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音楽のコラム

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2021年6月の記事一覧

モーツァルト三大交響曲その1

モーツァルト交響曲第39番 カラヤン指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 私は三大交響曲をカラヤン指揮の演奏で聴くことにした。まずは39番、堂々とした門が前から第1楽章は歌いだす。バイオリン隊が凄まじく鳴り響いて鳴り止むことはない。第1楽章は神の如く調和がとれている。アクセントの「味」としてフルートが豊かな音色を奏でている。ややバイオリン隊がかたい演奏になって走り回っている。第1楽章の主役は

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ブルックナー交響曲第4番

 指揮者はオイゲン・ヨッフム。形式美に彩られた音の粒がダイナミックである。練り上げられてつくられた曲。職人技としてのブルックナーのなかで鳴り響いていることを感じることができる。この型はモーツァルトと比較してみると面白いと思われる。モーツァルトは歌を歌い上げるように曲を作曲するが、ブルックナーはかなり苦心して作曲しているように思えてならない。これは別にモーツァルト苦心していないというわけでは決してな

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モーツァルト レクイエム

歌をうたいあげるような鎮魂歌である。この曲はとても祝祭的でポリフォニー(多声)でできている。音の粒が一つ一つなめらかでいかにもモーツァルトらしいではなかろうか。このレクイエムは未完であるが、モーツァルトが秘密裏で門外不出教会音楽「ミゼレーレ」を書き留めてしまったという事件があったというと納得のいく出来栄えである。映画『アマデウス』でもあやしげな使者の注文によってこの曲を書くことになるのであるが、ベ

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