「苦手克服の特効薬とは?」スケール&エチュードグループレッスンレポート・7/21
昨日のスケールとエチュードのグループレッスンレポートです!
スケールはアイヒラーのp 31、半音階です。
半音階は基礎中の基礎ですが、苦手だったり練習自体したことがない方が多いことが分かったので取り上げました。
最終的な目標は、自分が設定した速いテンポで通すことです。(スラー)
お一人ずつのレッスンを始める前に、高音域の指づかいの不安を解消すべく復習をしました。
高音域は「必ず覚える!」と決めて練習しないと覚えられないものです。決意しないと覚えられないということは、相応の時間と労力がかかるということ。
覚えきれていない方が多かったですが、練習方法にも原因があるのではないかと感じました。
この練習だとなかなか覚えられません。
・音を出しながら覚えるのがメイン
・そもそもの練習量が少ない
・一気に覚えようとしている
・諦めが早い
また、苦手意識も邪魔しているように感じました。「高音=苦手」が根強いと、それだけでブレーキになります。
色々なテクニックがありますが、半音階は練習すれば身に付く種類のものです。一定期間集中して練習すれば、必ず出来るようになります。
基礎中の基礎である全音域の半音階、練習方法はレッスンやライブで沢山お伝えしているので、ぜひできるようになってほしいというのが私の希望です。
目安としてはグループレッスンで自信を持って吹けるようになること。
教室のグループレッスンという安全な環境で一通り吹けるようになれば、楽団や部活で応用できる確率が上がります。
高音域の確認の後はお一人ずつレッスンしました。
参加者の前でのお一人ずつのレッスンは、緊張対策にもなります。今回参加された方々は、全員大勢の前で演奏する機会がある方々でした。
演劇が専門のATの先生が、こんなことをおっしゃっていました。
「楽器演奏は人前でやるものなのに個人練習が中心になる。このギャップが大きいのに適切な対策はほとんどされていない。だから音楽家には緊張に悩む人が多いではないか?」
これには私も同意です。
人前で成功したり失敗したり恥をかくことは必要な体験です。苦手を人前で練習するのはその最たるものです。この体験の積み重ねが自分を強くしていくのです。
人前で吹く体験をするためだけに、グループに参加していただいても良いぐらいだと思います。
お一人ずつレッスンしましたが、参加者の方の課題も色々でした。
基礎的な吹き方の改善、狭い空間から出ること、根強いクセを手放すこと、音楽を想定すること、自信を取り戻すことなど。人それぞれですが、これらは全員の課題でもあると思います。
また、できないことが明らかになると
「足りないから足さなきゃ」と欠けを補うような意識になるかもしれませんが
「忘れていたことを思い出す」
で十分なことも多いです。人間って忘れっぽいですよね。忘れっぽいことも忘れてしまう、忘れたことも忘れてしまうのが人間です。
これまでに習ったり自分で研究したこと、実践して上達した体験、練習してできるようになったテクニック、吹けるようになった曲、楽団での成功体験を思い出してみましょう。
自分がもっと出来ることは潜在意識では分かっているはずです。我に返って思い出すだけで十分な場合も多いのです。
また「バランスを整え直す」と捉えてみるのも一つです。たとえば
・指の感覚が強すぎるので、音を聴く方に意識を配分してみる
・ミスに拘りがちな意識を旋律を楽しむことに向けてみる など。
プラスするのを一旦保留、自分の望みを思い出し、これまでの経験や身につけたスキルを思い出したり見直してみると、色々変わってくるかもしれません。
エチュードはランスロ26のエチュードの19番です。
19番はやりにくい半音階の運指がたくさん出てくる課題です。替え指で回避することも可能ですが、今回はあえてやりにくい指づかいで練習しました。
今回は曲想についてもそれぞれの方の感じ方をお聞きしました。本当に人それぞれで面白く、自分にはない視点があるのに気づけます。これもグループレッスンの良さだと思います。
あとお悩みで多かったのはブレスについてです、素早く吸わなくてはならないブレス、息が続かない原因、沢山吸えない原因など色々アドバイスさせていただきました。
ブレスはテクニックや身体の使い方も重要ですが、メンタルがかなり影響を与えます。
びっくりするだけで息が止まったり、出来てないと思うだけで息が浅くなったり、ホッとすると呼吸が楽になったり・・・
ブレステクニックを練習することも必要ですが、土台である意識も替えていく目を必要があるのでは?と思いました。
また、これは以前noteにも書きましたが、楽器のブレス以前に生活での呼吸を見直すことも大事だとお伝えしました。日常の呼吸は楽器の練習より遥かに回数が多いです。その日常の呼吸を見直すと何が起こるでしょうか?
最後のアンサンブル基礎では、ザッツ(合図)の出し方を練習しました。ザッツが苦手な方はかなり多いですが、体験することで少しずつ自信がついてくると思います。
自称ザッツが苦手な方も、全員わかりやすくかつ大袈裟ではないザッツが出せるようになっていて何よりでした。
ザッツを出す時だけでなく、どんな立場でもザッツを出す意識(主体性)は必須です。ぜひ現場で試してみてください。
次回8月のスケール&エチュードグループレッスンは満席ですが、8/4のATとClグループは空きがあります。ご興味のある方はぜひご参加ください。
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