『24GIRLS』アクビ娘

(タイトル)
24GIRLS アクビ娘の場合
(リード)
貧乏暇無しを絵に描いたような春先です。どこか遠くに行きたい……

(本文)
 前回までの「実は・スゴイ・このアニメ」は、そろそろネタ切れになってきたので終了としました。裏の基本コンセプトが、『ユンカース・カム・ヒア』よりも(いろんな意味で)知られてなさそうな作品を取り上げる、というものだったんで、取り上げる作品を選ぶのがどんどん苦しくなってきた結果です。いつの間にか、DVD化されていない作品をメインに取り上げるようになったのも、自分で自分の首を絞める流れだったなぁと改めて思ったりして。
 で、今回からは企画を一新して『24GIRLS』となります。こちらはタイトルの通り、女性キャラを題材にアレコレ書いていこうという企画。「24」とついてるのは月イチ連載で、とりあえず2年は続けたいなぁと思ったから。もし途中でアレになったら『伝説巨神イデオン』とか『宇宙戦士バルディオス』とか、そんな大人の事情があったと思ってほしい。
 まあ、前置きはこれぐらいにして。

 第1回でとりあげるGIRLは「アクビ娘」。いわずと知れた『ハクション大魔王』に出てくる魔王の娘だ。
 高校生になったころだったろうか、、再放送で『ハクション大魔王』をたまたま見て、アクビ娘がずいぶんと子供だったのに驚いたことがある。
 冷静になって考えれば、魔王の娘だし、声も貴家“タラちゃん”堂子なので、そんなに年齢が高いキャラクターというわけはない。8歳から10歳ぐらいの感じだろうか(魔王が300歳らしいから、アクビ娘も50歳とかかもしれないけど、そういう設定はさておいて)。でも、僕はずっとアクビ娘は自分と同じか、ちょっとお姉さんという印象というか先入観を持っていた。
 どうしてアクビ娘が、お姉さんなんだろうか。ちょっと考えてすぐに思い当たった。
 『ハクション大魔王』の本放送は、1969年10月5日から1970年9月27日。
 一方、僕が生まれたのは、1968年。『ハクション大魔王』を見ながら、そばには1970年生まれの妹がいた記憶があるから、おそらく僕が覚えているのは、1971~1973年ごろの再放送の記憶じゃないかと思う。
 つまり僕の年齢は3~5歳。つまりアクビ娘を、「お姉さん」と見上げるほどの年齢だったから、そんな印象になったんじゃないだろうか。
 さらに「お姉さん」の印象の一因となったと思われるのが、エンディングの「アクビ娘の歌」。
 冒頭からアクビ娘の才色兼備を讃える内容で(だけど、悪戯好きなのは玉に瑕というふうにオチがつく)、それが未就学児童からすると、大人の女の人をほめているように見えたということはある。。
 そして、ここが重要なのだが、エンディングの中程、1回目の「アクビ娘はすてきな子」のフレーズが出てくるところで、アクビ娘がお尻を振る仕草が出てくる。
 当時、このお尻フリフリ(といっても2~3回振るだけなのだけど)を見るたび、言い表しがたい気持ちになったことをはっきりと覚えている。見てはいけないような、でも、何度も見たくなるような不思議な気持ち。
 当時の僕は無理だったけど、今なら、このアクビ娘の魅力を言い表せる。
 コケティッシュ。
 フランス語だとストレートにセクシーの意味になるけど、日本だともうちょっとキュートなニュアンスで使われているこの言葉。この言葉こそエンディングのアクビ娘にはふさわしい。
 アクビ娘は、まだ何も知らない僕に、健康的でカワイイセクシーさ、というのを初めて教えてくれたキャラクターなのだ。
 そういう意味で、やっぱりアクビ娘は、僕にとって永遠のお姉さんなのだ。

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