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#小説
結城カフカくんとの対話の物語その3
ぼくは翌朝、起きるとザ・フーのTommyを聴いていた。ロックオペラに分類されるらしい。結城カフカくんもロックが好きでキング・クリムゾンやドアーズを好んで聴いていた。音楽は人の心や魂を癒してくれたり、逆に奮い立たせてくれる。図書館でジャズ・ピアニストのセロニアス・モンクの評伝とスタンリーキューブリックの評伝を借りてきた。
創作する人のなかには孤独に陥る人もいるらしい。スタンリーキューブリックは
結城カフカくんとの対話の物語その2
みゆきさんはドストエフスキーも好きだったが、ラテン・アメリカの作家ガルシア=マルケスの『百年の孤独』が大好きで、オペラを聴きながら読みすすめ、いくつかのレポートを書いていた。そして、クリスチャンであったので毎日、聖書をちびりちびりとよんでいた。みゆきさんが聖書のなかでも好きなのは『箴言』、『詩篇』、『ヨブ記』と『イザヤ書』であった。この4つの書物は特にじっくり読み、身体にしみ込ませるようにしてい
もっとみる結城カフカくんとの対話の物語その1
ぼくは自閉症だった。カフカに関する知識ならば何でも知っていた。「世間」と交流を持たないといけないと両親からこっぴどく言われ続けてきた。その結果、ぼくはカフカの小説をよく読み教養をつけることでアイデンティティーをとりあえずつけることにとりあえずつけるようになってしまった。カフカについて研究している結城カフカくんと大学のサークルでいっしょになった。ぼくは自分の進路を考えたときに小説家になろうとこころ
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