漫才論| ⁶²漫才添削事例①
LINEオープンチャット『漫才なんでも相談室🌱』にて,投稿していただいたネタの感想と軽めの添削を行なっています。「漫才添削ってどういうかんじなの?」と思っている方のために,漫才添削事例をご紹介いたします(オープチャットに入るとその他の添削事例もご覧いただけます)【「漫才なんでも相談室」は終了しました】
今回ご紹介するのは,Y.Tさんの『お鍋の季節』というネタです
『お鍋の季節』 Y.T
漫才の感想と軽めの添削
おもしろいです!「お相撲さんにとっての『鍋の季節』」という話題で押していくという発想がおもしろいです!特に「『お相撲さん以外はお鍋の季節がやって来ましたね』って言ったほうがいい」というボケが好きです。オチもいいですね!
前半へりくつ形のボケでおもしろいので,中盤の「俺はどっちでも良いよ」という反応でボケのキャラがブレるというか,内容的に弱くなっているような気がします。必ずしもへりくつで押し通す必要があるわけではありませんが,中盤部分でも強い「ボケ」か「展開」があると,相当良くなると思います!
それと,できる限り余計な言葉を減らしてシンプルな掛け合いにできるとさらに良くなると思います。例えば
────────────
ボ:「お鍋の季節がやって来ましたね」って言うじゃないですか
ツ:言いますねぇ
ボ:あれっていつのこと言ってるんですか?
ツ:冬でしょ
ボ:でもお相撲さんは毎日食べてるじゃないですか
ツ:ちゃんこ鍋ね
ボ:お相撲さんにとっての「お鍋の季節」っていつなんですか?
ツ:・・・・・・一年中?
ボ:それもう「季節」関係ないじゃないですか
ツ:しょうがないでしょ。毎日食べてるんだから
ボ:じゃあ,「お相撲さん以外は『お鍋の季節』がやって来ましたね」って言ったほうがいいんじゃないですか?
ツ:いいんだよ別に。お相撲さんは勝手に毎日食べてるんだから
────────────
これが正解かどうかは分かりませんが,「シンプル」のイメージが湧くようにちょっと書いてみました
このネタはもっともっと育てていきたいネタですね!
本格的な添削をご希望の方はこちらから
このテーマに関する質問・意見・反論などは
「みんなで作る漫才の教科書」にお寄せください
「みんなで作る漫才の教科書」とは,テーマ別に分類した「漫才論」にみなさんから「質問」「意見」「反論」などをいただいて,それに答えるという形式で教科書を作っていこうというプロジェクトです
THE MANZAI magazine
❶「自分たちにしかできない漫才スタイル」を確立する方法 ❷しゃべくり漫才のうまさは「相槌」で決まる ❸「漫才台本の書き方」と「オチのつけ方」 ➍ボケやツッコミってどのようにして思いつくものなの? ❺「言い訳-関東芸人はなぜM-1で勝てないのか-」は"現代漫才論"ではない-ナイツ塙さんが何を「言い訳」しているのかが分かれば,関東芸人がしゃべくり漫才でM-1王者になる道が見えてくる- ❻漫才詩集「38」
フィクション漫才『煮豆🌱』-いとこい師匠のテンポで-
作: 藤澤俊輔 出演: おせつときょうた
あらゆるオチを誰よりも先に小噺化するプロジェクト『令和醒睡笑』過去の創作小噺を何回も何回も回すと"古典小噺"になる・・・はず・・・【小噺はフリー台本】