップロードされるものや、画像を自動翻訳してくれるツールなんかもあります。(マニアック……笑)

【日本初公開!】韓国輸出に便利な商品/注文の管理ツール8選【複数モールを一括統合】

SEO分析は、NAVER AnalyticsとNAVER Date Lab.でやります。NAVER専用なので、ほぼ韓国でしか使われないため、誰も知らないレベルですよね。

キーワードは、キーワードマスター・パンダランクといったツールで行います。

韓国のEC情勢につきましては、皆様の反響に応じて、またお伝えしようと思います。
良いと思ったり役に立ったという方は、是非「スキ」や「オススメ」していただけると励みや次回作への参考になり嬉しいです!

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(2023年9月リニューアル!)
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現在藤田は、韓国向けの越境ECが学べる通信講座、オンラインサロン「Cross Border戦略室」も運営しています。
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