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蛙の子は蛙

諸事情があり急遽日本へ一人戻ることになった。
5年ぶりなのに正味11日という短い滞在だ。
諸々の要件は到着後直ぐに済ませたので3、4日で終わらせることができた。
今回は強行突破の弾丸遠征だったので、帰国を決めてから数日で飛んだ事もあり他の予定は何もない。
しかも梅雨入り宣言された直後で元々が出不精とくれば、残りの滞在は毎日両親と過ごすという一択だ。
うちは両親ともに買い物好きなのでいつものようにイオンやイトーヨーカドー、アピタなどのショッピングモール巡りに時間を費やした。
もちろんダイソーやセリア、薬局巡りも忘れない。
因みにこの5年で日本の薬局はスーパーマーケット化してしまっていた。
生鮮食品や乳製品まで取り揃えられていて、母が二日に一度の割合で薬局に行くわけがわかった。
他にも実家はモーニング発祥地周辺ということや、親が団塊世代とくれば生活にも余裕があり、一日三食外食だったりもする。
老いたといっても両親揃って健康なので子供としては有難い限りだ。
 
今までも時として感じていたが、今回の帰省で鮮明になった事がいくつかあった。
私はつくづく父親に食の好みが似ているという事。
私は日頃中華料理を口にしない。
嫌いとかではない。
どちらかと言えば大好きだ。
うちの近所に美味しいと思えるチャイニーズレストランをみつけていないだけ。
ラーメンは元々そんなに食べないけれど、炒飯も唐揚げも餃子も回鍋肉も麻婆豆腐も大好きだ。
なんといっても酢豚が好きで、ここ数年、次回日本に帰った時には必ず食べようとリストの上位に掲げていた。
到着直後に早速その旨を父に伝え、早い段階で中華料理を食べに行く事に。
そのお店は小籠包のお店らしく、私の知っている町中華のイメージではなかったが、父のおすすめでお店の前のディスプレイには酢豚があった。
私の頼むものはすでに決まっていたけれど、席に着き形ばかりに写真のついたメニュー本を眺める。
白米が見つからないので、炒飯でも頼むかと焼豚炒飯を選択。
母が食べるものは決まったかと父に話しているのを聞いていると、なんと私は父と同じメニューを選んでいた。
たくさんあるメニューから、炒飯だけでも5、6種類はあったのに全く同じものだなんて、さすがに苦笑した。
 
食事の後にスーパーに寄った際、菓子パンコーナーでロールケーキを見ながら買おうか迷い、結局我慢して買わずにお店を出てきた。
両親とは別行動をしていたので知らなかったのだけれど、父もやはりロールケーキを見ていたらしく、家に着くなりかぶりついていた。
しかも自分の分だけ買ってきたらしく、父の分一つだけ。
 
また別の日にあんドーナツを買おうか迷ってやはり買わずに帰ってきた私は、父が全く同じものを買ってきている事に驚く。
この時はパックにいくつか入っていたので私も一つ頂くことができた。
 
今回の帰国は土曜日に中部国際空港に到着したのだけれど、5年前のパスポートの後日証印を受けるため月曜日の午後に空港に舞い戻る事になっていた。
空港に来ることといえば帰国と出国の際のみ。
帰国時は脇目も振らずとっとと電車に乗ってしまうし、出国時はナーバスになっていて心に余裕がない。
この際だからセントレアをゆっくりと満喫しようかなと思い、両親と妹を誘ってみた。
妹は1ヶ月後に韓国旅行の予定があるとのことで下見がてら久しぶりに見ておきたいと私の誘いに乗ってきたので空港で待ち合わせることに。
父は電車が大好きなので特急の指定席で行きたいと、もちろん大張り切り。
母は誘った当初は行く予定にしていたけれど、私の帰省が決まってから短期間に張り切りすぎたのか疲れが出たらしく、留守番する事になった。
空港に到着し、私は事務所のある建物に直行。
妹たちとは用事が済み次第合流するという事で一旦別行動。
20分ほどで解決したので、妹たちがいるというスカイデッキに向かった。
その後、空港内のコメダ珈琲でお茶をすることに。
父に、空港を出る前に母へのお土産に赤福餅を買いたいと言うと、妹がすかさず「お父さんがもう買ったよ。」と教えてくれた。
こんなところまで父に似る私って。。。
 
他にも細かいことを言い出したらキリがない。
食に限らず、ゴミの仕分けの細かさとか、ストレスに思うことの内容とか。
とにかくもう否定出来ない事実として受け入れるしかないのだろう。
でも今のところ父に言うつもりはこれっぽっちもない。

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