漫才論| ⁸⁶M-1予選で「あるあるネタ」をやるのはどうなの❓
漫才師ではない人がM-1用にネタを作るとき,自分たちの職業や趣味などの「あるある」をネタにするということがよくあります。こういうネタを作れば,「自分たちならではの持ち味を活かした漫才ができる」と思うかもしれませんが,M-1でできるだけ上に行きたいのであれば,「あるあるネタ」という"形"にしないほうがいいと思います。なぜなのでしょうか?
漫才っぽくない漫才になりがち
漫才師ではない人がやる漫才は,そもそも漫才っぽさがあまりないことが多いですが,そういうコンビが「あるあるネタ」をやると,より一層漫才っぽくない漫才になってしまいます。それは,「あるあるネタ」が,「あるある」をいくつもつなげて一つの漫才にするという構成だからです
漫才がうまければ,それを"漫才"という形でみせることも可能ですが,漫才がうまくないと,「ただ『あるある』を何個も言っているだけ」という印象を与え,"漫才"としては評価しづらいかんじになってしまいます
なぜ「あるあるネタ」を作りたくなるのか
普段は漫才をしていない人がネタを作る場合に「あるあるネタ」を作りたくなるのは,たぶん,作るのが簡単だからです
記念でM-1に出るのであれば,簡単にできる方法でネタを作って出ても全然いいと思いますが(アマチュアでM-1に出るということ自体がすごいことだと思うので)当然,「簡単にできる方法」では上にはいけません
「あるある」を"漫才"という形にする方法
M-1で上を目指すのであれば,自分たちならではのせっかくの「あるある」を"あるあるネタ"という形にしてしまうのはもったいないです。それを,"漫才"という形にしたほうがいいと思います
まず,自分たちならではの「あるある」について二人で話し,それを録音します。「漫才」ということは意識せず,普段通りに会話します。一回の録音で即漫才っぽい会話が録れるというケースはまれなので,テーマを変えたりしながら何回も録音します。そして,その中から漫才っぽい会話を見つけ出し,それをもとにして漫才台本を書くという方法です
慣れるまでは,「会話を漫才台本にする」という作業がかなり難しく感じるかもしれませんが,ぜひ一度試してみてください!
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❶「自分たちにしかできない漫才スタイル」を確立する方法 ❷しゃべくり漫才のうまさは「相槌」で決まる ❸「漫才台本の書き方」と「オチのつけ方」 ➍ボケやツッコミってどのようにして思いつくものなの? ❺「言い訳-関東芸人はなぜM-1で勝てないのか-」は"現代漫才論"ではない-ナイツ塙さんが何を「言い訳」しているのかが分かれば,関東芸人がしゃべくり漫才でM-1王者になる道が見えてくる- ❻漫才詩集「38」
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作: 藤澤俊輔 出演: おせつときょうた
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あらゆるオチを誰よりも先に小噺化するプロジェクト『令和醒睡笑』過去の創作小噺を何回も何回も回すと"古典小噺"になる・・・はず・・・【小噺はフリー台本】