漫才論| ¹¹⁵何を"おもしろい"と感じるのかは, 「発想」「うまさ」「ベタ」の何を重視するのかという"好み"の問題
今年のTHE Wでは「笑いの審査」でかなり荒れ,「『優勝』か『優勝じゃないか』論争」まで起こっていますが,これは,「『"発想"と"うまさ"のどちらを重視するか』という好みの問題ではないか」という点についてはこちらの記事で書きました
そこで今回は,「発想」と「うまさ」と「ベタ」の何を重視するのかで,どんな漫才を"おもしろい"と感じるのか,どんな違いが生じるのかについて書いてみたいと思います
❶「発想」を重視するタイプ
芸の「うまさ」よりも「発想」を重視し,しゃべりなどはあまりうまくなくても,「新しかったり,尖っていたり,ぶっ飛んでいたりするネタ」を好むタイプ
❷「うまさ」を重視するタイプ
芸やしゃべりの「うまさ」を重視しするタイプで,「ベタを重視するタイプ」と好みが重なる場合もある
❸「発想+うまさ」を重視するタイプ
発想がよくても「しゃべりがうまくない漫才」や,うまくても「ベタな漫才」は好まないタイプ
❹「ベタ」を重視するタイプ
安定感のある「ベタ」なネタや,「ダジャレ」や「うまいことを言うネタ」を好むタイプ
解 説
完璧に分類することは不可能で,「❷と❸の中間」や「❷と❹の両方」に属するコンビもいますし,「❸だけどどちらかいうと❶寄り」とか「❸だけど❹も好き」など「好み」のタイプも人それぞれだと思いますが,一つのイメージとして分類してみました(追加してほしいコンビがありましたらコメントお願いします)
それぞれのタイプの人が,どのタイプの漫才を「おもしろくない」と感じる傾向があるかは以下の通りです
このように,同じネタをみてもタイプによって正反対の感じ方をする場合があり,これは完全に「好み」の問題だと思います
「笑い」とはそもそもそういうものです。「お笑い」の大会というのは,ステーキや寿司やラーメンやお茶漬けや大福などなど,ありとあらゆる美味しいものの中の一番を決める大会に似ているかもしれません。「どれが一番美味しいか」など決められませんし,仮に順位をつけられたとしても,その人の「好み」によって順番はまったく変わってきます。だからといって,自分とは全然違う順位をつけている人のことをバカにする人はほとんどいないはずです。誰かが「美味しい」と感じているものを否定するのはナンセンスなことだからです。「笑い」もたぶんそれと同じです
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THE MANZAI magazine
❶「自分たちにしかできない漫才スタイル」を確立する方法 ❷しゃべくり漫才のうまさは「相槌」で決まる ❸「漫才台本の書き方」と「オチのつけ方」 ➍ボケやツッコミってどのようにして思いつくものなの? ❺「言い訳-関東芸人はなぜM-1で勝てないのか-」は"現代漫才論"ではない-ナイツ塙さんが何を「言い訳」しているのかが分かれば,関東芸人がしゃべくり漫才でM-1王者になる道が見えてくる- ❻漫才詩集「38」
フィクション漫才『煮豆🌱』-いとこい師匠のテンポで-
作: 藤澤俊輔 出演: おせつときょうた
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あらゆるオチを誰よりも先に小噺化するプロジェクト『令和醒睡笑』過去の創作小噺を何回も何回も回すと"古典小噺"になる・・・はず・・・【小噺はフリー台本】