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漫才論| ⁵³"漫才論争"の元祖はダウンタウン⁉️「ダウンタウン的漫才」の先にある漫才とは❓

テレビでやる漫才とちゃうやんか!おまえらはなめとんのか!そんなもん漫才やない!チンピラの立ち話やないか!

これは,天才漫才師とも評される横山やすしさんが,ダウンタウンの漫才をみて言った言葉です。もしかしたらこれが"漫才論争"の元祖かもしれません。これに対して松本さんは,著書である「遺書」の中でこう述べています

もともと漫才とは,そんなこ難しいものではないのだ。舞台の上で,二人がおもしろい会話をする,それだけのことなのだ
チンピラの立ち話でおおいに結構だ。チンピラが立ち話をしているので,聞いてみたらおもしろかった。最高やないか!それこそオレの目指す漫才なのである
間が悪い,テンポがどうした・・・・・・関係ない。笑えるか笑えないかがいちばん大事なことであり,テクニックは後からついてくるものである

その後は「ダウンタウン的漫才」が主流になっていったため,やすしさんの発言は「漫才の伝統的な形式にこだわっているだけの単なる言いがかり」などと言われることもありますが,「チンピラ」かどうははともかく,ダウンタウンの漫才がそれまでの漫才とは違う「立ち話のような漫才であったのは事実です

ダウンタウンの前と後

ダウンタウンの漫才は,「立ち話」もしくは「フリートーク」のような普段の会話に近い漫才ですが,ダウンタウン以前は,「中田ダイマル・ラケット」「夢路いとし・喜味こいし」「横山やすし・西川きよし」などの漫才をみると分かるように,普段の会話では絶対にあり得ない掛け合いとテンポの漫才です。現役であれば,「オール阪神・巨人」「おぼん・こぼん」「キングコング」「ギャロップ」などの漫才をみると,違いが分かると思います

それに対し松本さんは,「笑えるか笑えないか」を重視し,テクニックではなく「発想」で勝負する漫才をやっていました。ただ,ダウンタウン的漫才が主流になった理由はそこではなく,「普段の会話に近い漫才」のほうがダウンタウン以前の漫才と比べてやるのが簡単だったからではないかと思います

次に目指すべき方向性は"古くて新しい漫才"

この流れを踏まえて考えてみると,次に目指すべき方向性が見えてくるような気がします

「ダウンタウン的漫才はもう古い」と言われる時代も,いつか必ず来ます。そうなると今度は,ダウンタウン以前の「普段の会話では絶対にあり得ない掛け合いとテンポの漫才」が"新しい"と言われるようになるかもしれません。つまりそれは,ダウンタウン以前の「テクニック」が必要な漫才と,松本さんのような「発想」で勝負する漫才の両方の要素を兼ね備えた"古くて新しい漫才"です

ダウンタウン以前の漫才はそう簡単に真似できるものではありませんから,今からあのテクニックを身につけるべく話芸を磨く漫才師が,ダウンタウン的漫才が古くなった次の時代の王者になるのかもしれません

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落語や漫才のあらゆるオチを誰よりも先にNFT化し,落語や漫才やコントなどを作る際の元ネタとなる令和版『醒睡笑』を作っています 脳トレ&遊びながら落語NFTがもらえる『オチ当てクイズ🎯ゼツミョー大賞🏆』という企画もやっています