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70歳定年時代のデジタル化とインクルージョン〜クラウド働き方改革のススメ11〜

70歳定年時代のインクルージョン

令和3年4月1日「高年齢者雇用安定法」が施行され、この法律によって企業は何らかの形で、70歳まで雇用をする努力が必要になりました。

また、令和4年4月1日に施行される「改訂 女性活躍推進法」は、女性が働きやすい環境で、活躍できるようにすることを事業者に義務付けるもので、こちらは101人以上の企業には目標設定と報告の義務があります。

どちらも労働者の裾野を広げるのが目的です。

しかし、そもそもこの裾野が広がらなかったのは、高齢者には通常業務のパフォーマンスの課題、女性には結婚出産に伴う休みや、子育て時間との兼ね合いなどの課題が解決していないことが原因でした。

さらに障害者(マイノリティ)の雇用にも同様の課題があります。

これらの課題は、様々な状況の人たちが力を発揮する機会を持つ、いわゆる「インクルージョンの課題」と言い換えることができそうです。

デジタル化でインクルージョンの課題を解決

では、この「インクルージョンの課題」には、どのような解決方法があるのでしょうか?

その突破口として有力な方法が「デジタル化」です。

これには「パソコンは苦手な人が多いし。。。」とか「すごいコストが掛かる。。。」といった反論が出てきそうです。

しかし、もう一つ「中古のiPadとiPhoneで」というキーワードをプラスすることで、これらの課題も解決できます。

中古のiPadとiPhoneがキーワード

では、なぜ「中古のiPadとiPhone」という要素が加わると、課題が解決できるのでしょうか?

理由は3つあります。

①iPadやiPhoneは、インクルージョンの対象の方が日常で使っている

特にiPhoneは、日本の老若男女がこぞって使っています。インターフェイスへの慣れの早さが違います。

(弊社でも60歳の方が、1ヶ月程度で入力に慣れてしまいました)

また障害がある方への対応も様々な手法が研究されています。


②iPadやiPhoneの業務は、パッケージ型のクラウドサービスを基本にして、足りない業務だけFileMakerで開発すれば良い

最近のクラウドサービスは、スマホアプリへの対応も進んでいるので導入はアプリを入れれば完了です。

また、基幹業務もクラウドサービスに切り替えて、限られた人だけがパソコン作業を行い、その他の通常業務だけを開発する手法をとれば高速でデジタル化が進みます。

他社事例ですがFileMakerの公式ブログによると、スタートから2ヶ月で開発できたそうです。弊社は基幹業務も自社開発したので開発期間は6ヶ月程度でした。


③中古のiPadやiPhoneは、2〜3世代前ならパソコン1台の1/3以下の値段で機能も十分

現行の廉価版iPadやiPhone8なら、中古(または新古)品は1台3万円前後で購入できます。また性能的にも十分です。

これがリモートワークのために、パソコンを一人1台購入するとなると、10人で100万円掛かる話になります。

また中古でWindowsパソコンを買ったとしても、管理コストやOS更新のたびにトラブルが起こるというリスクがあります。

それなら、パソコン業務自体をクラウド化やタブレット対応アプリに移行してしまったほうが、コストやリスクを大幅に軽減できます。

デジタル化で目指す定年70歳時代の会社とは?

気づけば、65歳を超えた方や出産育児中の男女、障害を持った方々が一緒に働く時代になりました。

また新型コロナの対応も考慮しても、何かあったら気軽にすぐ休める会社であることは必須であると言えるでしょう。

そのような会社であるためには、まず誰でもどこでもできる業務を出来るだけ増やしていくことが大切です。

そして、そういう業務を外部や分散処理しまえば、会社でやらなければいけない業務は、付加価値の高く、専門性の高いものだけになります。

付加価値が高く、専門性の高い業務は習得に時間がかかります。

それならベテランの方には、引き続き専門性の高い業務の実践と、後進の教育に集中してもらう方が良いということになります。

つまり、ベテランの方がハンデになる業務を減らし、継続的に活躍できる環境を作ることは、付加価値の高い製品やサービスを生み出し続けられる会社の条件になります

また家庭を大切にできる時間を作ることは、女性が活躍しやすい職場に直結します。

誰でもできる事務的な仕事は、アウトソーシングやみんなで分散処理して時間的余裕を作り、その時間を休みや他者のヘルプなどにあてて、みんながそれぞれの家庭や生活を大切にできる時間を作れる環境を整えることも大切です。

そして誰もが付加価値を生み出す実感を持ち、仕事に集中できる会社になることが、デジタル化で目指すインクルーシブな会社像なのではないでしょうか?

今後もいろいろ工夫をしていきますので、どんな会社になっていくか見守ってください!

いただいたサポートは、さらなる研究のために使わせていただきます。わかった情報は出来る限り公開、発信していきます。